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おその★
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めかぶぷりん
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#SnowMan
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大時計塔を出ると、三人は改めてパークマップを開いて見る。
💛「次どうする?」
❤️「オーロラ・シアター、行ってみたいかも」
💛「ああ、夜になると綺麗ってやつ?」
❤️「そう。それ」
💜「いいね。行ってみよっか」
場所を確認してみれば、オーロラ・シアターはここからだとかなり奥にある。
💜「思ったより、距離あるねー」
💛「そう? 近いよ」
💜「照の感覚と一緒にしないでもらっていい?」
❤️「トラム使う?」
💜「あ、それがいいかも。近くの停留所は……こっからだとウンディーネの軌跡近くの方がいいかな」
最寄りは、ウンディーネの軌跡近くにある停留所なので、道すがら気になるショップを覗きつつ、のんびりと停留所へ向かっていく。
💜「あれ乗ればいいんじゃない?」
❤️「タイミングいいね」
ほどなくして停留所へ滑り込んできたトラムが、ゆっくりと速度を落として停車する。扉が開き、中から乗客が次々と降りてきた。
やがてトラムが停まり、扉が開く。降りてくる人たちを避けて待っていると、その中に見慣れた三人の姿を見つけた。
🩷「あれ、照たちじゃん! 偶然だなー!」
💛「お前ら、騒ぎまくってないだろうな?」
🩷「ん、んー?」
💜「あ、誤魔化してる。まあ、いいや。迷惑だけかけんなよ」
🧡「わかってるて。あれ、照兄なんそれ?」
💛「ん?」
向井が目を留めたのは、岩本の腰にぶら下げていたワンダーキーだった。光を受け、時折キラリと輝いている。
💛「これ、ワンダー・パビリオンってとこで作った」
🩷「え、作ったの!?」
💜「そう。なんか性格診断みたいなのやって、最後にもらえる鍵があんだけど、それを自分の好きなようにカスタマイズできんの」
🤍「カスタマイズ!? 僕やりたい!」
❤️「ワンダー・パビリオンってとこ。あっちの奥の方にあったから、行ってみたらいいよ」
🩷「サンキュー! じゃあ、行ってくる!」
💛「あっ。だから走んなって!」
窘める岩本の言葉は恐らく届いてはいない。どんまい、とでもいうように宮舘が岩本の背中をポンポンと優しく叩き、三人は《INFORMATION》と書かれた車両に乗り込んだ。
それからしばらくトラムに揺られ、次の停留所で降りる。
💜「オーロラ・シアターは……もうちょい奥か」
❤️「ここからなら歩いて行けそうだね」
再び歩き出そうとしたところで、宮舘がすぐ近くにある建物へ目を留めた。
❤️「あれ、何だろう」
💜「ん?」
視線の先にあるのは、光を反射してきらきらと輝く建物。壁にはいくつもの鏡面やガラスが組み込まれ、見る角度によって色も形も違って見える。
❤️「ミラージュ・メイズ、だって」
💜「メイズって、迷路?」
❤️「鏡の迷宮みたいだね」
💛「せっかくだし入ってく?」
❤️「いいね。オーロラ・シアターだから、もっと暗くなってからの方が良さそうだし、最終上映は20時になってるから余裕で間に合うよ」
💜「じゃあ、ミラージュ・メイズに先に行くか」
オーロラ・シアターへ向かう前に、三人は少し寄り道することにした。
近づいてみると、ミラージュ・メイズは遠目で見る以上に不思議な建物だった。
幾何学的に組み合わされたガラスと鏡面が陽の光を反射し、白を基調とした外壁に淡い虹色の光を散らしている。見る位置を変えるたびに映り込む景色まで変わり、建物そのものが巨大な万華鏡のようだ。
💜「すごいね。見る角度で全然違う」
❤️「写真撮ったら面白そう」
💛「中もこんな感じかな」
入口を抜けると、そこから先は一面の鏡。
壁だけでなく、場所によっては天井にも鏡が使われ、三人の姿がいくつにも分かれて奥へと続いている。足元には淡い光のラインが走っているものの、それすら鏡の中に反射して、本物がどれなのか一瞬分からなくなるほどだった。
❤️「これ、分かんないね」
💜「そっち行けるんじゃない?」
深澤が指差した先へ岩本が手を伸ばすと、すぐに鏡へとぶつかる。
💛「ねー、鏡じゃん」
💜「あれ? 道に見えたんだけどな」
❤️「こっちじゃない?」
宮舘が見つけた通路を進んでいくと、今度は三方向へ道が分かれていた。鏡に映った景色まで加わり、実際にはいくつ道があるのかさえ分かりづらい。
何度か足を止めながら進んでいくうちに、とうとう行き止まりへと辿り着いた。
💜「あれ、間違えた?」
💛「でも、戻るしかなくない?」
❤️「……あ、なんか出てきたよ」
宮舘が示した鏡面に、淡い光が集まっていく。やがて幾何学模様を描きながら広がり、一つの魔法陣を形作った。その下には、《魔法陣に触れてください》と文字が浮かんでいる。
💜「これ触ればいいの?」
深澤がそっと手を重ねる。
💜「あ、冷たっ」
ひんやりとした感触とともに魔法陣が輝き、目の前にあった鏡がすっと消えていく。その向こうには、新たな通路が現れていた。
💜「おお、そういうことか」
💛「行き止まりがハズレじゃないんだ」
❤️「これ、魔法陣探しながら進む迷路なんだ」
それからも鏡の迷路を進み、行き止まりに辿り着くたびに魔法陣へ触れて次の道を開いていく。
触れた魔法陣はどれもひんやりと冷たく、淡い光を放ったあと、鏡の一部が消えるようにして新たな通路が現れた。
次の行き止まりでも、同じように鏡面へ魔法陣が浮かび上がる。
❤️「じゃあ、次これね」
宮舘が何気なく手を伸ばし、魔法陣に触れた。
❤️「お。冷たい」
💜「あれ、舘が冷たいって思うの珍しいね」
❤️「そりゃ、俺だって冷たいものくらいあるよ」
💛「そんな冷たかった?」
💜「あー、照は感じないよね。炎の膜あるから。俺は総じて冷たいけど」
そんなことを話しているうちに魔法陣の光が広がり、目の前の鏡がゆっくりと次の道を開いていった。
その後も鏡に惑わされながら進み、いくつかの分かれ道を抜けた先で、ようやく出口を示す光を見つける。
💜「お、ゴールじゃない?」
❤️「やっと出られるね」
💛「思ったより迷ったな」
最後の鏡の間を抜け、三人は再び外へと出た。
そのまま当初の目的だったオーロラ・シアターへ向かう。ほどなくして辿り着いた建物の前には、これからの上映時間が表示されていた。
❤️「次、16時45分だって」
💜「今、何時?」
❤️「16時半」
💛「15分後か……」
❤️「どうする? その次が17時15分」
💜「せっかくだし、そっちにしない? ここまで来たら暗くなってから見たい」
💛「俺もその方がいいと思う。どうせなら、思いっきり楽しみたいし」
❤️「じゃあ、17時15分の回にしようか」
パークマップを確認すれば、中央湖の奥に建つ天耀宮エルセリオンはここからそう遠くない。
上映時間までの時間を使ってエルセリオンへと向かい、その外観を眺める。
中央湖の奥に聳える天耀宮エルセリオンは、近くで見ると改めてその大きさに圧倒される。白を基調とした宮殿にはいくつもの尖塔が連なり、空や湖の色を映す壁面は、傾き始めた陽を受けて淡く色を変えていた。
近くで見ると、門から眺めた時よりもずっと大きく見えた。
オーロラ・シアターまでの道沿いにショップがいくつかあったので、それらを眺めながら来た道を戻り、再びオーロラ・シアターの前までやって来る。
ちょうど17時15分の回の入場が始まっており、三人も列に並んで中へと入った。
入口で迎えてくれたのは、劇場スタッフらしい上品な衣装に、薄く透けるケープを重ねたキャストたち。ケープは歩くたびにふわりと揺れ、光の加減によって淡い青や紫、緑へと色を変えて見える。
通路を抜けた先に広がっていたのは、中央の舞台をぐるりと囲むように客席が並ぶ、半円形の屋外劇場だった。
空はまだ完全な夜ではない。西の端には沈んだ太陽の名残が薄く残り、頭上へ目を向けるにつれて青は少しずつ深さを増している。
その薄暗さの中、舞台を囲む透明なオブジェや水面には淡い光が灯り始めていた。青や紫、時折緑を帯びた光が水に反射し、昼間とはまるで違う景色を作り出している。
💜「おお、もう綺麗」
❤️「この時間にして正解だったかもね」
💛「もうちょっと暗くなったら、もっと綺麗そうだ」
案内された席へ向かい、三人並んで腰を下ろす。
開演を待つ僅かな間にも、空は刻々と色を変えていた。
やがて開演を告げるアナウンスが流れ、客席を照らしていた明かりがゆっくりと落ちていく。辺りが暗くなるにつれ、それまで水面に揺れていた光が鮮明になった。
静かな音楽とともに、中央の舞台から細い水の筋が一本、空へと伸びる。
それを追うように二本、三本と水が吹き上がり、青い光を受けながら緩やかな弧を描いて落ちていった。水面に触れるたびに波紋が広がり、その波紋を追いかけるように光も外側へと駆け抜けていく。
💜「おお……」
深澤の小さな声が、音楽に紛れる。
次第に音楽のテンポが上がると、水の動きもそれに合わせるように変わっていった。左右から交互に噴き上がった水が空中で交差し、細かな飛沫となって降り注ぐ。その一粒一粒が青や紫、緑の光を受けて煌めき、舞台の上に無数の光の粒を散らしていく。
低く流れていた水は高い水柱へと変わり、それらの間を縫うように光が走る。
気づけば、西の空に残っていた夕暮れの色はほとんど消えていた。深い青へと沈んだ空に、細長い光がすっと現れる。
❤️「あ、オーロラ」
宮舘が呟いた。
淡い緑の光はゆっくりと波打ちながら横へ広がり、そこへ青や紫の光が重なっていく。やがて大きな光の帯となり、夜空いっぱいを覆うように揺らめき始めた。
水面にも同じ色が映り込み、頭上と足元の境目が曖昧になっていく。
高く吹き上がる水柱にオーロラの光が重なれば、まるで光そのものが形を持って空へ昇っているようだった。
💜「これ、すごいね」
💛「綺麗だな」
三人もいつしか会話をやめ、目の前の光景に見入っていた。
そして音楽が一度、静まる。高く上がっていた水が次々と落ち、最後の一筋が水面へ消えると、劇場を一瞬の静寂が包んだ。
次の瞬間。低く響く音とともに、中央から一斉に水が噴き上がった。
それまでとは比べものにならないほど大量の水が空高く舞い上がり、同時に中央からふわりと熱を帯びた風が客席へ届く。
💜「あったか」
深澤が思わず呟く。
空へと舞い上がった水が、光の中で一気に白く霞んだ。水滴だったものが細かな霧へと姿を変え、舞台を覆う。そこへオーロラの光が差し込み、白い霧が青、紫、緑と次々に色を変えていった。
さらに霧は舞台だけに留まらず、波のように客席へと流れ込んでくる。
一瞬にして視界が白く染まった。ほんの数秒。隣に座る二人の姿さえ霞むほどの霧に包まれる。
その中で、岩本が僅かに眉を動かした。
💛「……涼し」
💜「ね、ちょっと気持ちいいかも」
そう話している間にも霧は薄れていく。
白く閉ざされていた視界が開けると、その向こうには再び鮮やかなオーロラが広がっていた。
最後にいくつもの水柱が一斉に空へと伸び、光が舞台を駆け抜ける。音楽が華やかな余韻を残して終わると、劇場いっぱいに拍手が沸き起こった。
余韻に浸りながら席を立ち、人の流れに続いて出口へと向かう。
ショーの最中は電源を切っていたスマートフォンを取り出し、岩本が電源を入れた。起動を待っている間にも、三人はそのまま出口へと歩いていく。
やがて画面が明るくなった、その直後、着信音が鳴った。
💛「ん?」
画面に表示された名前を見て、岩本が足を緩める。
💛「阿部だ」
💜「阿部ちゃん?」
ちょうど出口を抜けたところで通話ボタンを押し、スマートフォンを耳に当てた。
💛「もしもし?」
💚『やっと繋がった! 何度もかけてたんだけど、電源入ってなかったから……』
💛「なに、なんかあった?」
💚『照たち、異能使える?』
💜「へ? なに? 急に」
💚『いいから! なんでもいいから使ってみて!』
珍しく切迫したような様子の阿部。こんな遊園地の中で異能を使うつもりがなかった岩本たちは、不思議そうに顔を見合わせて首を傾げる。
けれど、阿部がそう言うには何か理由があるはずだと、人が多いから待ってと告げてから、オーロラ・シアターを離れた。通りから少し外れたところで、それぞれが異能を使ってみる。
💛「あれ? なんか、炎が弱い」
💜「俺もだ。ちゃんとした形にならない」
❤️「氷は作れるけど、冷気は出てこない……」
💚『やっぱり照たちもだ……みんな、一回集まろう。エントランス・プラザまで来てくれる?』
深刻な阿部の声に、岩本達は頷くとエントランス・プラザに向かって走り出した。
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