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ソ連はパニックになって泣き崩れてしまった日から、あいつの様子はおかしくなってしまった。
私が名前を呼ぶとビクリと体を震わせ、ぎこちなく返事をするようになった。
それに加えて、全然喋ってくれなくなってしまった。
一緒に帰ってくれるようには戻ったが、
その時も会話はなく、どこか冷たかった。
でも、手を繋ぐことだけはしてくる。しかも、以前より優しく。
一体、何が…
私に原因があるのかもしれないが、
生憎、直接聞く勇気などは持ち合わせていない。
どうすれば、前のように親友に戻れるのだろうか…
少し気持ちが落ち込んだまま、オフィスに入る。
扉を開けると、彼はいつも通りボーッと窓の外を眺めていた。
もう私は、ソ連に深入りしない方がいいのかもしれない。
あなたと笑えることが生きる意味の一つでもあった。
やっぱり淋しい、心の中に大きな穴が一つ空いたような感じがした。
…ゆっくりでいい、今すぐじゃなくてもいい。
そう伝えたいが、口の中が乾いてうまく声に出せない。
ナチス「そ、それんッ、」
ソ連「ビクッ な、なんだ、?」
ナチス「えっと、な、焦らなくても大丈夫だ。」
ソ連「えっ…?」
ナチス「ソ連のことだから、何か理由はあるのだろう?
でも、言いにくいのなら無理強いすることもない。」
ソ連「え。」
ナチス「大丈夫だ。待ってるから。」
ソ連「あッ、、へ?」
私は半ば悲観的な自分を諭すように、ソ連に声をかけた。
今は、これでいいんだ。これが正解なんだ。
ソ連が怖がっている理由は、今、知らなくてもいい。精神的に安定するまで、距離を置くのが一番いいだろう。
ナチスはそう思い、自分のデスクに向かっていった。
一方、ソ連は。
『「大丈夫。待ってるから。」』
『「待ってるって言ったのに…!」「はいはい、俺は嘘つきさ。世にも名高い“悪党様”になれて嬉しいよ。」そう言って、ナチスは俺に背を向けて去っていった。』
「大丈夫だ。待ってるから。」
しんじていいの?一度、潰えたひかりを?
怖い、傷つきたくない。傷つけたくない。いやだ、離れないで…お願いだから。
喉がひりつく、涙を堪えて引っ込める。
何もみたくない。何もききたくない。
目をぎゅっと瞑って耳を抑える。
ソ連「み、見捨てないで…!ごめんなさい、!どこにも行かないでよ…!」
その様子を傍観していたものが1人…日帝である。
日帝「先輩、ソビエトと何かあったんですか?」
ナチス「いや、俺にもわからないんだ。
今は、あいつが落ち着くまでそっとしておこうと思う。」
日帝「そうですか……、まあ、私も声をかけるくらいならしておきますね…」
ナチス「ありがとうな。」
日帝「いえいえ、」
そして2人は目を合わせたあと、
困ったような顔でソ連に視線を向けた。
会社から出た家路。
ソ連との会話はない。
それでも、手を包み込む温もりは、確かに伝わってきた。
手を繋いでいる間だけは、
彼はどこにも行かないんだと、安堵してしまう自分がいた。