テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
朝が来て、自然に目が覚める。
時間はいつもより早かったが、もう一度寝れそうにはなかった。
洗面所に行くと、鏡には少し疲れた自分が映った。
水がピチャピチャと跳ねる。
それが冷たくて震えそうになった。
ナチス「はぁ…、ッ、だめだ、ため息なんかついてるようじゃ…」
あいつはもっとしんどいんだから…
白金懐炉をスーツのポケットに突っ込み、コートを羽織る。
ナチス「ッ、あ、ソ連に貰ったマフラー…」
少しでも、あいつと一緒にいたくて、
淋しさを紛らわせるようにしっかり巻く。
外に出て、霜がついた草を横目に道を歩く。
マフラーのおかげか、
ソ連が抱きしめてくれているように暖かかった。
バス停に着くと、並んでいるのは2、3人だけだった。
5分くらい経って、バスが到着する。
いつもより30分早かった。
バスに乗ると、横に流れていく景色をボーッと見るしかなかった。
会社には、行きたいし行きたくない。
壊れそうなソ連を見ているのは苦痛だ…
……でも、ソ連に会えないのも苦痛だッ!
1人で悶々としていると、いつの間にか会社にはついていたようだ。
「ありがとうございました。」と言い、小銭を入金する。
地面に降りると、いつもより地面の感覚が薄かった。
会社に入ってエレベーターに乗りにいくと、
“故障中”の看板が貼られていた。
オフィスに続く階段を登る。
早く来たことを誰にも知られたくなくて、音を殺して歩く。
オフィスのドアが見えた。
なんだか開けてはいけないような気がする。
音を最小限に抑え、ゆっくりドアを開く。
そこには、×××を持ち自分の手を捲っているソ連が居た。
ナチス「な、何やってるんだ…!」
ソ連「…あ、いや、別に何も。」
ナチス「じゃあ、それは…」
ソ連「ッ、次の企画のプレゼンのとき、発泡スチロールで模型を作って発表しなくちゃならないんだ。」
ソ連の机の上に目をやると、確かに発泡スチロールの塊が置かれていた。
ナチス「なんで腕、捲ってるんだ、?」
ソ連「…気合いを入れようと思っただけだ。気にしなくても大丈夫だぞ。」
ナチス「そ、そうか…………」
ソ連が微笑んでくれたが、どうにも目に光がないように見える。
いや、疲れてるだけだ。
第一、ソ連は嘘をつくのが下手なんだ。その時は決まって貧乏ゆすりをする。
今はしてないし、
………本当だからッ、嘘じゃない、!
そっとしておこうと決めたのは私だ。
これ以上何か聞く必要はない。
もう少し経って、続々と会社員が入ってくる。
私のこころとは裏腹に、
清々しいほどに朝日が煌めいていた。
コメント
5件
ナチさん…𝕟𝕚𝕔𝕖 𝕥𝕚𝕞𝕚𝕟𝕘☆本当にソ連さん大丈夫ですか?どんどん壊れていきそうで怖い…
お( ՞ټ՞) 切っちゃう前だったかあ!