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「ニュート?」
もう一度名前を呼ぶと、ニュートはハッと止まっていた時が動き出すように瞬きをした。
「っあ…あぁ…ごめん…」
「どうしたんだ?」
「あ…その…改めて見ると…テセウスのって…お…大きい…ね?」
目の前にソレがあるので、呆然の意識から解かれたニュートは
どこに視線をやったものかと泳ぎ続けている。
「!そ、そうか?」
「そうだよ…ちょ、ちょっと怖くなってきたかも…」
ニュートは眉を下げてそう言った。
「怖い?」
ゆっくりと首が縦に頷く。
恋人が怖がっている、これは絶対にあってはならない状況のため、今すぐにでも辞めてあげたかったが
完全に勃起しているため、出さなければおさまらないとわかっていた。
「それはいけないな…それなら今日はニュートが僕をイかせてくれたら、それで終わろう」
「そ、それはダメだよ」
「え?」
意外な答えが返ってきて、テセウスはつい聞き返してしまう。
「もう僕は逃げたくない、テセウスに嘘もつきたくない、怖いけど…僕は最後までシたいんだ」
その泳いでいた目が、しっかりと自分の目と合わせに来た。
このことからニュートの本気さが伝わってきた。
「…そこまで言うなら…わかった、じゃあこのまま頼む」
「うん…えっと…ど、どうするんだろうっ?」
真剣な顔が、急にあわあわと崩れる。
「ははっ、そうだな…」
そんなニュートの様子に、やはり自分の恋人は可愛すぎるとテセウスは思った。
「あっ、こうすれば…いい?んへ…」
ぴちゃ…と音を立てて舌先がソレに当たる。
「なっぁ…ニュート…!」
意図しなかった刺激にテセウスが声を漏らす。
「ふぁ…♡」
熱くて…硬い…♡
こちらから仕掛けたニュートもまた、初めての感触に眉を下げる。
「んっ…んふ…♡」
咄嗟に舐めてしまった、手で握って擦れば十分なものを
それにコレは尿や精液を出すためのモノで…今から己の膣でもないところへ挿れるため
舐めるべきモノではないのに。
ニュートは背徳感に襲われ、背筋をゾクゾクと震わせた。
「んっ…ふぇ…♡」
やり方の正解などよくわかっていないニュートは、飴を舐めるように、舌をちろちろと動かす。
「可愛いよニュート…♡」
そんな様子を見て、テセウスはまた何度も
嘘偽りない同じ言葉を口にする。
「ん…き…気持ちいい…?」
その声は少し小さい。
気持ちよくさせてあげられているのか、不安に満ち溢れているのだ。
「あぁ…でも、もう少し欲しいかな」
「あ…」
刺激が足りなかったんだ。
じゃあどうすればいいんだろう、って…
テセウスも初めて舐められてるんだから、わからないよね…。
そうしてニュートは、経験もなければ知識もないことを必死に考える。
当然答えも出るはずがない、これ以上考えていると頭が爆発してしまいそうだった。
そこで本能に身を任せる…思いついたことをそのままやってみることにした。
「…ん…もう少し…?こう?」
根本から撫であげるように舌を這いずらせる。
「はっ…そうだ…そのまま、んっ…ニュートの思うようにやってくれていいぞ…」
彼は時々吐息を漏らしたり、息を詰まらせたりするので、自分の愛撫は悪くはないのだろう。
その時ニュートに一つ、疑問が浮かんだ。
「ねぇ…僕にしたみたいに、テセウスは自分が気持ちいいって思うところはないの?」
「気持ちいいって思うところ…」
疑問に対してテセウスは少し上を向き、何かを考える素振りを見せた。
するとまたニュートを見ては、口を開く。
「…少しその質問から外れるが、咥えてみてほしい…かな」
「!?///く、咥える…?」
その話を聞いた瞬間ニュートは目を見開き、驚きと恥ずかしさが混じった表情を見せた。
「あぁど、どうせ中に挿れるしな…と思って黙ってたんだが、ちょっと…してもらいたくなった、だからって嫌ならしなくていいからな?」
あくまでも願望であることを強調するために、テセウスは最後に一つそう付け足した。
「わかった…んぷっ…」
直後に亀頭から少し先までが急に熱に包まれる。
「うぁ…っ…ニュート…」
明らかに今一番大きな反応が見られた。
兄は舐めるより咥える方がいいんだと判断したニュートは、そのまま吸い上げてみたり、舌で亀頭全体をれろれろと舐め回す。
「あぁ…それ凄いよっ…」
「っふ…♡んっ…ふひっ…♡」
顎が疲れてきたが、自分の愛撫で感じてくれていることに嬉しさを感じ、ペースは落ちない。
「ふ…んっ…♡っはぁ…♡」
口を動かすたびに、ソレと口端の隙間から
ぢゅぽっ、と卑猥な音が鳴る。
「んふ…ろぉ…?ひもひ…?♡」
行儀が悪いと分かっていても、自分も行為に夢中になってつい
口に含めるだけ含みながら喋ろうとしてしまう。
「あぁ、気持ちいいよ…あっ…その上目遣い…なかなかクるな…♡」
頭を撫でられると、また快感を感じて背中がゾクゾクとする。
「ふ…っ…んく…♡じゅるるっ…」
このまましていたら、達するのだろうか。
精液は苦いと聞くが、恋人の…愛する人の精液だ。
そんなことを考えたニュートは、全て口で受け止める覚悟でいた。
「ありがとうニュート、おしまいだ」
「んぁ…♡えっ…?」
そんな覚悟を決めていた矢先であったニュートの唇は、
ちゅぽ…と静かに音を立てて離れると、舌先と亀頭から糸が引く。
「ん…テセウスどうして?まだイってないのに…」
自分の舌先から垂れる唾を飲み込むと、ニュートはそう問いかけてみる。
「…ニュートの中で出したい」
「っ!?///」
この次にすることはわかっているのに
いざ口にされると心臓あたりがズキッと痛んだ。
またテセウスはベッドに乗ってきた。
更なる快感を待ち望み、その息は自分と同じように荒い。
「テ…テセウスっ…?」
とうとうこの時が来てしまったと思う反面
やはり怖いと思ってしまう自分の気の弱さに、ニュートは呆れてしまいそうだった。
「ニュート…すまない」
「え?」
突然謝られ呆気に取られていたその時
軽い衝撃が身体に加えられ、ベッドはボフッと音を立てた。