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「おはよう莉子ちゃん」


課長のぬくもりのなかで、目を覚ます。「……おはようございます」


「早速だけど莉子ちゃん。……舐めたい」


「単刀直入ですね」くすくすと笑い、わたしは自分のトップスに手をかけてまくり上げ、「はいどうぞ」


「ああ……莉子ちゃんのおっぱい。おっぱい……」


いまにも涎を垂らしそうな勢いだが、課長は、


「ねえ。なんで焦らさないの? 今日は……」つんつん、とわたしの蕾を突くと課長は、「ほーら莉子ちゃん。おっぱい尖ってる。ねえ欲しいでしょ? 欲しいよね? って追い込むのがぼくの生き甲斐なのにぃ……」


「舐めたいの。舐めたくないの。どっち?」


「そんなの――決まってるだろ」

「あ……あ……っ」


「すーぐびんびんになるんだから。莉子ちゃんのおっぱい。……ね。気持ちいい……?」


ちゅばっ。ちゅばっ。んぐ。んぐ……。


音を立てて丁寧に愛しこまれるとわたしの子宮の奥から、なにかが……あふれてくるのを感じる。


「……ああ、……課長……」


「あっごめんね莉子ちゃん」わたしの乳首を口の中で転がす課長は、「莉子ちゃん。乳首だけじゃ足らないよね。おっぱい、揉んであげないとね……。ねえ四つん這いになって?」


言われるがままにそうする――うちに、トップスをとうとう脱がされる。わたしが課長の顔の前に乳房が来るように調整し、四つん這いになると、


「いー眺め」と下で課長が笑う。「ああ……莉子ちゃんのおっぱい、ふるんふるんとしててもう……たまらないよ。食べちゃいたい……」


「……!」


そして課長は貪りつく。わたしの感じやすいそこを。


べろ、べろ、べろ。んぐ、んぐ、んぐ。


容赦なく――的確に愛しこまれ、日頃隠し持つわたしの本能が表出する。


「ひあ……ああ、……ああ、……課長……っ!」


舐めないで。そんなに激しく舐めないで。それから……揉みしだかれるともう、わたし、駄目。おかしく……なっちゃう!

「いい声」とわたしの鎖骨に舌を滑らせる課長は、「ああ……どんどん尖っていく。えっちだね……莉子ちゃん。えっちな莉子ちゃんがおれは……大好きだよ」


もう駄目、いっちゃう……!


課長に下から支えられたまま、わたしは、やはり――到達してしまった。自分だけでは決して辿り着けない領域へと。


勿論課長がそれだけで終わるはずがなく。わたしのスカートとパンティをまとめて引き下げると、


「うわあ……すっご」


わたしのそこに触れ、


「とろっとろのぬっちゃぬちゃじゃん……。莉子ちゃん。可愛い……。ね。莉子ちゃんのここ、舐めさせて? 舐めさせてくれる? 舐めたいよ……」


返事もままならぬわたしのからだを倒し、下に、常備してあるタオルを敷くと、課長はわたしの足を広げ、そして――


「あぁ……ん、ん……っ、んん……っああん……っ」


「どんどん――あふれてくるよ。莉子ちゃんの蜜が……。ああ、あまい……あまいなぁ」


さっき散々わたしの乳房を弄んだあの舌が、わたしを導いていく。野性的に。理性的に。合理的に。


「ああ……んんっ、ん……んっ、んっ……課長……!」


信じられないほどにとめどなく蜜を垂らしてしまう。瞬く間にタオルがぐっしょり濡れる。尻の下の感触でそれは分かる。どうしようもなく――愛している。

「ああん……課長、もうわたし、無理ぃ……っ」


なのに彼の加速は止まらない。「指、挿れるね」と断りを入れると、迷いなく彼はわたしのことを追い込んでいく。


「激しくいっちゃいな」――と。


駄目。やめて。激しい――と叫ぶ自分を、別の自分が『大嘘つきめ』と言って眺めている。


燃え上がるような魂を体内に宿し、火をつけるのはいつもこのひと――なのだった。


「あぁん……駄目ぇ、……いっちゃうよ……課長……」わたしは、乳房を揉みしだく課長の手つきを感じながら、「いく……いくいくいっちゃう……ああ、もう、無理ぃ……っ!」


加速する課長の手つきを感じながら、わたしはまた高みへとのぼりつめた。

* * *


「いやああああ! 課長! 課長……ああ! ああ、駄目ぇ……莉子のこと、気持ちよくしないで……!」


ぴったりとわたしのなかに入り込んだ課長が、すこし笑みを漏らしながら腰を揺らす。「莉ー子。すごい……とろっとろのぐっちゃぐちゃ……ねえ感じる? 感じすぎちゃってわけわかんなくなっちゃってる?」


頭がぼうっとして白くかすんで……視界が滲んで。なのに快楽と感覚だけは鋭敏で。抜き差しするその音がどんどん粘っこくなっていく。いったいどれだけ感じれば……どれだけ気持ちよくなれば、気が済むのだろう。この肉体は。精神は。


「んで莉子は……繋がったままおっぱい舐められるのも弱いんだよなぁ」


「ひっ……あっ……課長……!」涙ながらにわたしは叫んだ。「駄目……おっぱいやめて。本当……もう、おかしく……なっちゃうよぉ……」


体内にしっかりとした課長を感じながら、またも、絶頂に導かれる。飽きるほどこれを愛している。飽きることの出来ないほどにこれを愛している。……わたし、性の怪物……。


「すげえびくびく締まってんのな……莉子のなか。んでひどいおれは莉子を……もっと、気持ちよくしてあげる」


これは、サインだ。課長が激しいセックスに移行するときの。

狂ってしまうかと思った。自分を無くし……彼の腕の中で彼の導くリズムに酔いしれる。――ああ、セックスって地獄。そして、天国……。


ひどく、泣いて。ひどく、叫んで。自分が感情という魔物になって。課長の作り上げる愛の牢獄のなかで。おびただしい欲を受け止め、欲を吐き出し、限界、そして限界……それ以上をこの自己が見出していく。


課長のやり方は、いつも的確で、無駄がない。仕事が出来る男はそう、セックスも上手なのだと、変に冷静な1%くらいの自分が、高みから見下ろしていた。


泣きながらわたしは、彼の与えるセックスに、酔いしれた。彼の腕のなかでふるえ、涙し、導かれる熱い、ひとつの魂と化した。


* * *


ベッドサイドの時計を見て驚いた。わずか一時間足らずの出来事だった。あれほど……濃密で蕩けそうな時間を過ごしている。


「……課長」


はだかのあなたの胸にしがみついた。「課長の、えっち……」


「こんなに感じやすいからだを持つほうが悪い」


「あ……ちょっと」


「すぐ、ぴんと立つのな。……ねえ。舐めさせて? 舐めるよ? 莉子……おれに舐められるの好きだろう?」


「あ……もう」

「入っちゃおうかなーもう」課長はわたしの濡れた頬を撫で、「莉子。おれに貫かれたままおっぱい舐められるの好きだろう? びくびくーってするよな。それとも、風呂場でシャワーまみれになりながら立ちバックにする?」


「どっちも……」


「うん?」


「課長の馬鹿! わたしをこんな淫乱で欲深な女にしちゃって……んもう。したいこと全部しちゃっていいです。今日は……これから、出かけるんですか」


「あと一時間半ほどなら平気さ。……時間はたっぷりある。知ってる? おれ、莉子の全部が好きなの。言うなれば莉子フェチ……」


そうやって笑うと課長はわたしに腰砕けのキスを与える。


* * *


二時間半後、わたしたちは銀座に来ていた。タワーのなかに入る店舗は圧巻。こういうときでもなければ訪れる機会のない建物だ。


武者震いを感じる。けども、――怖くない。このひとと一緒だから。


「行きましょうか……課長」


「ああ」


笑顔で、わたしたちは足を進めた。……そう、あるものを買いに行く、そのために。


昨日、課長に抱かれました

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