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注意⚠️
名前無し
禪院直哉夢小説
ドブカス感強め
原作関係ない
オリスト
雨の音が、やけにうるさい夜だった。
あなたは一人、薄暗い廊下に立っている。
禪院家の屋敷は、相変わらず息が詰まるような空気をまとっていた。
「なんや、まだおったんか」
背後から、聞き慣れた声。
振り向くまでもない。
「……直哉くん」
「その呼び方、気色悪いからやめぇや」
いつも通りの、冷たい声音。
でも、それでもあなたは——その人のそばにいたかった。
「任務、終わったんだってね」
「あぁ。雑魚ばっかで退屈やったわ」
つまらなさそうに髪をかき上げる仕草すら、どこか様になっている。
悔しいけど、目が離せない。
「……無事でよかった」
ぽつりと零した言葉。
一瞬だけ、沈黙が落ちる。
「は?」
低く、鋭い声。
「誰に向かって言うてんねん、それ」
「え……」
「俺が無事かどうか心配する必要なんか、お前にあるんか?」
心臓が、嫌な音を立てる。
「だって……私は——」
「“身内”やから?」
言葉を遮るように、鼻で笑う。
「勘違いすんなや」
一歩、距離を詰められる。
逃げ場がなくなる。
「お前みたいな出来損ない、禪院の名乗る資格もないわ」
視線が、突き刺さる。
「お情けで置いといたってるだけやろ」
分かっていた。
最初から、全部。
彼にとって自分が何なのかなんて。
道具以下。
それでも——
「それでも、私は……」
声が震える。
でも、止められない。
「直哉くんのこと、好きだよ」
言ってしまった。
もう、引き返せない。
雨の音が、一層強くなる。
沈黙。
そして——
「……はは」
小さく、笑う声。
でもそれは、優しさなんかじゃなかった。
「ほんま、気色悪いなぁ」
ぐさり、と胸を抉られる。
「誰が、お前みたいなん選ぶ思うてんねん」
「……」
「鏡見たことあるか?」
言葉が、容赦なく降り注ぐ。
逃げたいのに、足が動かない。
「身の程知らずにも程があるやろ」
「……ごめん」
気づけば、謝っていた。
涙が滲む。
でも、止められない。
「謝るくらいなら、最初から喋んなや」
吐き捨てるように言われる。
「……目障りや」
その一言で、全部終わった。
胸の中で、何かが崩れ落ちる音がした。
あぁ、やっぱり。
分かってたのに。
どこかで期待してた。
もしかしたら、って。
「……そっか」
笑おうとする。
でも、うまくできない。
「じゃあ、もういいや」
踵を返す。
背中を向ける。
「どこ行く気や」
「別に」
振り返らない。
振り返ったら、きっと——戻れなくなる。
「お前に関係ないでしょ」
初めて、少しだけ強い声が出た。
一瞬、沈黙。
そのあと。
「……は、そうかい」
興味を失ったような声。
それが、最後だった。
その夜。
あなたは、屋敷を出た。
雨は止まない。
行くあてもない。
でも、不思議と怖くはなかった。
もう、失うものなんて何もないから。
数日後。
とある任務中。
「一般人の生存は……」
報告の声が、途切れる。
「……一名、死亡」
その名前を聞いても。
禪院直哉は、眉一つ動かさなかった。
「ふーん」
ただ、それだけ。
興味なさそうに視線を外す。
「任務続行やろ。さっさと終わらせるで」
その声に、感情はなかった。
本当は、少しだけ。
ほんの少しだけ。
引っかかるものがあった。
あの日の背中。
あの言葉。
でも——
「……関係あらへん」
小さく呟く。
そうやって、切り捨てる。
それが彼の生き方だった。
だからきっと。
彼は一生、気づかない。
自分が何を失ったのか。
そして——
その喪失を、二度と取り戻せないことにも。
終わり。
コメント
4件
めっちゃ感動🥺 だけどドブカスの所面白すぎて めっちゃ笑った(笑)
感動😭だけど初めのドブカスの 所で笑いすぎたw
ほんっっっっっっとうに感動なんだよ?、感動なんだけどさ…最初のドブカス感動強めってとこでもう限界笑笑笑笑笑笑笑笑