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それからは平穏な日々を送った
秋になっていた
守若の所でバイトしようとしてたのにあんなことになってやめてしまって無二は節約しなければならなかった
安い商品を買うため、町のスーパーまで行こうとして歩道のない車道を歩いていると、後ろから来た車が無二の横でとまった
一条だった
「どこ行くんだ?乗せてってやろうか」
「町のスーパーまでいいですか」
「いいぞ。乗れ」
無二は助手席に座った「ありがとうございます」
「ここは歩道がないから危ない。事故も起きてる。今度からはおれがスーパーに送ってやる」
「いいんですか」
「おう」
「ありがとうございます。助かります」
「その代わり、バイト代出すから手伝ってほしいことがあるけどいいか」
「私にできることなら何でもします」
「おれの島におれのセカンドハウスがあるんだけど、泊まりながらそこの掃除と、畑と遊歩道の草刈りをたのみたい。仕事が忙しかったからずっと行けてなかったんだ」
「島持ってるんですか、セカンドハウスまで。すごい」
「セカンドハウスは木の小屋だよ。おれしか行く人がいないから小さく作った。島は一周5キロあるし、山もあるし、海も景色いいんだ」
スーパーについた。
一条も買い物するのだという
車に乗せて買い物についてきてくれるなんて優しすぎる
一条は他の人にもこんなに優しいのだろうかと無二は気になった
無二は野菜をかごに入れると一条が
「無二って料理できるのか」
「かんたんな料理なら」
「いいね」
「一条さんのために作りますよ」
「いいの?いい奥さんになれるよ無二は」
「一条さんのってことですか?//」
「なりたいんだ?」
自信満々に言い返す一条
「別に//。島の掃除道具とか必要ですか」
「そうだな。虫除けスプレーも買っといてくれ」
「はい」
無二の後ろ姿を男の目で見ていた一条
そしていよいよ島に行くことになり、小型船に荷物を乗せた
小型船は一条が運転している
(この人何でもできるんだな)と無二は思った
モテるだろうと思ってひそかに一条を見ていると
「何、じっと見たりして」
気づかれていたことに無二はびっくりした
「ごめんなさい、別に何も」
「いや、おれこそ男前ですまんな」
真顔で言われた
小型船は島についた
草がぼうぼうにはえた所に木の小屋があった
一条は鍵なしであけた
木の小屋は杉のいい香りがした
15畳くらいの広さだった
キャンプで使われるようなベッドのような物、コットが1つおかれていた
「この小屋って一条さんが作ったんですか」「ああ。水回りはないけど」
ライトはつくらしい。風呂はドラム缶
「あの、一条さんと私、この小屋で寝るんですか」
「ああ」
「….///」
「そんな照れなくても襲わないからいいじゃん。信用できない?」
「信用できます」
一条はもうひとつコットを持ってきていた
それをテキパキと組み立てて部屋のはしのほうにおいた
コットとコットの間はそんなに離れていない
無二は小屋の掃除をした
一条は草刈りをしだしている
無二は小屋の掃除がおわって一条のところにいった
「草刈り機のやり方教えてほしいんですけど」
一条が無二にそれを持たせながらやり方を教えた
そして無二と一条は休憩しつつ草刈りをやっている時だった
佐古と守若がボートに乗って島に向かってきていた
「兄貴、あの島に何か用があるんですか」
「復讐だよ」
悪魔のように笑う守若がボートが島につく前に飛び降りて泳いで島にたどりついた
守若が島に来れたのはスーパーにいた時、ちょうど無二と一条がいて「島に行く」という話を聞いたからだ
小屋は鍵がないから、かんたんに開いた
コットの上においてあるふとんを二人分ぬすむ守若
「寒くて寝られないようにしてやる」
守若は無二と一条が通りすぎてから忍者のように隠れてふとん二人分を持って山を越えることにした
山を越えて砂浜につくと佐古がボートを島につけていた
ふとん二人分をのせて急いで遠ざかるのだった
夕方になり草刈りは途中でやめてバーベキューをした
「いっぱい食べろ」
「ありがとうございます、いただきます」
波の音を聞きながらバーベキューを終える
一条はいつの間にか風呂の準備が済んでいた
「先に風呂入れ。おれは小屋で待ってる」
「はい」
無二は風呂に入った後、小屋に戻ると一条が
「無二、ふとんを干したか?」
「干してないですけど」
「ふとんないけど。ぬすまれたか?」
夜なのでうろついてもふとんは探せないということで一条はおとなしく風呂に入ることにした