テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
31
#꒰ঌ匿名ちゃん✟໒꒱
꒰ঌ 匿名ㄘャん ✞ ໒꒱
37,071
195
「じゃあ、何から話す?」
帰り道。
夕焼けを見ながら歩く。
頭の中の俺に質問を投げかける。
『……何でもいいよ』
「何でもって一番困るやつじゃん」
『じゃあお前が質問考えて』
「俺?」
『うん』
「なんで俺が」
『お前の方が人生楽しそうだから』
「雑な理由だなぁ」
少し考える。
「じゃあ……好きな食べ物」
『昨日聞いただろ』
「じゃあ好きなゲーム」
『それも聞いた』
「好きなひt」
『いない』
「即答すんなよ」
『お前もいないだろ』
「……いないけど」
『ほら』
ムカつく。
「じゃあ、好きな場所」
『……』
少し考えるような沈黙。
『家』
「……」
『何』
「いや、もっと外とかないの?」
『ない』
「友達と遊びに行ったりとか」
『しないし』
「……そっか」
やっぱり。
違う。
俺だったら。
放課後に友達とどこか寄ったり。
休日に遊びに行ったり。
くだらないことで笑ったり。
そういうことが普通だった。
でも。
こいつにとっては。
それが普通じゃない。
「じゃあさ」
『ん?』
「学校終わったら何してたの?」
『帰る』
「帰ったら?」
『ゲーム』
「それから?」
『寝る』
「……」
『何』
「いや、つまんな」
『うるさいな』
「人生虚無すぎるだろ」
『お前の今までの人生が騒がしすぎるんだって』
思わず笑う。
「じゃあ休みの日は?」
『ゲーム』
「……」
『あと寝る』
「お前、寝るかゲームしかしてないの?」
『失礼だな』
「じゃあ他に何してたんだよ」
『……動画見る』
「ほぼ一緒じゃねぇか」
『はぁ〜?』
呆れたような声。
『俺のことなんだと思ってるの?』
その問いかけに、少し笑った。
堂々と答えを口にする。
「俺」
『それは分かってる』
「じゃあ問題ないな」
『問題しかないだろ』
そんなくだらない会話を、頭の中でしながら歩く。
少し前まで。
こいつが何を考えているのかなんて、何も分からなかった。
でも。
今は少しだけ分かる。
たぶんこいつは。
俺よりずっと静かなだけだ。
「なぁ」
『ん?』
「お前ってさ」
『うん』
「寂しくないん?」
『……』
返事が止まる。
「一人でいるのに」
『……別に』
「本当に?」
『……』
「俺なら無理だな」
『知ってる』
「なんで」
『今日一日で分かった』
「失礼だな」
『ずっと喋ってるじゃん』
「お前が返事するからだろ」
『俺がいなかったらもっと喋ってるだろ』
「それはそうかも」
少しの沈黙。
『……でも』
「ん?」
『昔は、寂しかったよ』
「……」
足が少しだけ遅くなる。
『小さい頃は、友達もいたし、普通に遊んでた』
「……え?」
『でも、途中から』
小さく息を吐く音が響く。
『なんか、全部どうでもよくなった』
「……何があったの?」
『分かんない』
「分かんない?」
『うん』
『気付いたら、一人だった』
「……」
『別に嫌われたわけでもないし、』
『喧嘩したわけでもない』
『ただ、みんなが離れていった』
「……そっか」
それ以上は聞かなかった。
でも。
少し分かった気がする。
こいつが「どうせ離れる」と言った理由。
「じゃあさ」
『ん?』
「俺は離れないよ」
『……』
「少なくとも、今はお前の頭の中にいるし」
『それ理由になってないだろ』
「じゃあ一生いる」
『重い』
「お前が言わせたんだろ」
『……ふは』
「何笑ってんだよ」
『いや、……変な奴だなって』
「お前もな」
『俺は普通』
「どこがだよ」
夕焼けが。
少しずつ薄くなっていく。
『……でも』
「ん?」
『悪くないかも』
「何が?」
『二人でいるの』
「……」
少しだけ。
胸が温かくなった。
「俺も」
『うん』
「……悪くないと思う」
夕陽が、俺の影をゆったりと延ばしていった。
NEXT=♡1000
コメント
4件
エモい……!エモすぎるぅ!!! らっだぁはやっぱどの世界でも同じなんだね〜 ただ静かってだけで。でも静かならっだぁってもうらっだぁじゃないような……w 続き楽しみに待ってます✨
