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rd視点
「お話を、どうぞ」
そう言うと国王は話し始める
いつの間にか外交官らしき人物が隣に来て俯いている
「私達は、実の兄です。みどり、いや緑色さんの。そして今日は瞳について伝えておきたいことが」
兄たちによるとこう
まずみどりを引き取りたいと願ったのはみどりの母親と父親の我儘らしい
兄が国王なら止めてやれと思ったけど俺たち軍にはわからないものでもあるんだろうね
そして瞳について
実験体であったみどりの瞳は色や形は戻ることはない
だけど、泣くことはできるようになる
そのことを聞いた瞬間世界が色づいたような感覚になった
仲間である、そして俺の愛しのみどり
そのみどりの悩みが解決するなんて
そのためには色が必要らしい
意味がわからなくて聞き返したんだけど国王達もよくわかんないらしい
本人だけはわかるらしいけど、ね?
「ありがとうございました」
そう国王と外交官…兄たちは言って帰った
コンちゃんが連れてってくれるらしい
C国と俺らの国で結んだ条約のひとつの内容
みどりと関わらないこと
みどり自身も兄たちに対して尊敬はしてた、けどこれ以上踏み込まないでほしいって言ってたの
俺のせいかもしれないなぁ
俺があんな風に怒ったから、感情的になったから
「チガウヨ」
「……口に出てた?」
「ラダオクンッテ、ワカリヤスイ」
「…そう?俺、嘘とか得意な方だけど」
「トニカク、チガウヨ。 」
なんで、なんだろう
俺に気遣ってくれているのか
それだとかえって申し訳ないんだけど
「俺ガ、嫌ダッタノ。運営トカ以外ニ、呼バレルノ」
顔を赤らめながら俺の目を見つめて言ってきた
普段目を見ないみどりがみるときはどうしても伝えたいとき
「…それって、みどりの名前で呼ばれるのが?」
「ソウ。ダカラゴメン。俺ガコンナコトシナケレバ外交モ貿易モ上手クイッテタカモ」
あぁなるほど
みどりが目を見て伝えたかったのは運営たち以外に呼ばれたくないってこともだけど、外交や貿易も考えたことだったんだ
知ってる?みどりって意外と健気なんだよ
国のために、みんなのためにって考えてるくせに、それが伝わらずに体調不良、みたいなこともざらにある
「そんなこと、どうでもいい。…その事実だけで幸せだから」
ほんとに、それで幸せなの
「ネェ、俺泣キタイ。ダカラ、頼ンデイイ?」
「それって、俺にしか頼めないもの?」
「ウーン…別ニ?」
ちょっと期待してたのになぁ
俺にしか頼めないことだって
「ダカラコソ、ラダオクンガイイ。ラダオクンニ、頼ミタイ」
降下していた気持ちが高ぶる
俺以外にも頼める人はいる、なのに俺を選んでくれた
「なんでも言って。俺ができることなんでもする」
高ぶる気持ちを抑えながらそう言う
この言葉は嘘じゃない
総統の権力だって使う覚悟もできてる
みどりの問題に解決する
重大さも全部、わかってるから
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次最終話です
コメント
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ニヤニヤしすぎて口角が天井に刺さりました() 最終話待ってます!!