テラーノベル
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黒く不定形な世界。見回しても、どこに何があるかいまいちわからない。え? これ、前おばあちゃんに会いに行った時使った、夢の世界?
千歳が何かしたかな? でも何も聞いてないぞ? 千歳、こういうこと、あんまり不意打ちでやるような人でもないしな……。
考えていると、後ろから「こんばんは」と知らない女性の声がした。
「はじめましてやねえ、和泉豊さん」
振り返ると、スレンダーで中性的な、きれいな女性がいた。え、マジで知らない人なんだが!?
「え、ど、どなたですか?」
「ん? うち、和束ハル」
「え……」
和束ハル。千歳を爆発させようとした犯人だ! 千歳に、千歳にまた危害を加えに来たのか?
俺は、思わず低い声が出た。
「……何の用ですか」
和束ハルはサラッと言った。
「んー、悪いんだけどねえ、和泉さんには死んでもらお思て」
「!?」
「ああ、今すぐではないで? 一ヶ月くらい猶予あるから。ちょっとねえ、話聞いてもらいたいんや」
和束ハルはポケットから和紙を取り出し、俺に投げた。俺は思わず和紙をはねのけたけれど、和紙は自在に動いて、俺の胸にシュッと入ってしまった。
「今、あんたの心臓に術かけたで。一ヶ月くらいしたら止まるようになっとる」
「な、なんで……」
死にたくないけど、ていうかこの人の狙い千歳じゃないの!?
和束ハルは言葉を続けた。
「あの怨霊の守り刀ねえ、突貫で作ったせいか欠陥があるん。あの怨霊が怒りに怒って感情が高ぶったら、効果なくなるんよ」
「……俺を殺したら、千歳が怒ると?」
「理解早いねえ、その通りや」
和束ハルは嬉しそうに笑った。
「今の話、誰に言ってもええで。てか怨霊に真っ先に伝えてや。怨霊を怒らせたいから」
「守り刀無効にするって、また千歳を爆発させようとして……?」
「せやねえ、あんた頭の回転早いねえ」
和束ハルは愉快そうだ。
「でも、あんたのその心臓の術式は絶対に誰にも解けんで。誰に助けを求めても無駄や。あんたが死んで、怨霊が怒り狂ったところを、うちがいただく」
「そ、そんな……」
「まあ、この辺で終いにしとこ。言っとくけど、うちを探しても見つからんで、隠れ家はちゃんと作っとるから」
そこで、俺は夢から覚めた。まだ夜中だった。俺は千歳の髪しっぽに巻き付かれていて、千歳はすやすやと眠っていた。
俺、なんか呪いかけられた? 千歳を怒らせるために? それで死ぬ? 1ヶ月後くらいに?
それで千歳が守り刀無効になってまた爆発したら……そしたら、核爆弾級の被害が出る?
……千歳を怒らせちゃいけない、千歳には何も言えない。被害を出したくないし、何より、千歳にそんな核爆弾級の被害の犯人になってほしくないから。
でも関係各所には何があったか連絡しなくちゃ、それで助けを求め……いや、何しても解けないって言われたけど!
……ていうか。
今何があったかを千歳に隠しきれば、俺が死んでも自然死にしか見えないし、千歳はただ悲しむだけで、守り刀は無効にならなくて……被害は全く出ないのでは?
コメント
1件
読み終えました…472話、ついに和束ハルが直接豊に接触してきたんですね。心臓に術式をかけられて、1ヶ月の猶予…しかも千歳を怒らせるための罠だなんて。豊が「隠し切れば被害は出ない」って考えるところ、すごく切なかったです。自分の命よりも千歳や周りの安全を優先する姿勢に、胸が締め付けられました。でも、この選択が本当に正しいのか…今後の展開が気になりすぎます🥀
#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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