テラーノベル
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あまりにもあまりなことが起きたので、寝直せるわけもない。あと、寝るくらいなら、関係各所に何が起こったか連絡して、俺の救命と千歳へ隠し切ることを求めなきゃならないし。えーと、LINEで伝えられるのは、南さん、佐和さん、緑さん、金谷さん……。金谷さんから伝わると思うけど、狭山さんにも俺から伝えとこう。
なんとか文章にまとめたあたりで、窓の外が明るくなってきた。説明部分はほぼコピペで、みんなに送る。でもすぐ読んでもらえるとは限らないな、今5時前だもん。起きてくるの、早くても6時とかそれくらいだろうし……。
と思ってたのだが、狭山さんから即返事が来た。
「本当ですか? 大丈夫ですか?」
「体調に異変はないです、今のところですけど」
「でも1ヶ月後どうなるかわからないんですよね?」
「そうですね」
やり取りをしている中で、ふと気がついた。目を閉じると、何かオレンジ色の棒みたいのが見える。目を閉じたままよく見てみると、それは俺の心臓の鼓動と合わせて震えていて……どうも、震えるたびに、本当に少しずつだけど短くなってるような。
狭山さんにそれを伝えると「タイムリミット示してるじゃないですか!」と返事がきた。
「確実にそれでしょうね」
「術式なら峰家だから、峰家にも連絡取ります、緑さんが朝霧家にも話通してくれると思いますし」
「ありがとうございます、でも本当に千歳には隠しきってください」
「それはよくよく言っておきますけど」
「千歳にバレたら、核爆発級の被害が出ますんで。私は被害出したくないのもそうですけど、千歳にそんな被害の犯人になってほしくないんです」
千歳が割と周りに優しくしてもらってるの、祠を出て以降、明確に人を害したことがないからだ。でも、それが無くなってしまったら? 原因は和束ハルだとしても、核爆発級の被害を出してしまったら?
確実に周りから嫌われる。責められる。そんなことされたら、千歳は、友達をなくして、寂しくて悲しい思いをする。死んだ直後みたいに暴れて人を殺傷するかもしれない。それは絶対にダメだ。
狭山さんからLINEが来た。
「和泉さん大丈夫ですか? 千歳さんが大事で守ってあげたいからっていうのはわかるんですけど、和泉さんのストレス半端じゃなくないですか?」
「でも、隠し通すしかないので」
「午後に人集めて和泉さんのこと見ると思います、和泉さんに来てもらわないといけないんですけど、行く理由は僕が仕事進まないから一緒に仕事して監視してくれる人が欲しいって騒いでるからにしてください」
「それはいい案ですね」
もともと狭山さんと仕事してるし、一緒に遊ぶ仲だし、それが多少頻繁になっても千歳は怪しまないと思う。
「僕達、何度も集まってどうにかできないかやると思いますけど、全部僕のせいにしてくれれば話し合わせられるので」
「ありがとうございます」
「他の人にもLINE送ったんですよね、とりあえず緑さんに僕電話します、あと関係者のグループLINEも作っときます」
「本当にありがとうございます」
「こんなん何でもないですよ、一番きついの和泉さんじゃないですか、僕いやですよ、和泉さんいなくなるなんて」
「私もできればいなくなりたくないので、報連相をしてます、ごめんなさい、こんなこと頼んで」
「本当にこんなん何でもないです、和泉さんがいなくならないように僕頑張りますから」
……友達に、心配してもらえるのって嬉しいもんなんだな。いや、心労を与えて悪いなと思ってるけど……。
……俺のもう一人の友達、おっくんにも、折を見て口止めしつつ話すか。死にたくはないけど、死んでも全然おかしくない状態だもんな……。何も言わずに逝くのは、嫌だ。
目を閉じると、オレンジの棒は、またほんの少し短くなっているように見えた。
#復讐
臣桜
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コメント
1件
「自分がいなくならないように頑張る」って言ってくれる友達がいるの、本当に尊いなって思いました…。それでいて千歳さんには絶対に隠し通すって覚悟してるのが、和泉さんの優しさと強い意志を感じます。オレンジの棒が短くなっていく描写が、じわじわと迫ってくる恐怖で胸が苦しくなりました。続き、気になります。耐えてください、和泉さん…!