前回のあらすじ、ヒーロー登場。
今回はヒーローが囚われの身を助けに行くぞ!皆最後まで見てってくれよな☆
それでは、どぞ。
〈❤️side〉
❤️「……【追跡】の反応は、ここの建物内…か。」
すちが連れさらわれて数十分、俺は魔技【追跡】を頼りにすちを助けに来た。
❤️「…随分頑丈な警備だな。耐熱性もついてそうな壁だし…これだと炎で壊れねぇな。」
❤️「でも関係ねぇよ……。」
俺は思いっきり壁を殴り、粉々に壊す。
俺は最低だ。守らないといけない大切な存在を危険に巻き込み、その上連れ攫われてしまうという過ちを犯してしまった……。
俺は大切な奴がいなくなる恐怖を味わったはずなのに…成すすべ無かった…やるべき時にやれず、ミスして結局奪われてしまった。
でも、もうそんなことはしない。
すちは命に変えても守りたい…命以上の価値のある存在だ。
なら、相手がどんな奴だろうと、俺はもう怯まない……大切な奴を助け出すためなら、俺は全てをかける。
❤️「………これで、バレたか。」
❤️「さぁ、来いよ。正面から壊してやる。」
母「ふふっ……いい目ね」
母「なら少しあなたの実力見せさせてもらおうかしら。」
母「それじゃあ時間稼ぎと情報引き出しを頼むわよ、前座。」
❤️「タッタッタッタッ…」
この建物の中は、どうやらトラップやら戦い用のロボットやら…機械中心で組み立てられているようだな。確かに侵入者に対しての防提の役割なら良いかもしれないが…
でも………こんなんで、俺を止められると思っているのか?俺が攻めてくると……アイツも分かっているだろ?なのに、対策がこの程度か?
……………嫌な予感がする…。
?『ザッ…(大群が前に立つ)』
❤️「っ!!ザッ…(立ち止まる)…」
メイド「…………」
❤️「…っ…お前ら…何で俺の前に立って…」
執事「…………」
❤️「……なるほど、アイツに魔技で洗脳させてしまったのか。まさか、家に居る使用人全員を使って俺を妨害するとは。」
メイド「ポワン…(水の矢を出す)」
❤️「(っ…まずいな)」
この建物はトラップだらけだ。
こいつらが能力を使って、変なトラップを起動でもさせたら……俺は大丈夫だが、こいつらは……きっと……致命傷になりうる。
メイド「シュン!!(放つ)」
❤️「サッ…(避ける)」
執事「ダン!!!(電気を出す)」
❤️「カキン(防ぐ)」
威力は弱いけど量が多い……クソ、1回で全員倒したいけど、範囲攻撃はトラップが起動してしまうかもしれねぇ…。だとしても、1人1人倒してだったら時間がかかりすぎる…。厄介極まりない。
…………まさかッッ。
❤️「……こうなることが分かって…わざわざ大量のトラップなんかを仕掛けたのか。」
❤️「使用人がトラップを受けたら重症を負うって、そのせいで俺が下手に攻撃できない状況になるって分かっていたから。」
………こいつらの命を考えず、完全な駒として扱うために…悪質なトラップを設置したのか。
こいつらは自身の城の使用人なのに…ずっと俺らに忠誠を誓ってきたのに……
………………はぁ、どれだけゴミなんだよ。
❤️「……すまん。俺はすちを助けないといけない。」
❤️「だから…」
❤️「ボワッ……(黄色の炎を身に纏う)」
母「へぇ………黄色の炎…ね。(また新しい炎か)」
メイド「ポワン…シュン!!(水の矢を放つ)」
❤️「…」
使用人たち『バタッ……(全員倒れる)』
❤️「手加減の練習をしていて良かった。おかげで穏便に済ませれたんだからな。」
❤️「…上手く気絶して、洗脳が解けたようだな。」
……不思議だな。こいつらは俺を次期当主としてしか見てこない、俺にとっては嫌いな部類の奴らなのに…。
………やっぱり、少なからず情はあるものなんだな。
❤️「……さて、行くかタッタッタッタッ」
母「さっきの黄色の炎……。あれをなつが纏った瞬間なつの身体能力が一気に上がって、大勢を一瞬で手刀で気絶させた。」
母「てことは……黄色の炎は「バフ効果」ってところかしら。炎の技術も興味深いわね。」
❤️「……バン!!!」
母「あら、もう………随分早かったわね、なつ。」
❤️「テメェ……こんなことしてタダで済むと思ってんのか…。すちだけじゃなくて、使用人たちまで使って…」
母「怒ってるの?」
❤️「あぁ………」
母「にしては、冷静そうだけど。」
❤️「当たり前だろ。精神を見出した状態で、お前に勝てると思ってないからな。」
母「……なら、その整ってる精神を乱してもらおうかしら」
❤️「は?」
母「これよ。」
💚「………(ガラスケースに閉じ込められてる)」
❤️「っ!?、すち!!!」
母「私はこれから………この子の綺麗な羽を切り落とすわ。」
❤️「!?…お前ッッ」
母「正直私はすちくんに対して、羽以外は何も興味ないの。だから、羽さえ取れればすちくんはどうでもいい………例え4んでも、ね?」
❤️「ッギロ……んなこと、させるわけねぇだろ。」
その羽は…すちにとって、自分の人生を全て表す象徴だ。コンプレックスだったものを……克服して、妖精でいいと、それを目に見えて実感できる特別な物だ。
それを、失わせるわけにはいかない。
母「(ふふっ……やっぱりこの子はなつにとって相当大切な子なのね、扱いやすい)」
❤️「俺がここに来た以上、すちはもう傷つけさせない!!俺がすちを守り抜き、救い出す!!そのために…………」
❤️「お前はここでくたばれ!!!」
母「!!…(一瞬で火球に囲まれた!?)」
❤️「冷静さが欠けてると思ったか…俺は同じミスを犯さない!!」
すちが連れさらわれた時のようなミスは…
❤️「できる限りの火球で押し潰してやる…。逃さねぇよ!」
母「…流石御神体、どの兄弟の炎よりも…圧倒的に強いわ。」
母「でも甘いわね。」
❤️「(仕掛けてくる…魔技か?そしたらすぐに消すだけ…!)」
母「ニヤリ…」
母「ジュッ!!…」
❤️「!?…嘘、だろ。………。」
母「この程度の炎なら、私には届かないわよ。」
一歩…動かすこともできずにとめられたのかよ。
❤️「なら……これでどうだシュン!(炎の槍)」
母「!!…炎の槍、歴代の王族の中でも扱えた妖精は極少数な高等技術。」
母「その技術…どうやってやるのかしら。興味あるわ」
❤️「身に感じてみたら?そしたら…より分かるんじゃねぇのッッ!」
母「威力も段違いに上がってる!!流石なつの炎だわ!!!」
母「確かにこの火力だと、魔技では受け止められないけど……」
母「スカッ…(避ける)」
❤️「なっ!?」
母「スピードが遅いわね。これなら簡単に避けられるわ。」
❤️「………っ」
こいつ、俺よりも下だと思ってたけど…想像以上に強い。王族の当主なことだけはある……俺が戦ったどんな奴よりも別格だ。
❤️「やっぱり……出し惜しみはなしだな。(黄色の炎)」
母「黄色の炎…さっきも見たけど厄介な効果を持っているようね。流石にその状態のあなたには、手も足も出なさそうだから………私も魔力を使わせてもらうわ。」
❤️「魔技か?」
母「いいえ、魔力は魔技にしなくたって…“魔力”だけでもできることはたくさんあるのよ。」
母「例えば…こんな感じでシュルルル……」
❤️「!!………なるほど、魔力を身に纏ったのか。」
母「すちくんも羽に魔力を纏わせて、そのおかげで飛べるようになったのよね。私も同じ原理で、身体に魔力を纏わせることで、身体能力が上がるのよ。」
❤️「(でも、それを実戦で使うなんて…高等技術どころじゃねぇだろ。)」
俺でも理解できない領域の魔力技術をポンポンと…………こいつ、やっぱり魔力分野だけは頭一つ抜けてる。
母「…さて、やりましょうか。」
❤️「……(今のこいつと…俺は渡り合えるのか)」
ー数十分後ー
❤️「………ッッ……」
母「…ブン!!!(回し蹴り)。」
❤️「スカッ……(避ける)、ハァハァ」
母「…避けられた。」
❤️「(クソ、押されている…)」
数十分ぶっ続けで戦ってるのに、戦況が一向に変わらない、押されている。俺だけ疲労が溜まっていって……アイツも魔力結構消費してるはずなのに、動きが乱れない。コイツ…どんだけ魔力多いんだよ。
❤️「(何とかして…こっちの流れに引き込まないと…)」
母「(…やっぱり強い。ここまで解放したのに、一撃すら入らないなんて…このままだと魔力消費が激しい私が先に尽きるわね)」
母「しょうがない、温存も良くないし…取り返しがつかなくなる前に…。」
母「本気で行かせてもらうわ」
❤️「っ!?」
母「魔技【斬撃ー改ー】」
❤️「【魔技解((」
❤️「ッッ!?……ぐッッ…(速い!)」
俺が【魔技解除】を使う前に攻撃が当たった!?スピードが速すぎる……魔技の完成度が桁違いに高い。
今ので確信した。魔技での殴り合いに、勝機は一切無い……技術も量も完成度も全て負けている、このまま押されたら俺の負けは確実だ。
母「…まだ傷は浅いわね。なら次で動けなくしてあげる。」
❤️「ふぅふぅ…ッッ…」
なら……勝てる分野で太刀打ちするしか無いよな。
母「魔技【斬撃ー改ー】」
❤️「……シュン(空に避ける)」
母「上に逃げたのは、悪手だったわね。」
母「魔技【光線ー改ー】」
❤️「……このまま撃ち落とされてたまるかよ。」
来い…俺の……奥の手。
お前に届く…切り札だ。
母「私の光線を掻き消した!?しかも、緑の炎…また新しい炎を。」
❤️「お前には見せたことなかったな、この炎を…」
❤️「この緑の炎の特徴は熱くないこと……用途としては、燃費が良い分質量勝負に適していて、今の光線も俺の緑の炎の質量で掻き消した。」
母「……まさか私の魔技に追いついてくるなんて、王族の炎の真髄…侮れないわね。」
❤️「俺の炎全てを使って…お前を倒す。」
❤️「こっからは、全力だ。」
第16話「誓い」
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