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今回は「鬼になる前と後」です。それじゃあレッツラゴー
母「禰豆子、顔が真っ黒じゃないの。こっちにおいで、雪が降って危ないから行かなくてもいいんだよ」
禰豆子「お正月になったらみんなに腹いっぱい食べさせてあげたいし、少しでも炭を売ってくるよ」
母「ありがとう」
茂「姉ちゃん!」
禰豆子「ん?」
茂「今日も街に行くの?」
花子「私も行く!」
竹雄「あっ」
母「駄目よ、禰豆子みたいに速く歩けないでしょう?」
茂「母ちゃん!」
母「駄目、今日は荷車を引いていけないから、乗せてもらって休んだり出来ないのよ」
茂「姉ちゃん!」
禰豆子「わぁっ…」
花子「着いて行きたい!ちゃんとお手伝いするよ」
禰豆子「ありがとうね、花子。でも今日はお留守番ね」
花子「えぇ〜!」
禰豆子「茂も、その代わり美味しい物いっぱい買ってくるからね」
茂「本当?」
禰豆子「うん」
茂「ヒヒ…」
禰豆子「花子も帰ったら本読んであげるからね」
花子「うん!」
禰豆子「いい子」
母「ありがとね、禰豆子」
禰豆子「うん、じゃあ行ってくるね。竹雄、出来る範囲で構わないから、少し木を切っといてね」
竹雄「そりゃあやるけどさ…一緒にやると思ったのにさ…」
禰豆子「よしよし」
竹雄「何だよ急に!」
茂「竹兄てれてら」
竹雄「う…うるせぇやい!」
禰豆子「よしよし」
竹雄「だから辞めろって!」
(一同の笑い)
茂「早く帰ってきてね〜!」
花子「気おつけてね〜!」
竈門「禰豆子」
禰豆子「お兄ちゃん」
竈門「六太を寝かしつけてたんだ。大騒ぎするから。父ちゃんが亡くなって悲しいんだよな。みんな俺と禰豆子にくっついて回るようになった。行ってらっしゃい」
女A「まぁ禰豆子ちゃん、こんな日に山を降りて来たのかい?よく働くねぇ。風邪引くよ」
禰豆子「これくらい平気だよ。炭はどう?足りてる?」
男A「おーい禰豆子!炭を売ってくれ」
男B「この間は障子を張り替えてくれてありがとな」
女B「こっちも炭ちょうだい」
少年「ううっ、うぐ….あっ禰豆子!丁度良かった。皿を割った犯人にされてんだよ俺、助けてくれよ、嗅いでくれ」
禰豆子「…猫の匂いがする」
少年「あ…ほらぁ!」
女「あ〜ら猫なの?」
少年「俺じゃないって行っただろ!」
男「あ〜禰豆子。ちょっと荷物運ぶの手伝ってくれねぇか?」
禰豆子「(そして、遅いからと言う理由で三郎爺さんの家に泊めてもらい次の日に家に向かった)あ…血の匂い!〔走る〕はぁはぁ…はぁはぁ…ハッ!あ…あぁぁあっ…お兄ちゃん!どうしたの?何があったの?あっ…お母さん?お母さん…花子…竹雄…茂…お兄ちゃん…六太、はぁはぁ…(お兄ちゃんだけはまだ温もりがおる!医者に見せれば助かるかもしれない。何でこんな事になったの?熊?冬眠出来なかった熊が出たの?息が苦しい…いてついた空気で肺が痛い。前に進んで、もっと速く足を動かして!まだまだ街まで距離があるの、急いで!死なせない。絶対助ける、私が助けるから!)」
(竈門の唸り声)
禰豆子「あっ…」
竈門「うあぁぁあ!」
禰豆子「うっ…(しまった!)うわぁぁぁ!(助かった…雪で、滑ったのも雪だけど)お兄ちゃん…お兄ちゃん!大丈夫?歩かなくて良い、私が街まで運ぶから。お兄ちゃん!」
竈門「うぅっ…アァ!」
禰豆子「うわっ…」
竈門「ウアァァ!」
禰豆子「うっ!くっ…う…あっ!(こ…これは、鬼だ。私がよその家でぬくぬくと寝ていた間、みんなあんな惨い事に…痛かったでしょ?苦しかったでしょ?助けれなくて、ごめんね。せめてお兄ちゃんだけは何とかしてあげたい。だけど凄い力だ…押し返せない)お兄ちゃん…頑張ってお兄ちゃん、堪えて!頑張って!鬼になんかならないで!しっかりして!頑張って!頑張って!ハッ…」
竈門「ア…ア…ウッ…」
冨岡「あっ」
禰豆子「ぐわっ!(何?誰なの?刀…)」
冨岡「何故庇う?」
禰豆子「お兄ちゃんなの、私のお兄ちゃんなの!」
(竈門の唸り声)
禰豆子「お兄ちゃん!」
竈門「ガウ…ウゥっ!」
冨岡「それが兄か?」
竈門「アアッ!グワア!」
禰豆子「ハッ…」
(竈門の唸り声)
禰豆子「あ…あっ…」
竈門「ウウウ…アアッ!」
禰豆子「お兄ちゃん!」
冨岡「動くな」
禰豆子「あっ…」
冨岡「俺の仕事は、鬼を斬る事だ。勿論、お前の兄の首もはねる」
禰豆子「待ってよ!お兄ちゃんは誰も殺してない!私の家にはもう1つ、嗅いだ事の無い誰かの匂いがしたの!皆を殺し…たのは、多分ソイツだ!お兄ちゃんは違うの!どうして今そうなったのは分からないけど、でも…」
冨岡「簡単な話だ、傷口に鬼の血を浴びたから鬼になった。人喰い鬼はそうやって増える」
禰豆子「お兄ちゃんは人を食べたりしない!」
冨岡「良くもまぁ…今しがた己が食われそうになっておいて」
禰豆子「違う!私の事はちゃんと分かってるはずなの!私が誰も傷つけさせない。きっとお兄ちゃんを人間に戻す!絶対に治します!」
冨岡「治らない、鬼になったら人間に戻る事は無い」
禰豆子「探す!必ず方法を見つけるから、殺さないで!家族を殺した奴も見つけ出すから!私が全部ちゃんとするから、だから…だから…辞めて〜!もうこれ以上私から奪うのは…辞めてください…どうか…お兄ちゃんを殺さないでください…お願いします…お願いします…」
冨岡「くっ…生殺与奪の権を他人に握らせるな!」
禰豆子「ハッ」
冨岡「惨めったらしくうずくまるのは辞めろ!そんな事が通用するなら、お前の家族は殺されていない!奪うか奪われるかの時に主導権を握れない弱者が、兄を治す?敵を見つける?笑止千万!弱者には何の権利も選択肢もない、ことごとく力で強者にねじ伏せられるのみ!兄を治す方法は、鬼なら知ってるかもしれない。だが!鬼共がお前の意思や願いを尊重してくれると思うなよ。当然俺もお前を尊重しない!それが現実だ!何故さっきお前は、兄に覆いかぶさった?あんな事で守ったつもりか!何故斧を降らなかった!何故俺に背中を見せた?そのしくじりで、兄を取られている。お前ごと、兄を串刺しにしても良かったんだぞ!(泣くな、絶望するな。そんなのは今する事じゃない。お前が打ちのめされてるのは分かってる。家族は殺され、兄は鬼になり、辛いだろう、叫び出したいだろう。分かるよ、俺が後半日早く来て入れば、お前の家族は死んでなかったかもしれない。しかし、時を巻き戻すすべはない。怒れ、許せないと言う強く純粋な怒りは、手足を動かす為の揺るぎない原動力になる。脆弱な覚悟では、兄を守る事も、治す事も、家族の敵を討つ事も、出来ない)」
禰豆子「やっ…」
竈門「アアア!ア…アアアア!」
禰豆子「辞めて〜!はぁはぁ…うあぁぁあ!」
冨岡「感情に任せた単純な攻撃、愚か!」
禰豆子「かはっ…」
竈門「ア…」
冨岡「(ん?斧は何処だ?)ハッ、(木の影に隠れる直前、こちらに石を投げ、と同時に、上へ斧を投げた。丸腰であるのを悟られないよう、振りかぶった状態で手元を隠す。俺に勝てないのが分かって居たからだ。自分が斬られた後で、俺を倒そうとした。コイツは…)」
竈門「ウアアア!ウウ〜!」
冨岡「くっ…」
竈門「グアア!」
冨岡「しまった!食われる!あ…」
禰豆子「お兄ちゃんは…お兄ちゃんは違うの、人を食べたりしない!」
竈門「ガア!」
冨岡「(昔、同じ様な事を言って鬼に食われた奴が居た。飢餓状態になっている鬼は、親でも兄弟でも殺して食べる。栄養価が高いからだ。今までそういう場面を山ほど見てきた。この男は、怪我を負わされており、それを治すために力を消費している。鬼に変わる時も、かなり体力を消費するはずだから。間違いなく今は、重度の飢餓状態。一刻も早く人の血肉を喰らいたかっただろうに…守る動作、俺に対する威嚇。)」
竈門「ウウッ!」
冨岡「コイツらは何か…違うのかもしれない」
竈門「アッ!ア…」
母「置き去りにしてごめんね、禰豆子。炭治郎を頼むわね」
禰豆子「はぁ…」
冨岡「起きたか」
禰豆子「あ…」
冨岡「狭霧山の麓に住んでいる、鱗滝左近次と言う老人を訪ねろ。”冨岡義勇に言われて来た”と言え。今は日が差していないから、大丈夫なようだが、兄を太陽の下に連れ出すなよ」
禰豆子「行こう」
ここで終わります。どうでしたか?初めての鬼滅は。途中で禰豆子の口調とか、呼び方違ったかもしれませんが。それじゃあじゃあのー