テラーノベル
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羽咲春
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※nmmnですので節度を持って楽しんでください
※nmmnの意味が分からない方はブラウザバック推奨
※100%捏造
※キャラ崩壊・解釈不一致注意
(季節外れにも程があるバレンタインネタです)
(両片思い、高校生パロのsnpnです)
***
春休みも真っ只中、やることも無くベッドで寝転がっていると、急に想い人からうちで新学期に向けての復習をしよう、と誘いが来た。
ほぼ毎日通話やゲームはしていれど、久しぶりに面と向かって会えることに気分を弾ませながら二つ返事でOKと送った。
そうして勉強道具とお菓子を片手に彼の家へ。家族は出かけてるとの事だったので、リビングでエアコンの温風に暖められながら、あーだこーだ言いながらノートを埋める。暫くして「肩が凝った」と休憩をしようという話に。
机上に散らばる2人分のノート、シャーペン、教科書、スマホ。それらを傍らに避け、封を開けたスナック菓子を置く。家主は僕とのジャンケンに敗北し、渋々コップを取りに台所へ行った。「いつものやつでいいー?」との声に肯定の返事をして。
そんな会話ができるほど、自身はこの家の常連になっていた。
その事実にしみじみ思っていると、ピタリと頬に冷たい物が当たる。思わず甲高い悲鳴を上げて振り返ると、笑いをこらえ肩を震わせている彼と目が合う。
カラン、とコップの中の氷が音を立てて揺れた。
「えっ、氷入れたんすか?今2月なのに?馬鹿なの??」
怪訝な顔を浮かべつつ、先程自身の頬を冷やした物を受け取る。「折角飲み物用意してやったのにさ〜」と呆れたように言いながらぺいんとは向かい側に腰を下ろした。
「はいじゃあこれ、あげるからさ。ね、許して?」
そう言って眼前に差し出されたのは掌ほどの黒色の箱で、ご丁寧に紫色のリボンが結ばれていた。
「え、なにこれ。」
「開けてみたら分かるよ。」
明らかに揶揄っているような声色に警戒しつつ、素直にリボンを解き箱を開ける。
微かな甘い香りと共に現れたのは、様々な形をしたチョコレートであった。
少し不格好ではあるが、カラフルなチョコスプレーやアラザンで飾られた一口サイズのそれらが六粒ほど、仕切られた箱の中に綺麗に収まっている。丸や四角や、ハート型なんかもあり思わずドキリと心臓が鳴った。
「え、これって….」
そう言えば、と今朝見たSNSのタイムラインを思い出す。そこには甘ったるい恋人達の話が流れていた。そう、今日は2月14日。
「俺が作ったヤツ。まぁ多分美味いよ。」
そう言って絆創膏の貼られた人差し指で机を鳴らした。
「え、毒とか入ってないですよね….?」
「お前俺をなんだと思ってんだよ??」
真剣なトーンで言うしにがみにぺいんとが笑いながら突っ込む。
飛び跳ねて喜びたい気持ちを抑えつつ、平常を装い誤魔化す為に軽口を叩いた。好きな人からのバレンタインなんて、シンプルに嬉しさの塊である。例え義理だとしても、だ。
万が一にも本命なんて事がある訳ないと分かってはいるが、それはそれとして嬉しくない訳がない。
家に帰ってからじっくり味わうのもと思ったが、我慢できず「今食べても良いですか?」と問えば「おう、食え食え」とスナック菓子を口にしながら返されたので遠慮なく手を伸ばした。
ハート型のそれを一口まるまる口に含むと、自分好みの少しビターな甘さが口に広がり舌鼓を打つ。直ぐに食べてしまうのが勿体なくて、ゆっくり咀嚼をして飲み込んだ。
「…..めっっちゃおいしいです」
チョコレートから視線を上げ、焦点を当てた彼は頬杖をついてこちらを見据えていた。
その顔に浮かべているのは心底嬉しそうな微笑みだった。
「あのさ」
「なんで今日、あの二人が居ないか分かる?」
細められた黄色と目が合う。あの二人とは、いつも共にいる青色と緑色の事だろう。
そう言えば、二人が居ない理由を聞いていなかった。てっきり用事があるのだと思っていたが、そんな単純な事では無いと察せた。
「….なんで居ないのか、聞いたら答えてくれるんです?」
「うん。答えてあげるよ。」
「あのね、俺がお前しか呼ばなかっただけだよ。」
それを聞いた時、反射的に「え?」と声が漏れ出た。
「それ」
「俺ね、本命の分しか作ってないんだよね。言ってる意味、分かるでしょ?」
悪戯な笑みを浮かべ、彼は手元のチョコレートを指さした。
開いて塞がらない口を掌で覆う。え、まさか、そんなことって?
万が一にもある訳が……
「ねぇ、しにがみくん。」
「好きな人からの本命だけど、感想はおいしいだけで足りる?」
彼はニヤリと弧を描く。その揶揄うような、嬉しそうな、楽しそうな姿に何も言葉が出なくなる。みるみるうちに顔が熱くなるのが分かった。
湯だった脳が、これが本命であることと同時に、彼が「好きな人からの」と言っていた事を処理し始める。つまり、それは。
「それは、ぼ、僕があなたを好きなのに気付いてたってことですか……..?!」
やけくそにそう言うと、「まぁ、そういう事になるよね!」と満面の笑みで返される。
恥ずかしさで涙が出そうになりながら、ただ「めっっっっちゃ嬉しいです…..」と羞恥と共に広がった思いを蚊の鳴くような声で呟く。その姿に想い人は、また嬉しそうに声を出して笑うのであった。
コメント
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みぅです🖤 2話、甘すぎて胸が痛かったです…「俺がお前しか呼ばなかっただけ」って台詞、ヤバすぎる。ずっと二人きりにするために他の二人を外してたんだって思うと、計算尽くの独占欲がすごくて、でもそれが愛おしくて。 本命チョコもらった時のしにがみくんの焦りと照れ、すごく伝わってきました。ビターなチョコの描写も、なんかそのまま二人の関係性みたいで。 浅葱さんの書く甘い距離感、大好きです。次の話も楽しみにしてます🍫🥺