テラーノベル
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ご本人様とは関係ありません。
僕らは親友だ。
だから、どんな痛みも悲しみも共有してきた。
4人で、ライバー活動をしようとオーディションに応募する。
結果は見事合格。
晴れてライバーとなった。
彼の歌がうまいことはすぐに知れ渡った。
それを褒める人もいれば妬む人もいた。
それでも彼は前向きに捉えていた。
年月を重ねるにつれ、大きなステージで歌ったり。
彼に対する歌のプレッシャーはどんどん強くなっていった。
アンチもいる。
期待が大きすぎるやつもいる。
彼は僕にそのことを相談しては泣いた。
僕はそんな彼に当たり障りのないことしか言えなかった。
大丈夫だとか、見返してやろうとか。
だから、それがいけなかったのか。
僕らは親友だった。
今、目の前の状況を理解するためにそれを悟った。
―――――
「なに、しようとしてるの?雲雀…。」
彼は屋上の縁に立っていた。
そこに落下防止の柵はなく、風が吹けば落ちてしまいそうだ。
そして、落ちてしまえば死んでしまう高さがあった。
僕の姿をみて、彼は悲しそうに笑った。
僕は、扉から一歩進んだところから動けなかった。
「何って…何もせんよ?」
あいもかわらず下手くそな嘘。
ねぇ、なんで。
その言葉は声にならない。
でも彼には伝わったのか、彼はまた笑った。
「俺は歌うことが好きだ。
アンチがいようが、声が出なくなろうがそれは変わらない。
けど、あまりに期待が大きすぎる。
それはきっとありがたいことで嬉しいけれど、俺には毒だ。
それも、死ぬまで気が付かない甘ぁい毒。
もう、疲れたんだ。
俺は潰されたくない。
だから、この手で。」
強く風が吹いた。
彼の体がぐらりと傾く。
彼は、飛び降りるというより飛んでいた。
僕はその姿が美しいと感じた。
だから動けなかった。
彼の体は重力に従って落ちていく。
彼の姿が見えなくなった。
聞きたくもない落下音が聞こえて、ようやく我に返った。
フラフラと縁から下を見下ろす。
真ッ赤な華。
何やら人の声が聞こえるがどうでも良かった。
視界がぼやける。
どうやってもそれは明瞭にならない。
ふと、自分が泣いていることに気がついた。
あぁ、彼もこんな気持だったのか。
「っ、雲雀ッ雲雀…!!」
いくら泣こうが、後悔しようが彼はもう帰っては来ない。