ハルカは俺の嫁、どうもまつりです!
ちなみに「ハルカは俺の嫁」とか「ハルカは俺の女」とかっていうのは俺の決まり文句ですが、俺はハルカの夢女でも同担拒否でもなんでもないし、ハルカの嫁はイヌイだと思っている身なので気にしないでください。ハルイヌこそ正義。
こんなテンションで入っている今回ですが、なんとどちゃくそ暗いです。
⚠️宗教関連の話が出てきます。
ただし、作者には、宗教に関してこれといった知識がありません。
本作に出てくる宗教団体・関連の事件は現実の団体・事件と一切の関係がなく完全にオリジナルですが、事件の内容が、実際にあった事件と被っている可能性があります。
また今回、暴力的な表現・少しグロテスクなシーンを含んでおります。
閲覧には注意してください。
前にも言ったと思うんやけど、本当にえぐえぐやばやばです(語彙力)
知らないからね!?まつりっていうバカが書いた小説がキモすぎて吐き気が止まりませんとか言われても、俺、責任取らねえからな!?
そこんとこ注意して読んでね。
大丈夫、ここまで読み進めてくれてる真のきみいすとである君なら、きっと乗り越えられるはずさッッッ((
いってら!ほんまに知らんかんね!?(二回目)
女ばかりの家だった。
どいつもこいつも、みんな薄気味悪く笑う、変な女たち。
オレはそんな一族に、男として産まれた。
この世界には神様がいて、
その神様っていうのは、この世界において、最も尊い存在で、
人間は神様が生み出したガラクタで、
そのガラクタが本来の、生き物たりえる姿になるには、
その神様からの”贈り物”を服用するといいんだって。
でも、その神様は、女しか救ってくれないらしくて、
そして男のオレは、女を救うための手助けをすべく、
その”贈り物”の効果をずっと試され続けた、
所謂『実験体』なんだって。
身体じゅうに絆創膏貼られると、ちょっと汗が出てくる。
1日じゅう手錠で拘束されてたら、腕は少し疲れるし、
コンクリートの壁に素っ裸のままずっと寄りかかってると、だんだんぬるくなってくし、
毎日注射を打ってると、だんだん、刺されるのが気持ち良くなっていく。
注射のなかの液体が、オレは大嫌いで、大好きだった。
産まれたときからずっと打たれてる。毎日かかさず、ずっと。
女たちはこの液体を”愛情”と呼んで、オレに注入してくる。
すっごい痛くて、苦しくて吐き気がしてつらいけど、
なんだかあたたかくて、気持ち良くて、楽しくて、
いっぱい打たなきゃ、オレ、どうにかなっちゃいそうで、
その”愛情”は、オレにとって不可欠な存在だった。
オレは、瞬間移動ができるって聞かされたことがある。
その日オレに投与した液体は”能力強化剤”っていうらしくて、
これを打って成功すれば、どこにでも行けるようになるらしい。
その日の注射はすごく痛くて、なぜか目から水が出てきた。
その日から、ご飯が喉を通らない。
全部、吐いちゃう。特に夜なんかは、なかなか止まらない。
気持ち悪いけど、ちょっと気持ちいい。
それにオレの髪はずっと切ってないから腰くらいまであって、
前髪が邪魔で前が見えない。
しかも、女はみんな布を身体に巻いてるけど、
オレにはその布がない。
寒い。でも、”愛情”のおかげで、今はあったかいよ。
数字の数え方も、文字の書き方も、声の出し方もわかんないけど、
オレには”愛情”がある。
───だから、もっと、愛してほしい。
溢れるほどの”愛情”を貰っても、心はずっとカラカラで、
オレはいつも、”愛情”に飢えていた。
おかしいって、薄々、気づいていたのかも知れない。
もうオレは十三歳、女によれば、チューガッコーとやらに進学している時期らしい。
オレの、知らない世界だった。
オレは産まれてから一度も、このおりから出たことがない。
この世界がどうなっているのか、外には、なにがあるのか。
オレは気になった。
その思考こそ、女が危惧したものだったのだろう。
実験台のオレに脱走されては困るらしく、女は、オレの右目を素手でくり抜いた。
もし脱走したら、左目もくり抜くからな、と。
流血が止まらない右目。オレは、脱走しようと思った。
理由は、自分にもよくわからない。
ただ目が痛くて、これはどうしても気持ち良くなくて。
そして、”愛情”がほしかった。
もっともっと、もっと、もっと、もっと、
もっともっと、もっと、もっともっと、もっともっと、もっと、
もっと、もっともっと、もっと、もっと。
脱走は、至って簡単だった。
深夜だとみんな起きているから、早朝くらいに、オレは注射器と液体を持って立ち上がった。
まともに食べてないオレはかなり細いから、鉄のおりを簡単に抜けられる。
瞬間移動とやらを使えると便利そうだったものの、やり方がわからないので仕方がない。
手錠は外せなかった。だからそのまま逃げる。
家の構造もドアの位置もまったく知らないけど、感覚で進んでいく。
”愛情”を求めて。快楽を、幸せを求めて。
そとに繋がる扉を開けると、空はまだ暗かった。
監禁部屋とは、空気が違う。肺にスッと新鮮な空気が入ってきて、オレは思わず咳をした。
オレが出てきたのは、狭い路地裏だった。立ち止まっている暇はない。
オレは服も着ないまま、注射器と液体だけを抱えて、がむしゃらに走った。
だれか、オレを、心のそこから愛してくれる人はいないだろうか。
神様じゃなくて、女じゃなくて、オレを愛してくれる人…………
────それは案外、簡単に見つかった。
走って5分もしないうちに、背後から肩を叩かれる。
「ねえ君、露出魔?まじウケる~」
びくっとして振り返ると、前髪が長くて背の高い男の子が、オレに向かって微笑んでた。
オレは喋れないため、どうもできない。
でも背の高い人はオレを見捨てることなく、まず、オレを抱き締めた。
オレが硬直すると、一言。
「なに、めっちゃかわい~じゃん。君、お名前は?」
名前……自分の一族の名字なら、知っている。
出るか不安だったけど、とりあえず頑張って、声をしぼりだしてみた。
「………みょ、じ………sえ、ざ…」
「ん、苗字っつった?あ、その様子じゃあ話せないんか。そんじゃ家まで案内してよ。ハルカが表札見て、名前考えてあげるね」
家に、戻る……気が引けたが、女に見つかったとしても、この人が守ってくれるかも知れない。
勝手に名前までつけてくれるようだし。
背の高い人は、オレに黙ってついてきた。オレが家の前で止まると、表札を探す。
「んー、あ、これじゃん!きみ、[瀬々]っていうんだね」
オレは頷く。
「じゃ、そ~だなぁ……[イヌイ]ってどう?今日から君は、[瀬々イヌイ]!うん、ハルカ天才っ!ハルカの名前はね、[我孫子ハルカ]っていうんだ。ワレに、マゴに、コドモって書いてアビコ。イヌイはカタカナね、ハルカとお揃い」
オレは、もう一度、こくんと頷いた。
イヌイって名前の由来はわからないけど、そんなこと、どうでもいい。
「イヌイは今日から、ハルカの駒として”タヨキミ”っていう組織を潰すお手伝いをすること!イヌイ、能力持ってたりする~?」
「……しゅ…っ……か、い、d………」
「瞬間移動ね、おけ~。じゃ、キビアイアジトまで連れてってよ!」
「あ………でも、つk、え、ない」
「えっ、マ?じゃあハルカが連れてくね、乗りな」
ハルカさんはオレをおんぶして、楽しそうに歩き始めた。
十数分後、ハルカさんは、大きな建物の前でとまる。
「………ついたよ。イヌイ、”キビアイ”にようこそ!」
分厚いドアを開けるハルカさんのあとを、オレは静かについていった。
相部屋にしてあげる、と部屋にいれてくれたハルカさん。
オレが持ってる大量の注射器と謎の液体に首をかしげつつ、
「お風呂入ろっか、イヌイ」
と、オレの前髪をあげた。
あ……右目。バレちゃう………
一瞬まずいとなったオレの抵抗も虚しく、右目はその姿をさらされた。
「……え、まじ?右目ないじゃん」
オレは、気まずいような感じで頷く。
ハルカさんは少し動揺したが、部屋の机の上に置いてある針が目に入ると、何かを思い付いたように笑った。
「イヌイ、ちょっと痛いけど、我慢できる?」
そう言いながら自分の髪の毛を抜いて、針に通す。
そのままオレを顎クイして、ハルカさんは、オレの瞼に針を刺した。
「かんせ~い!これでイヌイはもっとかわい~!」
鏡を持ったハルカさんが、顔をキラキラさせてオレに抱きつく。
目を縫ってくれたうえに髪の毛まで切って染めてくれたハルカさんに、オレは感激した。
──この人は、オレを、愛して、くれる……?
「はるか、さ…n………、いぬ、い………s、kい……?」
おどおど訊くオレに、ハルカさんは当たり前、と言わんばかりに微笑む。
「ん~?何言ってんの、好きじゃなかったら、こんなことするわけないじゃん。大好きだよイヌイ、愛してる」
その言葉に、オレは、心が満ちていくのを感じた。
その後、ハルカさんは、オレにいろいろな事を教えてくれた。
数字の数え方、文字の書き方、声の出し方。
ハルカさんは、ものを教えるのがとても上手だった。オレはたったの数ヶ月ちょいで、人並み程度の会話ができるようになった。
そして同時にオレは、自分が薬物中毒者であること、自分の家庭は変な宗教を信仰していたこと、物理的な”愛情”だと思っていたこの液体は単なる違法薬物だったことを、ハルカさんに教わった。
オレが絶望したような安心したような顔をする度に、ハルカさんは優しく抱き締めてくれる。
「ハルカがイヌイを愛してあげる、他の人からの愛なんていらないでしょ」って。
癖になってしまった薬物摂取も、ハルカさんが全部やってくれた。
ハルカさんがいれば、それ以外なにもいらない。
誰かに尽くすことが好きなのは、母親譲りだろうか。
尽くしに尽くしてボスに気に入られたオレは、一気にNo.4までのぼりつめた。
地面に倒れるイヌイ。
そんな彼を見て、サチは呆れたように呟いた。
「だから言っただろう……No.4でもNo.3でも、俺の能力があれば、簡単に倒せると」
キビアイのNo.4が、いとも簡単に──サユは自分が置かれている状況が、絶望的なことに気付く。
このままここにいれば、サチにまた鉄球を当てられ、同じことの繰り返しだろう。
一人で飛び出してくるんじゃ、なかったな。
……サユが後悔した瞬間、聞きなれたような、鞭のしなる音がした。
「おいおい、No.4がやられてんじゃねえか。どういう状況だぁ?」
──カエデ、だ。チェリーからサユのことを聞き、大急ぎで探してくれたのだ。
「カエデ!」
「お、サユ。どーなってんの?」
「サチが………!イヌイに鉄球を当てて、イヌイが倒れて……」
それを聞き、カエデは考えた。
「……今なら、No.4を救えるな」
「え、カエデ!?本当!?」
「ああ、あのままタヨキミアジトまで強制連行すれば……」
カエデの発言は明らかに無茶だが、サユは「たしかに」と納得する。
「私がイヌイを連れて帰るから、サユはサチの相手、できるか?頭に気をつけて、適当に説得してくれればいい」
ひざに力をこめるカエデ。そんなカエデを見て、サユは大きく頷いた。
「私たちなら、やれる!!」
カエデはサチを無視して、倒れているイヌイの方向へ走った。
(筋肉質なわりには軽いな、コイツ………)
イヌイを肩にかつぎ、カエデは公園の出口へ急ぐ。
イヌイは上層部だ。キビアイから欠ければ、大きなダメージになるだろう。
しかもアキトによると、No.3とNo.4は異常なほどに依存しあっているらしい。つまりNo.4を救えばNo.3が動けなくなり、キビアイの内部崩壊が予想できる。
ただ心配なのは、サユがサチにやられること。
そしてサチが追ってくれば、イヌイを救える可能性が低くなってしまう。
透明になりさえすればいいが、今は体力の消費が激しすぎて、能力に集中できない。
なるべく早く、公園から出なければ。公園から出れば、焦る必要もなくなるだろう……
ひたすらに走るカエデ。
そんなカエデの視界に、公園の出口らしきものがうつる。
しめた……速度をあげた、その瞬間。
目の前から数本のナイフが、カエデの体をかすった。
「おねーさん、ウチのイヌイ、返してよ」
バランスを崩したカエデの頬に、冷や汗がつたう。
想定はしていた。でもまさか、本当に来るとは……
顔をあげると、No.3のハルカと思わしき人物が、出口の前に立ちふさがっていた。
カエデはハルカの姿を見て、混乱する。
(おいおい……嘘、だろ………?コイツ……)
混乱の理由──それは、ハルカの顔を、見たことがあったからだ。
いや、見たことがあるどころではない。
自分たちが運営している組織の最強剣士。生意気で、でも憎めないアイツ──
「お前………カナタ、か?」
上手く状況が呑み込めていないカエデに、ハルカはにっこり笑う。
「カナタじゃないよ。No.3の、ハルカです。よく見てみて、ハルカはカナタより可愛いよ?」
自信満々に言うハルカ。カエデは、ハルカに質問した。
「お前は、カナタを知ってるのか……?なぜ──」
「どうしたもこうしたもなーいよ。我孫子カナタくん、でしょ?教えてあげる、ハルカの本名は[我孫子ハルカ]っていうんだ」
まさか、と息をのむカエデ。そんなカエデの予想に反して、ハルカは、意外なことを言い放った。
「ハルカは……我孫子ハルカは、我孫子カナタの、クローン人間なのです!」
続く
ナンダッテーーーーーーーーー!?クローン人間ってなんぞやーーーーー!?
ハルカくんの衝撃告白に、読者の皆様はさぞ頭がおかしくなっているところでしょう。
それもそのはず((?
以下、作者暴走してます。
ハルカくんとカナタくんは、見た目が酷似してるんですよ。みんな最初の話読んでくれたらわかるんだけど、見た目の説明がほぼいっしょですね。
それ以外にも、
・繋げたら「遥か彼方」になる
・ヒトネくんがカナタくんの顔を見たときに動揺した
・性格が地味に似ている
・リオちゃんをタヨキミに入れたのがカナタくん、ムニカちゃんをキビアイに入れたのがハルカくん
などなど、伏線ガチガチに固めていたのですが。
考察で来るかなーと思いきや誰も気づかないというね。画面の前のあなたは、気づいていましたか?
遥か彼方っていうのは案外すぐバレるかなーって思ってたんだけどね。俺が隠すの上手ってことだ((?
実は、タヨキミの漫画やめた理由これです。今までハルカくんのキャラデザを出していなかったのも、カナタくんとの繋がりを隠すためですね。やっと俺はハルカくんを描いて投稿できるようになるんだあああああああ!!!!!!!!
イヌイくんの家族、ほんと無理。純粋なイヌイを返せええええええええええええ泣
俺のふぉろわが言ってたんだけど、親が宗教を信仰してるとこの子供って、人格を持たないで育つらしいの。でもイヌイくんは自分の意思で脱出してんよね。
やっぱ愛されたかったんやねきっと(←ちゃんとした理由考えてなくて草生える)
そしてこれも俺のふぉろわが言ってたんだけど(同じ子ね)、イヌイさんは、名前を自分に言い聞かせている感じに自己紹介する、って。
これは本当に当たっててすごいって思った!
イヌイくんはハルカさんがつけてくれた名前を大切にしていて、自分が『イヌイ』であることに誇りをもっているんですね。
ほら、お名前は、人生初の誕生日プレゼントって言うじゃん。いっしょいっしょ((
ほんまにハルイヌてぇてぇのね。。。
そしてハルカさんさ、どうやったらイヌイの目を縫おうっていう発想に至るの??
思考的には、
拾った可愛い少年の右目がなかった! → よし、自分の髪の毛で縫ってあげよう!
ってことでしょ?は?頭大丈夫?((言わんといてあげて
でもそういう狂気なとこがいいんだよね、ハルカさん。共感者いるだろ絶対に。
それでさ、イヌイくんの黒メッシュ、ハルカさんが染めてくれてたんだね。元は真っピンクってことか。
イヌイくんの髪の毛がピンクなの、我ながら天才すぎん?今さらだけどね。
今日はここぐらいにしましょうか。
また来週!感想考察待ってます!