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「……舞さんの部屋、行っていいですよね?」
非常階段に響いた黒瀬くんの声は、甘いおねだりのようでいて
その実、拒否権なんて一ミリも与えていない強制力があった。
私は潤んだ瞳で見つめられ、熱に浮かされたように頷くことしかできなかった。
数時間後───
私は結局黒瀬くんを連れて帰宅してきてしまった。
玄関に入ると、そのまま私を部屋の中へと押し込み
背後から首筋に鼻先を寄せた。
「舞さんも…やっぱり僕のこと好きですよね」
「……っ、誰が、黒瀬くんなんか……っ」
「口では何とでも言えます……なら、体に聞くのみですよね?」
彼は私のコートを剥ぎ取ると、リビングのソファに私を押し倒した。
昼間の非常階段で付けられた鎖骨の痕を、彼は今度は優しく、慈しむように舌先でなぞる。
その緩急のつけ方に、私の心臓はさらに激しく打ち鳴らされた。
「……ねぇ、舞さん。僕のこと、男としては見てますよね」
「……な、なわけないでしょ。後輩なのに…あんなの、一夜の過ちで…」
「本当ですか? ……じゃあ、念入りに探ってみますね」
彼は私のブラウスの裾から大きな手を差し込み、熱い手のひらで肌を直接愛撫し始めた。
熱い。
彼の指先が触れるたびに、頭の中が真っ白に塗りつぶされていく。
「…あ、っ……!んあっ♡♡黒瀬、くん…っ、そこ……」
「ここですか?……舞さん、ここが弱いんだ」
意地悪く目を細めて、彼は私の一番敏感な場所を執拗に攻める。
可愛い後輩の仮面は完全に消え、そこにはただ
一人の女を自分だけのものにしようと執着するケダモノがいた。
「……明日も、明後日も、ずっと僕のことだけ考えてください。…舞さんの頭の中、僕だけでいっぱいにしたい」
重ねられた唇は、呼吸さえも奪い去るほど深く、激しかった。
私はソファに沈み込みながら、彼の背中に爪を立てる。
教育係としての理性は、もうどこにも残っていない。
ただ、この甘い檻の中で、彼に暴かれる悦びに溺れていくだけだった。
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