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目が覚めると部屋の中で寝ていた。さっきまで森の中にいたはずなのに。
ふと、鏡
を見ると軽い素材でできた真っ白の服に汗がびっしょりついていた。そこから透けて見えるのは包帯でぐるぐる巻きにされた腹と背中だった。
ボロボロに解いたせいで広がった傷はまた縫われていた。ギィに叩かれた頬も、魔獣の噛み傷も手当てされていた。
なんとなくいつもの部屋が怖くなり、ドアを開け、廊下に逃げ出した。すると…
ベニマル「夢様!起きたんですね!」
夢「べに…まる…」
ベニマル「体調は大丈夫ですか?」
夢「う、うん…」
ベニマル「リムル様なら今会議室にいますよ 」
夢「会議室…?ベニマルは…」
ベニマル「丁度これから会議で、俺は資料を取りに行く途中で」
夢「そっか」
ベニマル「夢様が起きられたこと、リムル様にお伝えしておきますね」
夢「うん…」
そう言ってベニマルは離れていった。もう痛みは無くて、どうやら痛覚無効が発動しているみたいだった。
リムルは会議中、ギィは…今は会う気になれなかった。でも、誰かといないと気がおかしくなりそうで、結局ここに来てしまった。
ラミリス「夢、あんた覚醒進化したんだってね!」
夢「うん、」
夢「ごめん、ラミリス。少しだけそっとしておいてほしい…」
ラミリス「…いいけど、なにかあったの?」
夢「…うん。」
ラミリスには悪いけど、話しかけてほしい気分じゃなかった。壁に寄りかかり、そのままずるずると座り込む。
ラミリス「ギィのこと…?」
優しく話しかけてくるラミリス。
夢「うん…」
ラミリス「さっきね、ギィがここに来てたよ」
夢「そう…なんだ」
ラミリス「適当に話して帰っちゃったんだけどね。多分まだテンペストにいるよ?」
それは、会いに行かなくていいの?という意味なんだろうな。
夢「今は会いに行く気になれない…」
ラミリス「そっか」
その後ラミリスは私の希望通り、そっとしておいてくれた。3時間くらいだろうか、それくらい経つとリムルが迎えに来た。
ラミリス「あ!リムル!」
リムル「よ!ラミリス!ダンジョンの方はどうだ? 」
ラミリス「ふふん!それが聞いてよ!この前の売上が…」
リムル「お、いいな!それならここをこうして…」
リムル「っと、今日は夢を迎えに来たんだった」
ラミリス「夢ならそこの端っこに座ってるけど…」
リムル「うわ、ほんとだ。ほら、夢。帰るぞー」
夢「……」
リムル「はぁー…。夢〜?誰も怒ってないから早く戻るぞ〜」
ラミリス「なんかあったの?」
リムル「まぁ…色々な。後で話すよ。すまんなラミリス。夢の世話まで…」
ラミリス「いいってことなのさ! 」
夢「ごめんね、ラミリス。」
リムル「ほら、戻るぞー」
そう言って、私に向けて手を広げる。そこに渋々入るとそのまま抱き上げられ、そのまま迷宮内を出た。
リムル「なぁ、夢。」
夢「ん…」
リムル「もう、自分を傷つけるようなことするなよ」
夢「…ごめん」
その声は怒りよりも、悲しみと心配が混じった声だった。
今度は私の部屋ではなく、リムルの自室に連れて行かれた。
畳の上に置かれた小さな机(ちゃぶ台)の上にご飯が2つ置かれていた。
リムル「飯用意してくれてるし、食べてからにするか」
夢「うん…」