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『男子校が共学化したら女子が全員サキュバスだった件』の第五話です。
第五話:新手の刺客と、朱音の挑発
「……朱音、余計な首を突っ込まないでって言ったでしょ」白銀美咲の瞳から温度が消え、冷徹な殺気が廊下に立ち込めた。「だってさぁ、美咲が独り占めしようとするから気になっちゃって」朱音と呼ばれた小柄な少女は、クスクスと不敵に笑いながら俺の顔を覗き込んでくる。その小さな身体から発せられる熱気と甘い香りは、白銀さんとはまた違う、理性を直接揺さぶるような強烈な魅了(チャーム)の波動だった。「ねえ君。美咲の『お気に入り』にしては、すっごく緊張してない? もしかして……本当は魅了されてなんてなくて、無理やり従わされてたりする?」ゾクッ……!朱音の勘の鋭さに、背筋が凍りつく。サキュバスたちは一枚岩ではない。もし俺が「魅了の効かない特殊体質」だと完全に露呈すれば、白銀さんとの協定は破綻し、俺は全サキュバスの実験動物か餌食になる。俺はとっさに、白銀さんの腰に手を回して引き寄せた。「な、なに……!?」白銀さんが驚いて目を見開く。「……悪いな、朱音ちゃん。俺は白銀さん『だけ』の専属なんだよ。余計なお世話だ」ハッタリを貫くため、俺はあえて白銀さんに身を寄せ、朱音を鋭い眼光で睨みつけた。白銀さんは一瞬フリーズしたものの、すぐに意図を察したのか、真っ赤になりながらも口元に笑みを浮かべた。「……聞いたかしら、朱音? この子は私のものよ。手を引いて」「……ふーん?」朱音はつまらなさそうに唇を尖らせたが、その瞳の奥には妖しい好奇心が燃え続けていた。「へえ、そこまで言うなら今日は諦めてあげる。でもさ……」朱音は背中の大きな漆黒の翼を羽ばたかせ、ふわりと身体を浮かせた。「次のテスト期間、楽しみにしててね? 私たちサキュバスの『狩り』の本番は、男たちが疲れてスキができる時期なんだから」捨て台詞を残し、朱音は夕闇の空へと飛び去っていった。「……はぁぁぁぁ……」彼女の姿が見えなくなった瞬間、俺は白銀さんから手を離し、その場に膝をついた。「……タカシくん。さっきの手……ちょっと力入りすぎ」見上げると、白銀さんが顔を少し赤くしながら、眼鏡の位置を直していた。「悪かったよ。でも、こうでもしないと誤魔化せなかったろ……」「……まあ、そうね。足引っ張らないでくれて助かったわ」白銀さんはツノと翼を消し、いつもの澄ました顔に戻る。「でも、朱音が言ったことも事実よ。この学校の女子全員がサキュバスである以上、私の牽制だけでいつまで防げるか分からない。……タカシくん、覚悟しておいてね」共学化したこの学園で生き残るための戦いは、まだ始まったばかりだった。
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#ギャグ
梨本和広
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桜咲かな
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#学園
コメント
1件
うわっ、第五話もすごい緊張感でしたね…!朱音さん、新しい刺客として登場したけど、彼女の勘の鋭さが怖すぎる。「本当は魅了されてないんじゃない?」って核心を突いてきて、背筋が凍るシーンでした。でもそこでタカシくんが白銀さんの腰を引き寄せてハッタリを決める展開、めちゃくちゃ熱かったです!白銀さんが赤くなりながらも機転を利かせて乗ってくれたのも良いコンビ感が出てて。朱音の「テスト期間が本番」という捨て台詞も不気味で、続きが気になります。サキュバスたちの勢力図の複雑さがじわじわ見えてきて、設定の奥行きを感じますね。