そんなある日
アレア)あれ…主様が居ない……
主様の加減を見ようと辺りを探していたのだが…全く見当たらない
アレア)どこいったんだろ…
頬をポリポリと掻きながら中庭をぐるぐると回っていると…ボスキさんがいた
アレア)ボスキさん!!
ボスキ)あ?
アレア)主様とムーとアモンさんとナックさんが居ないんですけど…どこ行ったか知ってます?
ボスキ)え?あぁ…ソイツらなら今買い出しだぜ
アレア)買い出し…って、もしかして食事会の!?
ボスキ)あぁ
アレア)っそ…すっごい心配なんで行ってきますよ!!
ボスキ)あ?ナックがいるし平気だろ
アレア)いや…あの人も抜けてる所あるしアモンさんも!
ボスキ)あ〜…不味かったか?
アレア)とりあえず行ってきます!!
心配になり本を握って街へ向かう
シュタッ…トッ、タッタッタッ…
ボスキ)あいつ戦闘センスは良いんだがなぁ…
屋根を次々と飛び移って街へ向かう
街
アレア)クッソ…(不味い、天使の侵入がッ_)
本を開きとあるページを捲る
アレア)【サモン】
ページに手のひらを当てると激しく光り輝き…本はとある銃に変わった
アレア)【百鬼】
猟銃の様な見た目の銃が現れ天使の額や心臓に風穴を開けて行く
アレア)んもぅ!(力が出ないわ…)
この本は魔導服とは違い…所有者…つまり、私の命令にしか答えない魔導具
アレア)主様!!主様!!!
主様の名を呼び続けるが返事は一切ない
アレア)はぁ〜もう!!
舌打ちをして銃を手放し次に現れたのは5匹の狼
名を【五狼】
優秀な私のペット達だ
アレア)主様を探せ
狼は走り始め私も主様を探す
少しすると影から五狼の1匹が現れた
アレア)いたのね…案内して
その子以外の4匹を消しその子と一緒にとある
場所に向かう
少し向かうと狼は消え…壁に銃を突き付け5発
発砲
壁に亀裂が入り…目の前の壁は粉々になった
目の前の壁が無くなると…そこには天使が居た
アレア)チッ…
銃を手放しナイフに持ち替え天使の首を
掻っ切る
アレア)主様!!
先程までの冷たい顔からパッと笑顔に変わり
主様を抱き締める
主)あ、アレア…
アレア)〜♪無事で良かった♪
主)で、でも…アモンさんが…
アレア)え?
主が見る方を見ると…そこにはアモンさんが
ボコボコでグッタリとしていた
アレア)アモンさん!?え、何で!?
アモンさんを抱き寄せ傷の具合を眺めていると
モブ)チッ…おい遅ぇぞあく悪魔執事!!!
モブ2)お前らの存在価値は天使を殺すぐらいだろ!なぁ!!俺らを守れよ!
アレア)…主様?この耳障りな方々は何方です?
主)あ、えっと…ゆ、誘拐して…アモンさんを殴った…人?
アレア)あぁ、なんだ…ただの無能か
アレア)ねぇ貴方達
アレア)貴方達はもし私たちと同じような力があれば家族を守っていましたか?死ぬかも知れないのに?死んでしまうかもしれないのに?
アレア)命を賭けられますか?ていうか…賭けろよ
ナイフを握らせ私の首に刃先を当てさせる
アレア)少し力を込めたら私は殺せるぞ?
アレア)さぁ、私をあの憎き天使どもだと思って…殺してみなさい
主)アレア…
男共はナイフを手放し地面に倒れ込んだ
アモン)アレア…さん…すんませんっす…
アレア)帰りますよ、ナックさんには私から
言っておきます
ガタガタと身体を震わせながら情けなく絶望に叩き落とされたような顔を浮かべている
アレア)フンッ、アンタらは私達を犬のように思っているのかもしれませんが…私達悪魔執事が忠誠を誓っているのは主様ただ1人…我らが主以外はゴミも同然
アレア)何を言いたいか分かりますか?私たちは主を守るついでとしてこの街やあなたがたを守っているに過ぎません
アレア)主がただ一言【街なんか放って私だけを守りなさい】そう言えば私達は貴方方を容赦なく見捨て主さまの守護にあたります
傷だらけのアモンさんを抱き抱え「私の事はどう言おうが構いません…ですが、主様に次手荒な真似をした場合は…どうしましょうか?」
と、冷たく言い放ち主様とムー、アモンさんを屋敷に連れて行き…ナックさんと合流し屋敷に帰った
アレア)ゲホッゲホッ…ゴホッ…
ベリアン)無理した様ですね…
アレア)あ”〜…すんません、暴れすぎました……
階段に座り込み顔を隠す
ベリアン)貴方の魔導服がもう少し扱い易いものにならばいいのですが…
アレア)いやぁ…無理っすよ笑
壁にコツンと頭を任せる
アレア)少し、…寝ていいですかね……
ベリアン)はしたないですが…まぁ、良いでしょう
アレア)すみません…笑
余りにも倦怠感とかが凄くて少し…
ウトウトっとしてしまい…気付けば完全に
眠って居た
ベリアン)フフッ…お疲れ様です、
部屋に行きましょうか
ベリアンさんは私を抱え部屋に向かった
翌朝
アレア)あぅ”〜…(不味い…キツイ…)
体を起こし身嗜みを整えて部屋から出る
アレア)(疲れた…ホント)
昨日の戦闘の疲れが抜けず少し疲労が残った
顔色を何とか悟られぬ様に仕事に励む
お昼
アレア)(無茶するべきじゃなかったかぁ…笑)
中庭で少し高い木に登って街を眺める
アレア)…(やっべ昨日暴れ回ったせいでえらいことになってらァ…)
そんな風に眺めていると…
ハウレス)アレア
アレア)??どうしたんすか?ハウレスさん
下からハウレスさんに声を掛けられパッと
降りる
ハウレス)お前、昨日暴れたらしいな?
アレア)まぁ…ほら、天使現れましたし
ハウレス)…お前は病弱なんだから余り無茶をするな
アレア)すんません…
不貞腐れた表情を浮かべるとハウレスさんは
軽く笑って私の頭を優しく撫でた
アレア)!!
ハウレス)今回は主様を守って執事を守り市民を守った、叱るのはここまでだ
ハウレス)だが、次からは無茶をするな
アレア)すみません…笑
ハウレスさんは私に軽く説教をして…私は切り替えようと本を握りボスキさんの場所へ向かう
訓練所
ボスキ)いきなりだな?どうした?
アレア)もっと体力つけたくなったんすよ、気が引けるかも知れませんが…
付き合って下さい、ボスキさん
ボスキ)お前素の戦闘がそもそも高いってのを自覚しろよ…魔導具で天使と殺り合うぐらいだし…
アレア)そうですかね
私と彼は互いに武器を構え…互いに向かう
数時間後
アレア)はぁッ…はぁッ…(あっつ…)
汗を拭いながらボスキさんを見据える
ボスキ)まだやるか?
アレア)ま、まだやれます…
上着を脱ぎ白シャツの裾を捲る
ボスキ)…!?///
アレア)??どうしたんですか?ボスキさん
ボスキさんは先程よりも顔が真っ赤に染まり顔を背けた
アレア)??
ボスキ)お、おまッ…女なのか!?
アレア)はぁ?何言ってんすか
ボスキさんは顔を背けながら私の体を
指さしてくる
アレア)…??
体を見ると…そこには下着を微かに透かしている白シャツの姿が…
アレア)…へぁ?!///
上着を羽織り思わず胸部を隠す
ボスキ)おまッ…っそだろ!?
色々あり…少し落ち着いてから
ボスキ)で、マジで女なの?
アレア)…はぃ……(あ、圧が…圧が凄い…)
ボスキ)え、ずっと?
アレア)まぁ、そうっすね…
ボスキ)一緒に風呂入らないのも?着替えを俺らの前でしないのも?全部?
アレア)女…ですからね
ボスキ)なんで隠してた?
アレア)まぁ、突っ込まれないし…家無いし…
バレたら金を盗んで過ごしてやろうかなぁと
考えていたので
ボスキ)…マジ?
アレア)まぁ、今じゃ主様がいるのでそんなこと出来ませんししませんけど
アレア)と、言うか…普通にこの生活が好きなので、まぁ出て行けと言われたら
退職金要求 して大人しく出て行きますけど
ボスキ)他の奴らは…?
アレア)ルカスさんに…少し前に…
ボスキ)と、俺?
アレア)結構…マジですね
ボスキ)チッそういうことかよ、やけに筋肉も何もつかねぇなと思っていたが…
アレア)まぁ…女の特性ですね笑筋肉が
着きにくのって
ボスキ)ったく、にしてもお前バレ過ぎだろ
アレア)今度から下着付けるのやめよ…
ボスキ)やめろよ?お前…
ボスキ)…あれ、お前その服どうやって作ってもらったんだ?
アレア)え?あぁ…服越しから測って
もらったんです
ボスキ)そういうことか…
ボスキ)ったく…なんでそういうの黙るかね?
アレア)いやぁ…男だと勘違いしてるし…別に
指摘しなくてもいいかなぁと…
ボスキ)バカか、男の巣窟に女を放り込んでるなんて誰も想像出来ねぇだろ
アレア)まぁ、バレなきゃ問題ないと思ってた人なので
ケロッとした顔でそう言うとボスキさんはデカデカと大きな溜め息を吐き…
ボスキ)良いか、この事はちゃんと話せ
と、ハッキリと言ってきた
アレア)まぁ、話しても…良いかなぁとは
思っては居るんですけど…ほら、 主様の事も
ありますし
ボスキ)主様にも含めて全員に話せ
アレア)…
ボスキさんは私に色々言うものを言って
満足したのか「部屋に行って考えろ」と言って帰らされた
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