「この記事、なに?」
咄嗟に振り返ると、人波を割って 佐伯(さえき)が近付いてくる。
(う、うそ……!)
動揺して目を逸らした時、彼が傍で立ち止まった。
「……聞きたいことがある。ちょっと来て」
たじろぐ私の手首を掴み、佐伯は人がいない方へ歩き出す。
「ちょ、ちょっと待って 来てって、どこ行くのっ」
慌てて腕を引いても、力じゃ敵わずどんどん引きずられていく。
「きゃぁぁ、なにー!? 」
「望月が佐伯さんに連れていかれたぞ!」
まわりからの声に、体がかっと熱くなった。
喧騒(けんそう)から離れたところで、佐伯は手を離し、ゆっくりこちらを向く。
顔を合わせるのは数週間ぶりのこと。
まともに目を見られずにいると、彼が私にスマホをつきつけた。
「これ」
見せられた画面には、「○×ショッピングモールでカップル大健闘!」のタイトル。
その下に私が侑に抱き上げられ***********************
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