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.:・.。. .。.:・
「さぁ、ここよ!」
藤子はメビウス社の地下一階の資料室のドアを開けて電気をつけた、その後ろからジェニと真紀が入ってくる
「どうして?1階のここの資料室は鍵がかかってないの?」
「外からは鍵が出来ないけど、中は鍵がかけれるようになっているわ、ランチ後にゆっくりとお化粧直しを出来る所を探してるって、守衛さんに聞いたらここを使っていいって言ってくれたの」
ジェニが感心したように周りを見渡す
「真紀ちゃん、ここのWiFiでファイルを開いてみて」
「ハイ」
真紀が一泊は出来そうな大きなマザーズバッグからノートパソコンを取り出して起動させる、14型のノートパソコンとベビー用品を持ち歩くのは結構な荷物だ、電車通勤の真紀が家で仕事が出来たら、どんなに楽だろうにとジェニは思った
「やったっ!!開けました!ここなら作業できるわ!」
「それともう一つ」
藤子がファイル棚から一番下の大きめの空のファイルを一段、引っこ抜いた
そして真紀のマザーズバックから除菌シートを取り出し、中身を丁寧に拭いてから、麗華のベビー毛布を敷き詰めて、その上に麗華を寝かす
「ほ~ら!即席ベビーベッドの出来上がりよ!」
得意そうに藤子が胸をはった
「わあっ!!すごい!すごい」
真紀が拍手した、まるで麗華のためにあつらえたように、麗華は気持ち良くスッポリ収まって、ニコニコしている
「気に入ったみたいよ、レイたん♪」
「どう~?レイた~ん!快適でちゅかあ~??」
ジェニも麗華に「いないいないばあっ」とあやす、途端に麗華がケラケラ笑う
「今日からここでレイたん、ママと一緒に過ごせるわよぉ~!よかったね」
「ここで仕事をするの?レイたんを連れてきてってこと?」
ジェニと真紀が驚いた
「大丈夫!レイたんの保育園が再開するまでの一週間だけよ、絶対バレないわ、出入り口は私が守衛の佐々木さんにかくまってもらうようにお願いしたげる、最近私達すっかり仲良しなの、佐々木さんもお孫さんが最近生まれたんですって、だから絶対味方になってくれるわよ」
「本当に誰とでも仲良くなるのね」
「でも・・・もしバレて、あの首切り社長を怒らせて、人員削減が進んだら・・・私みんなに申し訳なくて・・・」
真紀が心配そうに言う、たしかにそうだ、観葉植物と熱帯魚とハムスターを見ただけで松下竜馬は血管が切れそうなぐらい怒っていたのだから、赤ん坊の麗華を見たら心臓発作を起こしかねないし、遂には社員全員解雇するかもしれない
また彼の事を考えると心臓が早鐘を打つ・・・しかし背に腹はかえられない、今や神崎広告代理店は真紀のデザイン無しではまったく機能しないのだから
「大丈夫よ!一週間ぐらい!みんなで協力してかくまってあげればバレないわよ、それじゃ、ここで真紀ちゃんは毎日レイたんを連れてきて作業してくれる?私達はあなたを全面的に支援するわ」
「ハイ」
真紀が嬉しそうに返事した、ジェニが言う
「ただし、くれぐれも誰にも見つからないように気を付けてね!」
「ハイッ!」
.:・.。. .。.:・
その時資料室のドアの陰に一人怪しい人物がいた
メビウス社の氷の鬼財務部長「浜田宗一郎」だった、彼は資料室にいるジェニ達を見て、銀縁の眼鏡をクイッと上げてボソッと一言呟いた
「何をやってるんだアイツら・・・」
.:・.。. .
コメント
1件
うわ、この第20話、めちゃくちゃ良いシーンですね!藤子さんの機転で即席ベビーベッドが出来上がるところ、もう感動しました。麗華ちゃんがニコニコしてる様子が目に浮かんで、思わずこっちまでほっこり。それにしても、最後の浜田部長の登場が不気味で…「氷の鬼」にバレたら一発アウトなのに、味方になってくれる可能性もワクワクします。どうなるんだろう、続きが気になる!