テラーノベル
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ルカとヒナは少女を匿い、話を聞くことにした。
ルカが優しく質問をする。
「…まず、名前は何かな?」
「えと、菓子です」
「菓子…いい名前だね。」
ルカがそう呟くと、菓子の目が少しだけ明るくなる。
「ありがとう、ございます!」
子供の、純粋な目
(…長らく…悪意にしか触れてなかったから、少し新鮮かもなぁ。)
「…はは、怖かったよね。」
「…ルカ兄ってそんな不器用だったっけ?」
「はぁ!?誰が不器用だよ誰が!」
「この人いっつもそういう感じなんだよ〜菓子ちゃん!」
「ちょ、おい!!」
そんな2人を見て、菓子は思わず笑ってしまう。
あっ、と思わず口を隠そうとするが、二人は咎めることもせず、楽しそうに菓子の方を見た。
(…笑うと、良くないのかな?)
ヒナはそう思い、菓子に尋ねる。
「…菓子ちゃん、お家では何があったの?」
ヒナはそう聞いた。
菓子は凄く言いづらそうに、答える。
「えと、りぃん・しすてむ…?っていうのがあるじゃないですか。」
ルカは相槌を返す
「…それを手に入れよう、って、おとうさんとおかあさんがおかしくなっちゃって。」
「…2人とも、凄くやさしかったんです、でも」
ヒナが菓子の震える手を両手で優しく包む。
明らかに怯えているようであった。
(…ふーん、リィン・システムのせいで、両親がおかしくなっちゃったのかぁ。)
ヒナは考える。
(…なら、笑った時に慌てて口を隠したのは…関係ないか。)
「しにたくない、とか、私を売る、とか、こわいことばっかり言い始めて」
「…う、売る!?」
ルカは心底驚く、リィン・システムが、そこまで人を狂わせてしまっていることに
「だ、だから、にげてきたんです。」
「…なら、しばらくはおとうさんやおかあさんとは離れて暮らした方がいいね。」
ルカはそう言う。
「は、はい。」
「で、でもどこに住めばいいのか、わからない…」
菓子は少し瞬きをしながらも、キラキラとした目をルカに向けてくる。
(…ここに住みたい…のかな?)
ルカはそう思い、少し考えたのち_提案する。
「…ここで住もっか!」
菓子は、ルカの言葉を聞くと安心したかのように顔の強ばりや手の震えが徐々に落ち着いてくる。
「…はい…!」
「ありがとうございます!!」
菓子は、子供らしくにっこりと笑った。
ルカはそれに微笑み返し、少し考える。
「そうだ、ケーキは好きかな?フルーツケーキを出すよ。」
「いいんですか…!?」
「ありがとうございます!!」
___
レイラーは考えた。
(…リィン・システムは、確実に恐怖を生む種になってる…。)
(……サンプルをいくつか見よう見まねで作って、ラットで試してみたけど…どれもタヒんでしまった。)
(…何故?)
(……何が違う?)
(…人間は、なんでも出来たはず…それなのに…)
(…どうして、再現出来ないの?)
研究に没頭するレイラーもまた、頭を抱え続けていた。
再現不可能なリィン・システムを、生産する方法を模索しようとしていた。
(…自分で試すのは…怖い。)
(…私はリィン・システムを完成させるまで、
タヒぬつもりはないから…)
「…リィン・システムの根幹に関わる財閥は居ないのかな…。」
レイラーがそう呟く。
途端、扉がコンコンと叩かれ、メイドが入ってもいいか聞いてくる。
「どうぞ!」
レイラーが慌ててそう答えると、メイドが入ってくる。
「…リィン・システムの研究、どうでしょうか…?」
「…全然ダメです。」
「…どうやっても、作動すらしないガラクタが生まれるばかり。」
「…そう、なんですね…。」
メイドはうぅん、と少し考え込むと、意を決したように切り出す。
「レイラー様に、会談という形ではなく、密会といった形で会いたいと言う者が居まして。」
「その方もまた、リィン・システムの研究に関わっているようなのです。」
「…レイラー様とは違う観点でして。」
「なるほど、財閥の名前は?」
「”御前崎財閥”です。」
「…手紙を預かっています。」
メイドはそう言って、手紙を差し出してくる。
「…ふむ。」
イロニア財閥 当主様へ
まず、この手紙を見ていただき、誠に感謝申し上げます。
結論から申し上げますと、当主様と個人的にお会いしたいのです。
リィン・システムを研究しているのは私しかいないと思い込んでいた。そんなところに、当主様の存在を知ったのです。
「当主様のご都合に合わせますので、ご検討のほど、よろしくお願い致します。」
「…なるほど、会談ではなく、個人的に…」
レイラーは手を顎あたりに当てる。
「はい、御前崎財閥当主様が何を考えているのかは分かりませんが…。」
「会ってみましょうか。」
レイラーは伸びをしながら、そう答え、頷く。
「…殺されたとしても、リィン・システムがありますし。」
「何より、どういった観点でリィン・システムを見ているか、純粋に興味がありますので。」
メイドはそれを聞くと
「分かりました、それでは、こちらから手紙を送ります。 」
___
「…こうやって送ればいいんだよね。」
暗い自室に閉じこもる女がニヤリと笑う。
「…身分を偽るのは良くないことだけど…面白い意見を聞くこと以上に目的はないからね 」
_木製の机に頬杖をつく。
「上層部しか持たない”リィン・システム”」
置かれた本を、1ページめくる。
そうして再度、彼女は笑みを浮かべた。
窓の隙間から差し込む光を見やる。
「…一般人全員が持っていないと思わないことだね。」
そう呟き、彼女は研究に戻っていった。
_全ては、リィン・システムのために。
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Mist-404
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