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昨日、課長に抱かれました

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昨日、課長に抱かれました

104 - 病み上がりの課長~『昨日、課長に抱かれました』こばなし~

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2024年12月18日

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――まったく、おれとしたことが。


せっかくの七連休を前に。……こんなことになるとは。


ところが、ベッドサイドに座り、おれの髪を撫でる莉子は、なんだか嬉しそうだ。課長が気を緩めた顔見せるなんて珍しい、なんて言って笑う。――莉子。


おれは、本当は、きみの前では常に格好いい男でいたいんだよ。本当に。


だけれど、きみは、それを許してくれない……。おれに、素の姿をさらせと。いや、……自然と引き出されてしまうのだ。


きみのことを想うと胸が苦しい。両想いになっても、どうにも……どうにも。きみのことを想うだけで胸が張り裂けそうだ。


実を言うと会社で鉄面皮の顔を貫くのに苦戦している。きみを見るとついつい、頬が緩んでしまう。……が。公私混同など言語道断。なので、例え、会社の面子におれたちの交際が露見したとて……いや。莉子と結ばれた週明け早々に、バレそうになり、おれが交際宣言したんだっけな。やけに、あのときは、騒がれた。


騒がれた……。


「――課長」


「あんまり傍にいるなよ」しかし、おれは、きみの手を振り払えない。「……移りでもしたら大変だ」

するときみは、おれの胸板に顎を乗せ、いたずらに笑い、


「課長の風邪なら喜んで貰いたいくらいです。――キスして」


おれは首を振った。「……きみの上司としてそれは許容出来ない」


「――なら。恋人としては……?」


うるんだきみの瞳に欲情を見た。汗をかいたこのからだ。シャワーを浴びなくては、という抑制が一旦は働いたものの、魅惑的なきみの誘惑から逃れるほどの威力は持たなかった。気が付けばおれは――むき出しにされ、ほおばられていた。


「――あ。……莉子。……っ」


病み上がりと言うのも手伝ってか。やけに、感度が強い。いつもより感じる。やばい。


「課長……おっぱい、びんびん」おれのあれをはむはむしながらきみは上目遣いで、「そっちも舐めたげようか……ねえ。しこって欲しい?」


「い、い、いや……」おれは首を振ったのだが。強く――思いのほか強く握られ、顔が歪むのが分かった。苦痛とないまぜの快楽。教え込んだのは――誰だった?


見事なまでに、きみは、正確に、おれを、導いた。――きみを初めて愛しぬいた夜のことを思い起こした。きみの献身ぶりが――。

数えきれないほどに射精しながらもおれはあえいだ。「莉子……莉子。莉子。莉子。おれの莉子……。きみのなかに、入りたい……」


苦悶するおれの頬を両手で挟み込み、鼻先に熱い息を吹きかけるきみは、


「いいよ」


サイドテーブルに、いつから、あれが必需品になった? きみが――来てから。きみを知るまで、女性なんて……真に、愛したことがなかったのに。


本当に人間を愛することの尊さを教えてくれたのは、きみだ。莉子。


きみがいるからおれは――


慣れた手つきでおれのあれにそれを装着すると、きみは、おれに覆いかぶさった。――いつになく、大胆なきみが、愛おしい……。


「あ、あ、あ……莉子。莉子ぉっ……っ」


――実に、感じる。非情なまでにおれを追い込む、きみのあたたかい場所。一緒になることで……ひとつになることで、目の前に火花が散り、視界さえ滲むのだ。


「あ、あ、あ……っ。あっ……ああああっ……!」

いつもなら抑えられるのに。どうしてだろう。熱の余波か……それとも、積極的なきみに魅了されてのことか。きみの最奥に辿り着く前に、恥ずかしいことに吐きだしてしまった。しかし、きみの動きは、止まらない。


「……く。駄目だ……莉子。それ以上は……っ」


しかし、きみは、手早く引き抜き、必需品のティッシュでくるむと第二弾。さくっと装着し、ずぶずぶと、腰を……沈めていく。――ああ。あ、あ……!


頭が、おかしくなりそうだ。目の前がくらくらする。


「……む。無理だ。莉子。莉子。莉子……っ。頼む……っ」おれは涙ながらに首を振った。「駄目だ。普段より感じる。おれは……もう、止められない。止めてくれ……頼む……!」


「――舐めて」


おれの髪をやさしく掴み、見下ろすきみは、神々しかった。そして、おもむろに、自分の感じやすい部分を、おれの口に突っ込む。――容赦なく舐めてしまうこの反射神経。性とは愛だと誰が教えた? 決まっている。


この世の、神だ。


まごうことなき、おれの、女神。――莉子。

莉子は。過激なまでにおれを追い込み、何十回とも知れぬエクスタシーの世界におれを追いやることに成功した。


* * *


「……まったくきみと言ったら……」


「えへ」


あれから、一緒に風呂に入り、疲れたからだを休めている。相変わらずきみは、おれのことが好きなようで、マグネットみたいに、おれに、ぴったりと引っ付いている。……高級ベッドを買ってよかったな、とこういうとき思う。


「……にしても。ご実家に行くつもりだったのに、ごめんな。せっかくのGWなのに……すまない。おれの体調管理不足で……」


「水臭いなぁ課長」ぷに、ときみはおれの鼻を摘まむと、「風邪なんて誰だって引くんだし。こないだわたしが寝込んだときは、課長は、泊りがけでわたしの看病をしてくれたじゃないですか。恋人……なんですから。気なんて遣わないでください。実家なんていつでも行けるんですから。……それより」


ふ、と思いのほかきみは妖艶な笑みを浮かべると、


「――せっかくの七連休。愛欲の波に、わたくしと溺れるのはいかがでしょう」


結局おれは、きみのことを愛することを、やめられない。


昨日、課長に抱かれました

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