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それからしばらく先生からの連絡は途絶えた。
私は毎晩泣いて過ごした。
泣くたびに先生の笑顔とキスした時の感触が脳裏に浮かんで余計に涙が止まらなくなった。
気づけば先生と約束した土曜日はもうすぐそこに迫っていた。
本来に私なら土曜日が楽しみでとてもワクワクしていただろう。
目黒)〇〇、大丈夫?目、めっちゃクマできてるけど…、
〇〇)ごめん、最近寝れなくて。心配しなくて大丈夫だから、
目黒)そう、寝れない時はいつでも俺に電話してきていいからね?
〇〇)うん、ありがと…
優奈)最近本当に元気ないけど大丈夫なの?
今や、私と目黒君が付き合っているということは学校中に広まっていた。
〇〇)大丈夫!最近ゲームにハマっちゃって、寝不足なだけ!
優奈)ほんとに?でも、涙の跡とかあるけど?
〇〇)あっ…、こ、これは、よく感動する映画とか見てるからで…!
優奈)ふーん…、そういえば最近阿部先生もぼーっとしてるよね。
優奈が教卓にいる阿部先生を指差す。
先生は教卓でウトウトしていた。
じっと見ていると、不意に目を開けた先生と目が合ってしまった。
私は慌てて目を逸らす。
優奈)…なんかよくわかんないけど2人とも無理しないでよね。
授業中
先生)で、これはこうして。そうしたら…
〇〇)(あれ、なんか頭がぼんやりする…)
先生)で、これを…して…
〇〇)(意識が…遠のいて…)
ガターン
そこからの記憶がない。
起きたら保健室で横たわっていた。
〇〇)あれ…、なんで私ここに…?
保健室の先生)あら、起きた?
保健室の先生)あなた、1時間ぐらい前に貧血で倒れたのよ。
時計を見ると時刻は1時を過ぎた頃だった。
保健室の先生)前田さんがここまで運んできてくれたのよ。
〇〇)優奈が…
保健室の先生)気分はどう? 一応〇〇さんのお弁当も持ってきてもらったけど食べる?
〇〇)あ…、今はあんまり食欲ないのでいいです、
保健室の先生)そう、じゃあもうちょっと休んでなさい。
〇〇)はい、
保健室の先生)あ、あと隣にもう1人寝てるから起こさないようにね。
先生が指さした方向を見ると隣のベッドで阿部先生が気持ちよさそうに寝ていた。
〇〇)うわっ、阿部先生⁉︎
保健室の先生)なんか、あなたが来る2時間前ぐらいに運ばれてきてね。貧血で倒れちゃって。よっぽどお疲れなんでしょうね。
〇〇)…
アナウンス)中西先生(保健室の先生)、中西先生、至急職員室までお越しください。
保健室の先生)あら、ごめんなさい。呼ばれちゃったみたい。2、30分で帰ってくると思うから、寝てていいよ。
〇〇)えっ、先生行っちゃうんですか?
保健室の先生)大丈夫ー、すぐ戻るから、
そう言って先生は保健室を出ていってしまった。
隣を見ると阿部先生が可愛らしい顔で寝ている。
私はふらりと先生に近づいた。
〇〇)先生…
先生の顔に触れる。相変わらず先生は寝息を立てている。
〇〇)先生、ごめんなさい、
私の頬を涙が伝う。
〇〇)私、先生と話せなくて、会えなくて
〇〇)…寂しくて、
先生の顔に私の涙が落ちた。
〇〇)先生はまだ私のこと好きでいてくれてますか、
〇〇)私はまだ先生が好きですっ、
私は先生のおでこに唇を落とした。
阿部side
起きると〇〇が隣で俺の手を握ったまま寝ていた。
阿部)〇〇…?
〇〇はいつもの可愛らしい顔でスースーと眠っている。
久しぶりに〇〇の顔を近くで見た気がする。
阿部)〇〇は俺のことどう思ってるの?聞かせてよ。
俺は〇〇の顔を見つめながらポツンと呟いた。
阿部)俺、〇〇に別れようって言われてから悲しくて、寂しくて、夜も寝れなかった。
俺の頬を涙が伝った。
阿部)目黒と付き合ってるって聞いた時、〇〇は俺より目黒の方が好きだったんだなって思った。すごく悲しかった。
阿部)俺は〇〇が1番だったのに…、
〇〇の頭を優しく撫でる。
阿部)ごめんね、俺に好きって言われて迷惑だったよね、
俺は〇〇の唇にキスをした。
保健室のカーテンがふわりと揺れた。
おわりっ!次回は仲直りとかにしようかな…
明日出します。