起きたらもう先生はいなかった。
保健室の先生がいつの間にか戻ってきていて、机の上で何やら作業をしていた。
〇〇)…阿部先生は…?
保健室の先生)あら、起きた?阿部先生なら1時間ぐらい前に仕事に戻られたわよ。
〇〇)…あ、そうなんですか…
保健室の先生)調子はどう?もう授業は終わったけど帰れそう?
〇〇)だいぶ元気になったし、帰ります。ありがとうございました。
ブレザーを着て荷物をまとめる。
保健室の先生)そういえばさっき目黒君がきたわよ。
〇〇)え?目黒君が?
保健室の先生)すごく、心配してたけど…、まだ待ってるんじゃないかしら。
〇〇)そうですか、
上靴を履く。
〇〇)じゃあ、ありがとうございました。
保健室の先生)はーい、お大事にー
教室に置いてきたリュックを取りに行こうと階段を上がる。
教室の扉を開けると人影があった。
〇〇)阿部先生…?
阿部)あ…
阿部先生が私の机に近づいて何かしていた。
〇〇)なに、してるんですか、
私は阿部先生の方に歩み寄る。
阿部)だ、だめっ。これは見ないで、
先生が何かを後ろに隠した。
〇〇)何隠したんですか?
阿部)これは、、関係ないから、
〇〇)でも、私の席におこうとしてたじゃないですか。
阿部)…、
阿部先生が口ごもる。
〇〇)出してください。
先生が渋々出した手には高級そうな小さな紙袋が握られていた。
〇〇)…? なんですか?これ、
阿部)…指輪、
〇〇)…え?
阿部)明日、行く予定だったけど渡せなくなっちゃったから今渡したかったの、
顔を真っ赤にして拗ねたように俯く阿部先生。
阿部)ごめん、もう話しかけないつもりだったんだけど、これだけ受けとって欲しくてっ、
先生は私の胸に紙袋を押し付けて慌てて出て行こうとした。
〇〇)っ…!あの、!私も阿部先生に渡したいものがあります、!
私は鞄に入っていた紺色の紙袋を取り出した。
〇〇)ネックレスですっ、先生とお揃いにしたくてペアにしたんです、!
先生が紙袋を覗き込む。
阿部)俺のために買ってきてくれたの…?
私は必死で頷いた。
阿部)嬉しいっ…((泣
〇〇)ずっと渡すチャンスなくて、渡したかったんです、!
阿部)でも、〇〇は俺のこと嫌いになっちゃったんじゃないの?
〇〇)それが…
事情を聞いた先生はほっとした顔をした。
阿部)よかった、俺嫌われちゃったのかと思ってた。
〇〇)そんなわけないです、
阿部)待って、ちゃんと指輪つけさせてほしい。
先生が私の持っていた紙袋から正方形の黒色のケースを取り出した。
蓋を開けると中には夕日を浴びて光り輝く小さな透明のの宝石が付いた指輪が入っていた。
〇〇)わぁ…、綺麗…
阿部)〇〇って誕生日6月でしょ?だから6月の誕生石を選んだの。
阿部)ちなみに意味は「恋人たちの石、愛を伝える」 俺の〇〇への思い、
先生が私の右手の薬指に指輪をはめてくれた。
〇〇)もう薬指なんですか?
阿部)右手の薬指は婚約した時につけるの。
阿部)いつか将来〇〇と結婚するって意味も込めてね、
阿部)将来、ちゃんとしたの渡させて?
私は先生に抱きつく。
阿部)わっ…//
久しぶりの先生の感触と匂いに心が満たされていく。
阿部)目黒に…怒られちゃうよ…?
今はもうどうでも良かった。阿部先生の体温を感じているという事実だけで私は幸せだった。
阿部)…〇〇は俺のこと好き?
私のすぐ耳元から先生の声が聞こえた。
〇〇)私が今1番好きなのは先生です…!
阿部)んふふっ、俺も〇〇が1番好き、世界で1番ね。
先生が私のほおに触れる。
阿部)キスしてもいい…?
私はコクンと頷いた。
先生と私の唇が重なる。
先生とのキスはやっぱり安心する。
唇が離れた。
阿部)さっき目黒にキスされたって言ってたよね?
先生の目の奥がキラリと光った気がした。
〇〇)阿部先生…?
阿部)俺、怒ってるよ?何キス許してるの?しかもディープなんて、
〇〇)ごめんなっ…⁉︎//
先生の舌が私の中に入り込んできた。
離そうとするけど頭の後ろに手を回して離してくれない。
〇〇)んっ…!//
着いていこうと必死に舌を動かす。
〇〇)んっ!苦しいっ
先生を優しくおし離した。
阿部)…嫌だった?
〇〇)…嫌じゃない
阿部)よかった、俺も。
〇〇)あの、先生!明日一緒に行けませんか?
阿部)もちろん、
〇〇)やった、
2人で顔を見合わせて微笑み合う。
指輪がキラリと光った。
ごめんなさい。出すの遅れました。次回は先生との初デートです!
明日から旅行なのでしばらく出せないと思います。ご了承ください。
コメント
1件
続き待ってますぅううう