お嬢様、果報でございます

　愛華は海から来る風を浴びながら、これから先のことを考えていた。
　自分が一橋とキスをするのはもう決まっている。それが急にしないことになるのはあり得ないだろう。
（私は断らないし、恭介は自分から言ったんだからいきなりしないなんて決定をするとは思わないし……。ああ、そうか……私もキスをするんだ。いつもは漫画の中で見るだけで憧れていたあのキスを……。
　そういえばキスの後は何をすればいいんだろう？
　というか、正しいキスってなんだろう？
　唇を合わせた後に自分の手はどこに置けばいい？
　キスした後はなんて話せばいい？）
　愛華の中でキスに関する疑問が積みあがっていき、混乱を呼んで来る。自分が何をすればいいのか頭の中でグルグルと回って答えが出ない。
（あ、そうだ……スマホで調べれば……）
　愛華はその時、スマホをわざと置いて＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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