テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
家にてーー
スマホを見つめて、少しだけ迷う。
💙『飲み終わったら迎えに行くよ』
送信。
数分後。
❤『え、いいの?お願いしようかな』
すぐ返ってくる返信。
その素直さが、嬉しいのに。
どこか、引っかかる。
──────────────
店の前。
扉が開いて、数人の笑い声と一緒に涼太が出てくる。
頬が少し赤い。
❤「翔太ぁ〜!」
ふにゃっと笑う。
❤「お迎えありがとううー!じゃあみんな、
バイバーイ!」
手をぶんぶん振っている。
その姿を見て、胸がちくっとする。
“みんな”に見せるその顔。
助手席に乗り込んできた涼太から、ほんのりアルコールの匂い。
💙「……楽しかったか?」
❤「うん!!」
❤「みんないい人でさぁ」
シートベルトをしながら、楽しそうに話す。
❤「来週はゴルフも誘われちゃったよ〜」
ハンドルを握る手が、一瞬だけ強くなる。
💙「え?来週も? 」
❤「え、うん……?」
車内が静かになり、
エンジン音だけが響く。
💙「……」
言いたいことは山ほどある。
でも。
💙「ねぇ、涼太」
❤「ん?」
💙「……やっぱなんでもない」
言えない。
束縛みたいで。
重い男みたいで。
❤「え、気になるじゃん。言ってよ〜」
くすっと笑いながら、翔太の腕を軽くつつく。
その無邪気さに、限界が来る。
💙「涼太……俺の気持ち、気づかない?」
❤「え……」
本気で困った顔。
❤「えーーっと……」
その“わからない”顔が、刺さる。
💙「もういいよ」
視線を前に戻す。
❤「言ってくれなきゃ……わかんないよ」
その声は、さっきより少しだけ真剣だった。
でも。
💙「……」
今さら、何をどう言えばいいのか。
“俺を優先してほしい”
なんて。
情けなさすぎる。
車が家の前に止まる。
💙「ほら、着いたぞ」
💙「また明日な」
目を合わせない。
❤「翔太……」
その呼び方が、いつもより小さい。
聞こえないふりして
アクセルを踏む。
バックミラーに、小さくなる涼太の姿。
💙「……寂しいのは俺だけか」
ぽつりと、呟く。
つづく。