魔除は、ジャングルの中を突き進んでいた。安林と不知火の姿はすでにない。なぜならー、
「迷子なったしー!最悪なんだけど?もースカートもボロボロになったし、真白ちゃんも見つけられないし…」
その時、妖牢獄に魔除も到達した。ボロボロの扉だが中は相当広そうだ。
「これが……いってみるかー」
魔除は妖牢獄に入ると、7つの道から、青いロウソクが照らす廊下を選ぶ。すると、すぐに廊下はなくなり、下に暗闇の穴が続いていた。薄暗い蒼い光が少し下を照らしているぐらいだ。
「どうなってるの…?この牢獄…!」
「おおー?別のプレーヤーかー。」
そこに現れたのは、真白を見失った咲耶だった。妖を何体か倒したのだろう。服が返り血で血まみれになっている。
「おい、お前白髮の女、知らねえか?」
「……それ、真白ちゃんじゃない!?」
「…もしかしてお前もそいつを探しているのか!?」
「うん…おっさん、ここは、協力しよ!」
こうして、二人は同盟を組んだ。
魔除たちが、穴に飛び降りると、とんでもない広さの空間ー、いや、違う。巨大な湖。湖が壮大な蒼い煌めきとなって、牢獄の中に輝いている。不思議な蓮の葉が白く発光し、天井から滝のように水が流れ落ちている。そして、何ということだろうか。幻想的、それでありながら現実の景色であることを疑うような豪華な宮殿が存在している。こんなものを誰が作ったのだろうか。咲耶も驚いているようだ。
「なんだ……俺が看守をしていたとき、このような階層はなかったな……もう、ここは俺が知っている建物ではないようだ。気をつけていくとするか…」
宮殿へと続く路に降り立つ。木造の路を和式の行灯が照らす。その時、近くの水面が膨らみ、音を立てて半魚人のような妖が出てくる。魔除も異能力を発動しようとするが、それよりも早く、咲耶が動く。
「うおらあああ!!」
拳を握り、妖の腹へと命中される。それを見事に貫通させ、妖を撃破する。そのまま半魚人が海へと落ち、辺りが血で染まる。
「今頃何億貯まってっかな?」
「おじさんすごいねー」
宮殿の中に行くと、ここにも廊下が広がっていた。
「いったいこんな宮殿を誰が作ってやがんだよ。」
その時、黒い影が廊下を横切った。それを咲耶が見逃さず、全速力で追いかける。廊下を激しい速度で走ると、またもや魚の妖が大きな部屋へと入っていく。襖をダンッと開ける。
「なっー」
その巨大な部屋にはなんと、百体あまりの妖たちが天井にまで張り付いていた。その中に一人だけ、明らかに人型な妖がいた。……しかし、おかしい。体は骨が浮いているーというよりほぼ骨だ。それに異様なまでに赤い肌。薄緑色のローブに巻かれてよく見えないが、顔も傷がある。そしてとにかく腕が長く、なんと指が七本もある。
「人間の二方。ようこそ、我が宮殿へ。私の名前は六勢。この宮殿、そして湖の層の管理人でもあります。」
咲耶が話す。
「お前がここを作ったのか。」
「ええ。私は妖牢獄の十界妖の一人、創造の妖という名を賜っております」
「……十界妖…初耳なんだけど」
魔除がそういいながら、今回こしらえてきた愛刀 蜘蛛之五月雨に手をかける。
「まあまあ、そんな警戒ー」
その途端、咲耶があっという間に距離を詰め、拳を顔面に名中される。
「はっ!妖は皆殺しだ!!」
土煙がはれると、六勢は他の妖を壁にし、ダメージを軽減していた。
「さあ、始めるとしましょう。妖の実力とやらを見せる戦いを。」
神楽は、 妖牢獄に到達しており、黄色いロウソクが照らす道を選んで進んでいた。
「んー、今のところ妖の気配はないねー」
王尾は偵察、索敵能力も一級品だとここにたどり着くまでで分かった。これからも頼りになりそうだ。
そんなことを考えながら進んでいると、なんと大きな神社、お社についた。茜里が感動している。
「すごい………なんでこんなところが…?」
その時、お社の扉が、ガララと開く。中から出てきたのは、天女のような女だった。柔らかい亜麻色の腰布を巻き、上半身は布を巻いているだけだ。そして、黄色い花のような髪色が目立つ。
「かっ……かわい…」
意外にもキレたのは王尾だった。
「はっ!?神楽くん、私のほうが好きだよね!?そうでしょ!?」
「お…………おぅ」
声が小さい!と言おうとしたがー
「あらあら……人間ちゃんがこんなところに来るなんて…私なにも聞かされてないんだけど………まあいいわ、歓迎します」
お社の扉が、すべて開かれる。
そこには、鬼型の妖がはびこっていた。
「我が名は十界妖妖艶の妖。花梨!!」
「せいぜい、私たちのエサになってちょうだい」
お社からどこからともなく笛が響き渡る。
「さあ……今日は楽しくなりそうね」
その中でただ一人、No.4ネクラは戦況を見極めていたー
コメント
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何か、カッコいい…🫠 そういえば、世界一エゴいホロライブ好きさんはリグロスのガチャって引きました? 僕は今日見つけて、引きました。