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コツ…コツ…
と廊下にヒールの音が響く
ガチャ
「小百合さん、調子はどうですか?」
いつものように看護師が私の様子を見に来る
「って、いいわけないですよね」
当たり前だ。私は、余命半年の病持ち
いつも体調が優れない
「食べられるか分かりませんが、昼食を持ってきましたよ」
私は病院食が嫌いだ
とても貧相で美味しくないから。
「今日は食べられますか…?」
…食べたくないな、どうせ食べても病気が治るわけじゃない
だったら飢え死んだ方がまだマシだ。
私は首を横に振った
「…そう、ですか。 」
「夕食は食べましょうね」
看護師は一瞬暗い顔をして、優しく微笑みながら言った。
「一応、ご飯置いておきますね」
と言い私の居る病室を出ていった
『…はぁ、 』
もう此処にも飽きてきた
私がこの病院に入院してから早2年。
『病院には何もないし、つまらない』
『あるとしたら苦い薬と週1の注射…』
本当に嫌になる
…いっその事
今すぐ死ねればいいのに
『んん…?』
自分の唸り声で目が覚めた
嗚呼…寝ていたのか、
『今、何時…』
重い身体をゆっくり動かし時計に目線を向ける
えっと…1…2……
『5時…』
もう5時か、チラッと窓を見てみると
四角く切り取られ橙色に染まった空が見える
私の1日はほとんど昼寝だけで終わる。
それ以外にすることがないから仕方がない
『本当暇でしょうがないよ…』
コンコン
「小百合さん、入りますよ〜」
嗚呼……夕食か、、
どうせ、私が食べないの分かってるくせに…
「夕食、食べられますか?」
私はまた首を横に振る
「…分かりました。」
「ついでに昼食も下げておきますね」
私はコクリと頷く
「また来ますね」
看護師はそう微笑みながら病室から出ていった
もう来なくていいのに…
いつも同じ日の繰り返し。
でも今日だけは違った
今日は、朝から頭痛と腹痛が止まらなかった
終いには吐き気や悪寒。
『本当……最悪…、 』
何故か今日は医師や看護師達が騒いで居るし…
煩い……、頭に響くから辞めてほしい……
ガチャっっ
「小百合さんっっ!!!」
ドアが乱暴に開けられる音と医師の大声が、私の意識の最後に残ったものだった。
ピー…ピー…ピー…ピー…………
名前:鹿野川 小百合
年齢:17歳
好きな物:友達 はんぺん
嫌いな物:病院 注射 苦い薬
病名:心疾患