コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【能力者名】秘密裏警羅
【能力名】 秘密警察
《タイプ:友好型》
【能力】 警察っぽいことなら大体なんでもできる能力
【以下、細菌達の記録】
痛見と警羅は、お互いの間合いを測りながら睨みあった。
痛見はものすごい殺気を放つ警羅を警戒した。
それと同時にロカ先生や半田緋色、そしてグラウンドから姿を消したシリアスブレイカーと無量大数那乃彦先生を警戒した。
警羅も同様に痛見を警戒した。痛見だけでなく後ろに控える能力者達の水鉄砲や《くるみ☆ぽんちお》爆弾を警戒した。
ロカ先生はとてつもない殺気で《クローバー同盟》の無能力者達を牽制しつつ、痛見と警羅、転々と半田緋色の戦いを注視していた。
ロカ先生にとっての勝利はただ《クローバー同盟》に勝つことではなかった。
ロカ先生にとっての勝利は生徒達から怪我人や死人を出さずに無事にこの悪鬼退治を終えることだった。
故にロカ先生はとてつもない殺気を、近くに野良犬がいたら全身の毛が抜け落ち、心臓が弾けて死んでしまうほどのとてつもない
殺気を放ちつつ、生徒達の動きを注視していた。
今回《クローバー同盟》に参加した無能力者達はそんなロカ先生の殺気にたじろいだ。
「どうする…..?」
「ひ、ひるむな…..!!!俺たちは米津町最強に
挑みに来たんだ!!!気持ちで負けたら敗けだ!!!」
「ぬぅ……うおおおお!!!!!」
《クローバー同盟》の無能力者達は震える手でロカ先生めがけて水鉄砲を撃った。
震えていたにもかかわらず水鉄砲は素早く正確にロカ先生を狙い撃った。
ロカ先生はその水鉄砲を軽々と避け、生徒達に言った。
「いいかしら、死にたくなかったら痛見君と
警羅さんからできるだけ離れること。…….下手したら巻き込まれて死ぬわよ。」
ロカ先生は冷ややかな顔をしながらそう言った。
これは脅しではなく客観的な事実だった。
「「「くっ…..はい!!!!!!!」」」
《クローバー同盟》の無能力者達は背筋をただしてそう叫び、痛見達から距離を取った。
一方、警羅と痛見は熾烈な戦いを繰り広げていた。
警羅は持っていた銃を空高く投げた。
そして叫んだ。
「《秘密警察》!!!!」
すると突然、痛見の周りに3台のパトカーが
現れた。
3台のパトカーは時速200kmを超える
スピードで痛見に激突した。
痛見の身体が弾け飛んだ。
あまりにグロい映像だったため応援席の映像は一瞬猫ちゃん達のゆるかわ動画に差し替えられた。
「ハッハー!!!パトカーにはねられたのは生まれて始めてだぜぇぇ!!!!新鮮な痛みをありがとう!!!」
頭のハチマキを死守し、身体を急速に再生
させながら痛見が言った。
「ポリスちゃん!!!」
警羅が叫びながら勢い良く腕を横に振ると
警羅が空に放り投げた銃が元の姿、クマのポリスちゃんに戻り牙を剥き出しながら痛見に襲いかかった。
「ガルルルルルグアバァッッ!!!!!」
痛見はポリスちゃんの牙を避け、身体を掴み
「そぉら!!!!」
と地面に投げた。
ポリスちゃんは激しく地面と激突した、が
ポリスちゃんはクマなので無傷だった。
「ポリスちゃん!!!!」
警羅がそう叫ぶとポリスちゃんは銃に変身し、警羅の手元に戻った。
「口裏痛見!!!貴様をポリスちゃん虐待の
現行犯で逮捕するッッ!!!!」
警羅がそう言うとどこからともなく手錠が現れ痛見の腕を拘束した。
これには思わず痛見も
「はぁ!!??」
と叫んだ。
警羅は躊躇なく痛見の頭のハチマキに向かい銃を5発撃った。
「ぐっ….!!!」
痛見は身を屈めて弾を避けた。
弾はどこかへと消えてしまった。
そして痛見は警羅に向かって跳び
警羅の引き締まったおなかにロケット頭突きをした。
「ガハッ……!!???」
警羅は目を見開きながら胃酸を吐いた。
警羅の意識が一瞬トんだことで《秘密警察》の能力が解除され、痛見は腕力で手錠を引きちぎった。
警羅は体勢を立て直し、ほっぺたをパンパンして気持ちを切り替えた。
痛見が警羅の背後を取り、警羅のハチマキを
取ろうとした。
警羅はハチマキを取ろうとする手を弾き
痛見の心臓めがけて全力のパンチを放った。
「国家権力パンチィィ!!!!」
警羅の能力《秘密警察》で力がブーストされた国家権力パンチが炸裂し、痛見が派手に吹き飛んだ。
警羅がすかさず銃を五発痛見に向けて撃った。
その後警羅は痛見に向けて銃を素早く投げて
「ポリスちゃん!!!!」
と叫んだ。すると銃はクマのポリスちゃんに戻りものすごい勢いで痛見に突撃した。
「ハハ……楽しいなァ!!!!!」
痛見はキラキラとした目でそう言いながら
弾丸を手で弾きクマのポリスちゃんの突進を身体で受け止めた。
するとポリスちゃんはポンッと銃に変身した。
「あぁ!??なんだぁ!!??」
痛見は虚を突かれ体勢を大きく崩した。
体勢の崩れた痛見に向かって警羅はすごい勢いで突進した。
警羅は高く跳び痛見にかかと落としを
痛見の頭にお見舞いした。
「これが警察の力ァァ!!!!!!」
物凄い衝撃が痛見を襲った。
この攻撃を妖怪沢どろりが食らったら余裕で死んでいただろう。
しかし痛見はほぼ不死身だった。
故にかかと落としをされながらも痛見は警羅の足首を掴んだ。
「しまっ….。」
「オラァッッ!!!!」
痛見は警羅を投げ飛ばした。
「ッッ!!!ポリスちゃん!!!」
警羅が叫ぶと銃はポリスちゃんに戻り
クッションのように警羅の身体を受け止めた。
警羅に一瞬の隙が生まれた。その隙を、あの痛見が逃すはずがなかった。
痛見は警羅からハチマキを奪った。
「しまった…..!!!」
警羅が声を裏返しながら言った。
決着である。
「楽しかったぜぇッ!!!またやろうなぁ!!!!」
目をキラキラさせながら痛見は言った。
警羅は影に呑み込まれながら言った。
「後は頼んだぞ……《パンダヒーロー》。」
「任せて。」
転々と応戦していた半田緋色が呟いた。
転々と応戦していた半田緋色は転々の三節根を金属バットで軽々と弾き飛ばし、痛見のところに 瞬間移動し彼の肩にバットを添えた。
痛見は反応が出来なかった。
痛見が秘密裏警羅を倒し気が緩んでしまった痛見は《パンダヒーロー》の超スピードの不意打ちに反応出来なかったのだ。
「《パンダヒーロー》流儀アイネクライネ。」
半田緋色がそう言うと痛見はすやすやと眠りについた。
痛見の能力《とてもいたいいたがりたい》には致命的な弱点がある。それは痛みを与えない攻撃には無力であるという点だ。
半田緋色は痛見の弱点を本能で把握し、相手を安らかに眠らせる技《アイネクライネ》で
痛見に苦痛を与えることなく眠らせたのだ。
《クローバー同盟》の無能力者達は痛見を守るために一斉に半田緋色に水鉄砲を放った。
「悪夢ちゃん、お願い。」
「めんっどくさいわねぇっ!!!!!」
金属バットは物凄い勢いで水鉄砲を弾いた。
パンダは眠る痛見を起こさないようにハチマキを取った。
痛見はすやすや眠りながら影の中に引きずり込まれていった。
「ハァ……ハァ…..。….まずいアル……。
痛見が やられたネ…….。生き恥ポップコーン作戦が….潰されたアル…….。」
ボロボロの転々が絶望した顔で言った。
転々の誤算は二つ。
一つは秘密裏警羅の 実力を測り違えたことだ。警羅の《秘密警察》は殺傷能力が高すぎたため 彼女は戦闘で常に実力の半分も出せていなかった。痛見といういくら殺しても死なない好敵手と戦ったことで警羅はやっと本気を出すことが出来たのだ。
二つ目は半田緋色が転々に対してまるで本気を出していなかったことだ。転々は天才だった。故に驕った。それ故《パンダヒーロー》という 化物の実力を大きく測り違えたのだった。
《クローバー同盟》の最高戦力にして盾、
口裏痛見の退場。
これはこの戦いを大きく決定付けるほどの大打撃だった。
《クローバー同盟》の無能力者達はこの戦いを諦めようとしていた。
しかし、あの男は微塵もあきらめてなどいなかった。
「まだ終わってないじゃんねぇぇぇぇ!!!!!!」
《クローバー同盟》のリーダー黒小場じゃんねがそう叫んだ。
「この戦いは僕が『まいった』というまで負けない戦いじゃんねぇ!!!!僕はロカ先生にだけは絶対に負けるつもりはないじゃんねぇ!!!
まだッッ!!終わってないじゃんねぇ!!!」
じゃんねのこの言葉は謂わば去勢であった。
悪あがきに近い負け犬の遠吠えだった。
しかしじゃんねの言葉は折れた 《クローバー同盟》の仲間達の心を再び立ち上がらせた。
「カスの大将が諦めてねぇんだ!!!俺たちも
やるぞぉ!!!!」
「転々ちゃんは俺達で守るぞぉ!!!!」
「ロカ先生の服を溶かしてドエロい下着を
拝むぞぉ!!!!!」
《クローバー同盟》の無能力者達は口々に叫び奮い立った。
「ほんっと…..バカばっかアル…..。」
転々は少し涙ぐみながら再び
三節根を構え、高速で策を練り直した。
「そして拙者もいるでござる!!!!パンダ殿ォ!!!果たし合いを所望するでござる ….!!!」
転々を庇うように転々の前に立ち、
剣術の達人、川中島練度が言った。
「えっとぉ…..ロカ先生?」
ロカ先生の顔色を窺うように半田緋色は言った。
ロカ先生は
「構わないわ。」
と冷ややかに言った。
半田緋色はぱぁっと笑顔になり
「ありがとうございます!!」
とロカ先生にお辞儀をした。
「そしたらやろっか、一騎討ち。」
《パンダヒーロー》は金属バットをゆったりと構えて 川中島に言った。
「……参る。」
川中島は刀を構えてそう言った。
悪鬼退治もいよいよ中盤戦。果たして《クローバー同盟》はロカ先生に一矢報いることができるのか!!??
続く。