テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
蒼真の手に光が集まる。
まるで小さな太陽。
観客席がざわめく。
「何あれ……」
「光の量が違う」
陽葵も息をのむ。
「すごい……」
蒼真が笑う。
「この技」
「まだ誰にも見せたことない」
光がさらに強くなる。
空気が震える。
蒼真が静かに言う。
「光は」
「この世界で一番速い」
その瞬間。
蒼真の目が光る。
「だから――」
光が弾ける。
バチィィ!!
世界が静かになる。
風の音が消える。
観客の動きが遅くなる。
陽葵が気づく。
「……え?」
周りの動きが遅い。
まるで。
時間が止まりかけている。
蒼真の声だけが普通に聞こえる。
「時間を」
「少しだけ遅くできる」
観客席がゆっくり動いている。
蓮の叫びもスロー。
「な……ん……だ……」
凛も驚いている。
陽葵が蒼真を見る。
「時間……能力?」
蒼真が笑う。
「光速の副作用みたいなもの」
そして。
「行くぞ」
蒼真が一歩踏み出す。
普通の速度。
しかし。
陽葵から見ると――
消えたように見える。
次の瞬間。
後ろ。
シュン!!
光の剣。
陽葵がとっさに氷を出す。
ドォン!!
氷が砕ける。
しかし。
陽葵は笑う。
「でも」
炎が広がる。
「私も」
氷。
炎。
再生。
三つの力が同時に動く。
蒼真が驚く。
「三属性同時!?」
陽葵が叫ぶ。
「負けません!」
炎と氷が渦を巻く。
ドォォォ!!
観客席がさらにざわめく。
「すごい!」
「決勝やばい!」
その時。
観客席の上。
ルナが立っている。
静かに言う。
「始祖の力」
後ろには。
エクリプスの幹部。
ルナが小さく笑う。
「覚醒まで」
「あと少し」