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「シルヴィア。──やっと君に、触れられた」
私の肩を抱く大きな手の、たしかな感触。
すぐそばから鼓膜を揺らす心地の良い声と、少し乱れた息遣い。
まるで現実味がなくて、けれど今度は夢だなんて、思いたくない。
実体を以て生き返ったジークフリート殿下が──間違いなくいま、私の目の前に存在している。
「……っ」
この瞬間をどれだけ、切望しただろう。
苦しくなるほどに心が震えて、返事をしたいのに、声が出ない。
目頭が熱を帯び、その麗しい微笑がじわりと、滲みかけたときだった。
「ばっ、馬鹿な……!! 目覚めてすぐ動けるはずが──」
狼狽える上級信徒の声に、意識を引き戻された。
殿下の表情から柔らかな温度が消え失せ、代わりにヒヤリと背筋が凍*****************************
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