side目黒
ある日、佐久間くんとの仕事だった
それが分かった時は、嬉しかった
俺は、何度も何度も佐久間くんを自分のものに出来ないかって考えた
どうすればいいか、考えて、考えた
そしたら、1つだけ、思いついた
それは、佐久間くんにとって苦しいことかもしれない
けど、手に入れたいから、
監禁をする
いつか、佐久間くんに飲んでもらう用に睡眠薬も準備した
でも、それは2人きりの仕事の時しか飲ませられない
万が一他のメンバーに見られたらまずいからね
そして、俺は今、佐久間くんがトイレに行っているうちにペットボトルに睡眠薬をいれた
佐久間くんが飲み干してくれれば完璧だ
今日はラジオの収録なのできっと飲み干すだろう
1本で効かなかった場合に備え、一足先に収録場所に向かい、用意されているペットボトルにも入れる
幸い、スタッフさんも見ていなかった
俺は座り、佐久間くんを待つ
「お待たせしました〜!!」
元気な声で佐久間が入ってくる
「お、蓮〜!!先に行ってたのかよ!」
「どこに行ったのかと思ったじゃんか!」
「ごめん、待てなかった」
「いーよいーよ笑」
佐久間くんが座り、収録が始まる
佐久間くんは用意されたものと自分のもの、どちらも飲み干していた
「佐久間くん、この後大丈夫?」
「うん。いいよ」
「もし良ければなんだけど、ご飯行かない?」
「え、マジで!?行くいく!!」
佐久間くんを誘う
行くのは俺の家だけど
佐久間くんを俺の車に乗せる
会話をしながら、遠回りをして俺の家に向かう
「ふあ…ぁ」
佐久間くんがあくびをする
「寝てていいよ」
「うん…」
佐久間くんが眠りにつく
家に着いても寝ていたので、おんぶをしてなんとか部屋に運ぶ
ある部屋に佐久間くんを入れ、鍵をかける
あとは佐久間くんが起きるのを待つだけだ
ソファーでコーヒーを飲んでいるとガチャガチャと音がした
鍵を持って佐久間くんがいる部屋に行く
鍵を開け、中に入る
「蓮……?」
怯えた目をして見つめる佐久間くん
「どこだよ、ここ…」
「俺の家」
「は…?蓮の家…?」
訳が分からないという顔をしている
俺は口角が上がるのを防げない
こんな佐久間くん、初めて見た
「っ、れん、」
あーあ。泣いちゃった
__そういえば、昔、俺はよく泣いてたな
サッカーでミスをしたり、負けたりする度に
おばあちゃんが言ってたな、
涙は、人間の作る1番小さな海なんだって
昔のことは、いいんだ
「また来るね」
水のペットボトルを置き、部屋の鍵を閉める
キッチンに向かい、2人分の夕食を作る
きっと明日は佐久間くんが居ないって大騒ぎだな
あとはご飯を炊くだけ
スイッチを押し、佐久間くんの部屋にいく
そこには、真っ赤な目の佐久間くんがいた
「蓮、なんでこんなことしたの?」
「…佐久間くんのこと、愛してるから」
「……そっか」
「残念だけど、俺はお前が好きじゃない」
分かってる
佐久間くんは俺に振り向かないことぐらい、
分かってる
佐久間くんが好きなのは…
「俺さ、ふっかが好きなんだよね」
「分かってても、諦められない」
好きな人に好きな人がいる
でも、その好きな人にも好きな人がいて
その2人は幸せになっている
佐久間くんて、すごいな
無理だとわかっても諦められないぐらいその人が好きなのに
それでも、恋を応援してる
きっと、佐久間くんの心の中には広い広い草原があるんだ
雨が降ることなんてない、真っ青な空が続いている
俺が、行ったことのないような場所
俺の心の中にはない場所
そこで佐久間くんは晴れ渡った空に向かって、歌っている
どんな歌を歌ってる?
悲しみ?後悔?それとも___
「ふっかは、俺に相談してくれた」
「照のことが好きだって」
「だから、俺は、言えなかった」
「俺が幸せにするのにって」
…強いなぁ、佐久間くん
身長が低くても、俺よりずっと高い
俺も見習うべきかな、
「蓮、ここから出たい」
「家に帰りたい」
「みんなに、会いたい、」
泣いている君が好きだ
泣いている佐久間くんは美しい
笑っている佐久間くんと同じぐらい、大好きだ
俺は、隠し持っていた”ソレ”を握り直す
「悲しみなんて、この世界のどこにでもある」
「は、?急になんだよ」
「でもさ、悲しみなんて、必ず」
「喜びに溶けていくんだよね」
そう。
今の俺のように
佐久間くんに好きな人がいること
悲しかったけど、今はこうして佐久間くんを手に入れられた
こんなに嬉しいこと、ある?
ないよねぇ?
口角がこれでもかと上がる
「ずぅっと、佐久間くんは俺のものだ」
「ッッ~~!!」
「かッ……は」
「あ、あ、」
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!」
俺は佐久間くんの口に手を当てる
「静かにしてくれないと」
「ご近所迷惑だよ?」
「蓮ッ!!お前ッ!!!」
あははっ
いいね、いいね
その顔
その憎しみに満ちた顔
「最高だよ、佐久間くん」
「ゴフッ、カハッ」
睨みつけてくる佐久間くん
騒ぐから血吐いちゃったじゃんか
「地獄に堕ちろ」
嫌だなぁ
そんなこと言わないでよ
「ずっとずぅっと一緒でしょ?」
「どこまでも」
「ッッ~~~」
何か言おうとしてたけど、その前に命がもたなかったみたい
逝っちゃったねぇ笑
逝った佐久間くんも綺麗だよ?
俺も追っていくから、安心して?
『はいおっけー!!』
声がかかると、俺はすぐに椅子に腰掛ける
「おい蓮?」
「どうした?具合悪い?」
「いや、別に……」
「テンション低っ!」
「どうしたどうした」
「いや、もうほんとになんもないから」
「おまっ急にブラックモード入んなよ」
だって……だって……
久しぶりでわくわくしてたのにさ……
こんな狂った役ですか……
ふぅん……
へぇ……
何がしたいのか分かんないんですけど……
「うん、分かっただから落ち着け蓮」
「合唱曲を元にしたとか知らないし……」
「てか元になった合唱曲絶対こんなんじゃないし……」
「もっと素敵な曲だろ……」
「作曲者に謝れよ……」
「そもそもなんで曲途中で終わってんだよ……」
「まだ曲が続くだろうがよ……」
「お前なんだかんだ言ってちゃんと曲聞いてきてんのな」
コメント
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演技すげぇ笑