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『あなたの大丈夫は大丈夫じゃないから』
最近、ふっかさんを目で追う事が多くなった。 よく観察してみると少しだけ表情が変わる瞬間がある。
ある時は…
mm「(あ、今少し疲れた顔した?)」
また、違う日は…
mm「(なんか悩んでそうだなぁ…)」
その表情の変化は本当に一瞬で、じーっと見ていないと全然わからない。
気づいてしまった俺はもう目が離せなくなっていた。
とある撮影の時…
f「なぁ、最近よくめめと目が合うのって気のせい?」
m「いや、気のせいじゃないと思う。」
f「ん?」
m「俺、見てますからね。ふっかさんの事。」
f「そうなの?…それは有難う、なのか?」
不思議そうに、でもどこか嬉しそうに笑っているふっかさんを俺はまたじーっと見つめていた。
各々の撮影も終わり楽屋へ向かおうとしていたら楽屋を出るふっかさんを見つけた。
m「ふっか……さん?」
声をかけようとしたが、ふっかさんは俯いていてちゃんと表情は見えなかった。だけど、どこか苦しそうな表情にも見えた。
俺は楽屋には戻らず、そのままトイレへと向かうふっかさんを追った。
ーーガチャッ
トイレの扉を開けると手洗い場で目を擦るふっかさんがいた。 俺は勢いのままふっかさんに近寄り声をかけた。
m「ふっかさん!大丈夫?」
f「わっ!え、めめ?何?どした?」
こちらに顔を向けたふっかさんは片目を瞑りながら驚いた表情をしていた。
m「いや、何か様子がおかしかったから…」
f「あぁ、コンタクトがズレてさ…んー、ゴロゴロしてて…」
ふっかさんは俺から視線をそらし鏡を見つめる。
f「あっ!はまったかも!」
瞬きを繰り返しながら“見て!”と、俺と鏡を交互に見る。
f「それにしても、急にめめが来たからビックリしたわ。」
m「すいません、心配でつい…」
f「見てるっての本当なんだなぁ。てか、心配って何よ(笑)」
笑ってるふっかさんを見てこれまでの色々な表情を思い出す。
m「あんまり無茶しないでね?」
f「…?おぅ。」
頭を傾げながらも返事をするふっかさん。先に楽屋戻ってると伝えて俺はその場を後にした。
続く