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猫とろ
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ねらち
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プロフェッサーMに出会ってからというもの、美少女探偵・姫神姫の胸には黒い予感が居座っていた。
「超能力事件が起きます」だの「一緒に解き明かしましょう」だの、あの非常識な銀髪の女は平気で言ってのけた。
トレンチコートの下は全裸だったし、いきなり抱きつかれた感触がまだ背中に残っている気がする。家に着いても、どうも落ち着かない。
洗面所の鏡の前に立ち、薄い金髪のゆるふわロングを櫛で整えようとする。
くせ毛が強くて、なかなか思い通りにならない。何度か梳かしては溜息をつき、結局いつものふわふわした状態で諦めた。
「ふぅ……とりあえず着替えるでごぜぇやす」
制服を一枚ずつ丁寧に脱ぎ、ハンガーにかける。残ったのはいつものミントグリーンの下着姿。
ブラとパンティだけになると、ふと袖口や生地に付着した匂いが気になった。
プロフェッサーMの匂いだ。嫌な匂いではない。
どことなく外国の花のような、少し甘い香り。でも、理由もなく「嫌だ」と思ってしまう。
「クリーニングに出そう」
姫が住んでいるのは、東京ベイエリアの超高級タワーマンションだった。
エントランスにはクリーニングコーナーをはじめ、ラグジュアリーなラウンジ、ブティック、ジム、イタリアン飲食店、スイーツ店、そしてコンビニまで完備されている。
コンビニ以外はほぼ無料で利用でき、コンビニも住民限定のクーポンが配られるという、いわゆる「お金持ち仕様」の設備だ。
紙袋を取り出し、制服と下着をまとめて入れる。
このままでは替えの下着がないので、クローゼットから適当なものを引っ張り出した。
黒の、かなり薄手のベビードール。透け感が強く、肩紐も細い。普段は寝室でしか着ないようなもの。
「下に何か着るし……大丈夫でごぜぇやすよね?」
と、なぜか楽観的に考えてしまった。
本当は「その下に何かを着る」ことを完全に忘れていたのだが、本人は気づいていない。
黒の透け透けベビードールだけを身にまとい、紙袋を持って部屋を出る。
エレベーターのボタンを押すと、すぐに到着した。
扉が開いた瞬間、お隣に住む美少女も乗り込んできた。年齢は近いように見える、落ち着いた雰囲気の住人だ。
「こんにちはでごぜぇやす!」
姫はいつものように元気よく挨拶した。隣の美少女は一瞬、目を見開いた。視線が姫の肩から胸、腰へと滑り、すぐに慌てたように顔を引き攣らせる。
「こ、こんにちは……」
「どうかしたでごぜぇやすか?」
「い、いえ……すっごい可愛い格好ね……」
隣の住人はそう言いながらも、視線のやり場に困っている様子だった。姫は純粋に褒められたと思い、にこっと笑う。
「可愛いでごぜぇやすか? ありがとう!」
透け透けのベビードールから、肌の色がほのかに透けていることなど、本人は微塵も意識していない。
エレベーターは静かに下降し、エントランス階で停まった。隣の住人は「それでは」と小さく手を振って、早足で去っていった。
姫は紙袋を抱えて受付へ向かう。受付には常に美少女型のAIアンドロイドが立っていた。完璧な笑顔と丁寧な言葉遣いで、住民の要望をほぼ何でも聞いてくれる優秀な子たちだ。
「この服をクリーニングしてごぜぇやす」
紙袋を差し出すと、AIアンドロイドの瞳がわずかに揺れた。
彼女たちの視覚センサーが、姫の現在の装いを正確にスキャンする。黒の透けベビードール。
薄い生地の下に、ほぼ丸見えの身体。データ上は「住民の私服」として処理されつつも、内部ログには「ややHな装い」と記録されていく。
「かしこまりました。……すごい格好ですね」
「へ? すごい格好……?」
姫は不思議に思って、近くのガラス面に自分の姿を映した。
そこには、黒い透け透けのベビードールだけを着た自分が映っていた。肩紐が細いせいで落ちそうになっており、胸の膨らみも、腰のラインも、ほとんど隠れていない。しかも下に何も着ていない。
「……ぇ」
数秒の空白の後、姫の顔が爆発的に赤くなった。
「きゃーーー! 見ないでごぜぇやす!!」
とっさにしゃがみ込み、両腕で胸元と下腹部を隠す。紙袋が床に落ちそうになるのを、ギリギリで支えた。
AIアンドロイドたちは冷静に美少女探偵を抱き寄せて「人目につかないよう、こちらへどうぞ」と案内してくれたが、姫の羞恥心はもう止まらない。
プロフェッサーMに全裸で抱きつかれ、その匂いがついた服を出しに来たはずが、自分自身がほとんど裸に近い格好でエントランスを歩いていたとは。
「今日は本当にトホホな一日でごぜぇやす……」
姫はうずくまったまま、小さく呻いた。
コメント
3件
うわああ姫ちゃん! 透けベビードールでエントランスまで行っちゃうとか、もうトホホすぎて可愛い…でもそれが美少女探偵の魅力だよね😭💗 プロフェッサーMの香りに惑わされてる感じも、なんかもう運命の歯車が動き出してる予感がしてドキドキするよ。隣の住人もAIも冷静すぎて逆に笑ったw 次はちゃんと着て行動してほしいけど、そんなドジなところも含めて姫ちゃんらしくて好きです🖤🥀