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モンダイジ団 真実と嘘編

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モンダイジ団 真実と嘘編

5 - 第4話 サイド キリ・レン

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2022年05月04日

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サイド キリ


空気が、重い。

キノの家のリビング。そこに着くまで、私も誰も一言も喋らなかった。

アミの言葉は刃物のように鋭くて、私たちの心に切り込みを入れた。

犯罪者だって、望んで罪を犯したわけじゃないってことがあるのに。

必死になって反省してやり直そうとしているのに。

それでも、犯罪者というレッテルを貼られ、偏見を持たれた人の、その気持ちなんて知らないくせに。

そんなことを考えていると、トンと背中を叩かれた。振り返ると、レンとユメが唇に人差し指を立てて手招きしていた。

「???」

私は二人の後について行って、玄関を通り外へ出た。


サイド レン


「すみません、いきなり……」

「ううん、あの空気はキツイからね」

キリさんはそう言い微笑んでくれた。

「なんというか、その……マオさんのこと、気になってしまって……」

あのアミさんって人はマオさんのことを“犯罪者”だと言った。

昔、何かあったんだろうか。オレはそれをマオさん本人に聞こうとして、ユメに止められた。

曰く、「今!この!空気で!それを聞いて良いと思っていますの?!」だそうだ。

「私も何も知らないんだよね。レンとユメより先にこの団に入ったっていっても、ほんの一週間くらいだけだし」

「そう、ですか……」

やっぱ、オレらはマオさんのこと、知ることができないのかな。

同じモンダイジ団の仲間なのに、何もできないままは、もどかしい。

「だからさ、三人で調べに行かない?」

「「えっ?!」」

キリさんの提案にオレとユメは目を見開いた。

でも、それが一番いいかもしれない。

「そうだな!そうします!!」

「あ、あたくしも賛成ですわ!」

オレらだって、あの人たちの仲間なんだ!


「……うーん、俺はあんまりおすすめしないけどな」


「「「?!」」」

振り返ると、そこにはルネさんの姿があった。

い、いつからいたんだ?!全然気づかなかった……!

ユメもキリさんも驚いた表情でルネさんを見ている。

「……どういうこと、ですの?」

すぐにユメは冷静になって聞き返した。

「……“仲間”だからこそ、知られたくないこと、秘密にしたいこともあるんだよね」

そう言ったルネさんの笑顔に、いつもと違う陰りが見えた気がした。

「……っ、それでもオレは知りたいです。何があってもオレは皆さんの力になりたいと思うし、それに事実を受け止めますから!」

画像 オレはルネさんを真っ直ぐ見据える。

この気持ちに嘘や虚勢なんてない!

「……そう。なら、俺から少しだけ」

ルネさんはふっといつもの表情に戻って、メモをオレに手渡した。

「マオの実家の住所。これ以上は協力できないからねー」

「!あ、ありがとうございます!」

「すぐ行ってみますわよ!」

オレとユメ、そしてキリさんはそのメモを頼りに走り出した。


だから、聞こえなかったんだ。

ルネさんがオレらを暗い顔で見送りながら、ボソリと呟いた言葉を。

「みんながレン君みたいだったら、よかったのになぁ」

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