コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
サイド キリ
夕焼けが空を赤く染める。
ルネがくれたメモを頼りにその近辺を探して、もう数十分になる。
「どう?そっちにあった?」
『いや、こっちは見つかってないです!』
『こちらもですわ!』
なぜか、一向に見つからない……!
「一回集まろう。さっきのコンビニ前で」
私はレンとユメにそう伝えて通話を終えた。
「…………何やってんの?」
後ろから無愛想な声が聞こえた。見なくてもわかる、この声は……。
「アミ」
「気安く名前を呼ばないで」
〜〜私だって、出来ればアミと会いたくなんてなかったよ!
そう言いたいのをグッと堪える。
手にはたくさんのチラシを抱えているアミの顔を見る限り、進展があったようには思えない。
やっぱり難航してるんだろうか。
「……私ね、お姉ちゃんがいたんだ。でも、3年前に殺された」
アミが大きく目を見開いた。
だけど、それは世間には事故として報道された。
腰に巻いている、大きめのウインドブレーカーは唯一の形見として身につけている。
「だから、アミの気持ちがよく分かる。協力したいって思ってる」
そう思うのは私のエゴだけど。何か力になりたいと思うくらいはいいでしょ?
「アミが思ってるほど、悪い団じゃないよ」
「……なら、なんでダブルMと一緒にいるのよ」
?ダブルM?
「ねぇ、それって───」
私がアミに質問しようと思ったときだった。
「あっ!キリ、さん……?!」
「な、なぜここにアミがいますの?!」
レンとユメが合流した。
「お子様二人もいたんだ」
……うっわ、毒舌。
さすがに二人もかちんときたようだった。
不満を顔いっぱいに表現している。
「で?三人仲良く何してんの?私のストーカー?」
「違いますわよ!あたくしたちは、マオのことを調べにきたんですわ!」
噛み付かんばかりの勢いで、ユメは叫ぶ。
すると、アミは呆れた顔でとんでもないことを言った。
「アイツの家はもうここにはないわよ。随分前に引っ越したでしょ?」
「「「?!」」」
えっ?!マオの家が、ここら辺にない?!
でも、ルネのメモには確かにここら辺の住所が……。
「アンタたち本当にダブルMのこと、何も知らないのね」
「さっきから、ダブルMって……ねぇ、マオのこと知ってるなら、詳しく……!」
『教える必要はない』
「「「「!!」」」」
突如、私が持っていたスマホからマオの声が聞こえた。
そっか、このスマホはマオとルネが共同開発したもの。遠隔操作やハッキングなんて簡単にできるだろう。
もう少し、注意を払っておけばよかった……!
『俺のほうから話す。すまない、もっと早く話しておくべきだったな』
『4年前の話だ。俺がダブルMとしてネット中で有名になってしまったのは』