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よぞらもち
96
#青愛され?
歩夢(仮)
163
第5話 「見つけた違和感」
翌朝。
いつも通り、赤が一番早く起きる。
まだ外は薄暗い。
「……よし。」
眠気を振り払うように顔を洗い、キッチンへ向かった。
ご飯を炊き、味噌汁を温める。
卵焼きを作ろうと卵を割った、その時。
カラン——。
菜箸が床に落ちた。
「あ……。」
拾おうとしゃがむ。
立ち上がった瞬間、目の前が真っ白になった。
「っ……!」
流し台に手をつき、何とか倒れずに済む。
(危なかった……。)
深呼吸をして、何事もなかったように料理を続けた。
⸻
「兄ちゃん、おはよう!」
黄が元気にリビングへ入ってくる。
昨日までの熱が嘘みたいだった。
「おはよう。」
赤は笑顔を向ける。
「もう元気?」
「うん!」
「よかった。」
その笑顔を見て、赤もほっとする。
「……でも。」
黄は赤の顔をじっと見つめた。
「赤兄。」
「ん?」
「目の下、まっくろ。」
赤は思わず目をそらした。
「寝不足だからかな。」
「ほんと?」
「ほんと。」
「お熱は?」
「ないよ。」
黄は少しだけ納得していない顔をした。
⸻
朝食を食べ終え、みんなが支度を始める。
赤は空いた食器を片付けていた。
その時。
ガシャン!
皿が一枚、床に落ちて割れた。
「!」
家の中が静まり返る。
「兄ちゃん!」
黄が駆け寄ろうとする。
「来ちゃだめ!」
赤はとっさに声を上げた。
「危ないから。」
笑おうとした。
でも、その笑顔は少し引きつっていた。
⸻
その様子を、桃はじっと見ていた。
(赤兄……。)
皿を落とすなんて、珍しい。
しかも今日は何度もふらついている。
「赤。」
「ん?」
「ほんとに大丈夫?」
「大丈夫だよ。」
即答だった。
でも。
桃は、その返事が一番気になった。
(“大丈夫”しか言わない……。)
赤は割れた皿を片付けながら、誰にも気づかれないように小さく息をついた。
まだ、大丈夫。
そう思い込もうとしていた。
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コメント
7件
ブクマ失礼します🙇♀️🙇♀️
