コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ずっと、夢を見ていた。 深い闇の中にいる亜季。
助けようとしても体が動かない。
『亜季、帰ってきて…そこにいちゃいけない』
「俺はここでしか生きれない。だからごめんな」
亜季はもっと深い闇の中に行く。
だめ…行かないで…1人にしないで…もう誰も失いたくない。
「「未来は俺が守る」」
誰なんだろう…誰の声か分からない…
でも、すごく安心する……。
目を開けるとあたりは暗くなっていた。
『ん、、。ここは…病院か。』
窓が空いていて涼しい風が私の頬をくすぐった。
月が綺麗…
『亜季…?寝てるの?』
私の手を握って下を向いている亜季。
こんな遅くまで…私のそばにいてくれたんだ。
虎雄と千冬は、もう帰ったのかな…
「未来……。 ってあれ俺寝てたのか…!?未来…体調大丈夫か?」
『うん…。すっかり良くなったよ』
「もう23時だ。どうする?今から話聞くか?」
『亜季が大丈夫なら聞きたい…』
「おう。じゃあ話すか」
「未来と俺が知り合ったのは5歳の頃。俺の父親が母親を殺して逃げたんだ。 その時に隣に住んでたのが未来で、未来の母親が俺も一緒に住むといいって言ってくれたんだ。」
え…亜季のお父さんがお母さんを殺した…?
どうしてそんなこと……
「それから、一緒に住み始めて2年がたった時未来の母親が病気になっちゃってさ……長くないって言われててそんな時に俺の父親が帰ってきたんだ…」
そんな……。
「こんな時になんだよって思ってたら俺を連れ帰って今日から一緒に住むとか言われてさ…。俺、母親を殺されてたのにどの面下げて帰ってきたんだって思って
断ったんだ。 そしたら俺に襲いかかって来て刃物で刺されそうになった…。俺はその時におかしくなっちまったんだろうな…。 俺を刺そうとした刃物を父親に向けて刺したんだ。」
え……、亜季が…お父さんを殺した…。
「俺はそのまま警察に保護されて未来は親戚の家に引き取られた。あいにく父親が殺人者だったから俺は直ぐに少年院を出れたんだ。それから毎日中華街を歩くようになって不良共をボコボコにしていたんだ…
その時郷城会の総長が俺に話しかけてきて、族に入れと…それは断るとこはなくそのまま連れていかれた」
そうだったんだ……。それで今郷城会にいるんだ…。
「それから俺は未来を探した…。未来は感情が表せなくなってたんだ…。その理由は今は言えない…。
だから俺は未来を守るために郷城会の姫にした。」
私に感情がなかった…。 そんな私を亜季は救ってくれたんだ。
『そんな辛いことがあったんだね…。そばにいてあげられなくて、ごめんね…。 そして…私を助けてくれて…姫にしてくれて、ありがとうっ……』
涙が頬をつたった。亜季はすごく驚いて直ぐに抱きしめてくれた。
亜季が私を助けてくれたんだ…。
辛そうな目をして喋る亜季をもう見てられなかった…
今度は私が亜季を守りたい…
私には一つだけ忘れていないとこがある。
格闘術だ…。どうしてなのかは知らないけど
その事だけは頭の中にあった。過去の話からすると私は何らかの理由で格闘術をみにつけたのだろう。
これは亜季には知らなかったとこだ。今言うと混乱させてしまうかもしれない…。そんなことは避けたい
これは…秘密にしておこう…。
数日後無事に退院が決まった。
退院当日
「未来さん!退院おめでとうございます!」
「未来さん!退院おめでとうございやす!」
『虎雄、千冬ありがとう!』
「未来、良かったな。」
『うん。亜季もそばに居てくれてありがとう』
それから私は郷城会の倉庫に行った。
「「お疲れ様です!!!!!」」
カラフルな頭の人達が亜季達に挨拶をする。
「「未来さんも、ご無事で何よりです!!!!!」」
『みんな…ありがとう笑』
そう言うとみんながびっくりしている…
私なんか変なこと言った?…
「「未来さんが…わ、笑った?!?!」」
「おい!笑うのはおれのまえだけにしろ!!」
『亜季何言ってんの』
「俺にも見せてください!!!」
千冬も言い出した…
私って姫になっても感情がなかったのかな…
記憶を失ったのはいいことなのかもしれないね笑
「とりあえず、今から作戦を考えるぞ。未来を突き飛ばしたやつをつきとめる」
「作戦が決まるまでお前たちは待機。いいな?!」
「「はい!!!!!」」
すごい迫力だなぁ…。
「未来。行くぞ」
『うん。』
私を突き落とした犯人は一体どうしてこんなことしたんだろう。
そう遠くない内に未来はまた地獄を見るのだった。