記憶がなくなってから1ヶ月がたった日。
『学校…行きたいなぁ…。』
「行きたいか…。それなら明日から行くか?」
『え!いいの!!行きたい!』
「分かった。それなら理事長に相談しておく。」
何だか亜季の表情が暗くなった。
どうしてなんだろう…?
そう思いながら自分の部屋に行きベットに潜った。
私は記憶がなくなって以来郷城会の倉庫で暮らしている。 私には帰る場所が分からないからだ。
私の家教えてくれる人もいなかった。
まぁいいや…。
と思い目を閉じた。
「未来…起きろ…」
『もうちょっと……。』
「学校に遅刻するぞ…」
ハッ!!!忘れてた!
『今何時?!!』
「8時。学校始まるの9時だから間に合う」
『よかった…。』
バタバタと用意する私を見ながら亜季は
「ほんとに…学校行くのか?」
『え?もちろん!』
早く学校に行きたい。って言うのは嘘。
少しでも情報が欲しかった。
前の人間関係などの。
亜季は深くため息をつくと
「じゃ、行くか」
『うん!』
「キャァ!!!!!亜季様〜!!」
「今日もかっこいい〜!」
亜季はどうやら人気者らしい。
それもそうだ。綺麗な鼻筋整った顔
長い足に190cmの身長。
誰がどう見てもみとれるに決まってる。
ザワザワと聞こえてくる声の中に不快な声が聞こえた
「隣にいるのって…あいつ…亜季様のところに付いたのね。」
亜季に付いた?なんの事?
「亜季様が可愛そうですわ。」
何を言っているんだ…。
「亜季様!!!!!その人から離れてください!!」
「悪い噂しか流れてないですわよ!!」
悪い噂…そうか、だから亜季は学校に行かせるのを躊躇っていたのか…
「俺が好きで構ってんだからいいだろ。」
亜季はずっと守ってくれてたんだね…。
『亜季。私は大丈夫だから。』
「そうか。ここからは一人で行けるか?」
『うん。理事長室だよね。大丈夫だよ』
「分かった。じゃ、また放課後な」
『うん!』
学校では亜季に絡まないようにしないと。
階段をのぼり5階に着くと上から声がした。
「お前…まだ生きてたのか?」
それは…どういうこと?
「まじかよ笑突き落としたのにまだ生きてんのか」
え……この人たちが私を落としたの?
「お前が調子のってるからこんなことになるんだよ」
ズキッ…
「何なのこいつ!!笑笑チョーウケるんですけど!!!!!」
「悪い噂流して二度と学校にこさせないようにしてやる笑」
記憶が………。悪い噂…こいつらが流したのか。
「何震えてんだよ気持ちわりぃ」
イライラするけど我慢…。
「また犯されたいのか?笑」
ダメだ…。抑えろ。
我慢…我慢…
「次は亜季ってやつを潰すか」
ブチッ…
それだけはダメ…。もう…無理。
『ちょっと来て。』
「お?笑今度はお前から誘ってくれるのか?笑」
うるさい。イライラする誰でもいいから…
『着いてきて』
「ここまで呼び出してどうすんだ…っっ!?」
バキッ!!!
「グハッ…!お前!」
『黙れ。今すぐ消えるかここで死ぬか選べ』
「ひ、ひいぃ!!」
情けない。
運動不足かな…
クラクラする…ちょっと休もう…
屋上に行くと風がとても気持ちよくて
壁にもたれかかるとすぐに眠くなった。
せっかく亜季に連れてきてもらったのに…
申し訳ない。
『今日だけ…いいよね…。』
そう言うと未来は静かに目を閉じた。
コメント
1件
ここから行けそうな展開など受け付けます!!皆さんの意見も入れてこれからのストーリーを楽しんでいただけたらなと思っています!!