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こと
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ドア越しの声
夜。
部屋の明かりは消えたまま。
廊下は静かで、時計の針だけが時を刻んでいる。
Ი𐑼は👁️🗨️の部屋の前で足を止めた。
中から、かすかな声が聞こえる。
独り言だった。
「……疲れた。」
長い沈黙。
そして、震える声が続く。
「もう……。」
「死にたい……。」
言葉は途切れ途切れで、泣いているのが分かった。
ドア一枚隔てた向こうで、小さく嗚咽が漏れる。
Ი𐑼はすぐには扉を開けなかった。
静かに、その場に立つ。
数秒の沈黙。
それから、ドア越しに低い声で言った。
「👁️🗨️。」
部屋の中が静かになる。
返事はない。
「聞こえている。」
また沈黙。
震える息遣いだけが伝わってくる。
「……ごめんなさい。」
かすれた声。
「聞かれたく、なかったです。」
Ი𐑼は表情を変えずに答える。
「謝罪は禁止だ。」
「今のお前は、一人で抱えきれない苦しさを口にした。」
「それは報告だ。」
部屋の中から、小さな泣き声が聞こえる。
「こんなこと言ったら……。」
「迷惑だって。」
「そう思いました。」
「違う。」
短く返す。
「一人で苦しみ続けることの方が問題だ。」
静かな声が続く。
「命令する。」
「ドアを開けろ。」
中から返事はない。
しばらくして、鍵の外れる小さな音がした。
扉が少しだけ開く。
涙で赤くなった目の👁️🗨️が立っていた。
Ი𐑼は何も責めない。
ただ静かに言う。
「今日は一人にしない。」
「お前が今、苦しいことは受理した。」
👁️🗨️は唇を震わせながら、小さく頷く。
「……はい。」
Ი𐑼は部屋へ入り、静かに扉を閉めた。
「今夜の任務は一つだけだ。」
「お前一人で、この苦しさに結論を出さない。」
その言葉に、👁️🗨️は声を上げて泣いた。
Ი𐑼は変わらない表情のまま、その涙が落ち着くまで、何も言わずそばに居続けた。
コメント
1件
読ませていただきました……このエピソード、本当に胸に響きました。 「謝罪は禁止」「それは報告だ」というᲘ𐑼さんの言葉の選び方が、とても印象的で。否定も慰めもせず、ただその苦しみを事実として受け止めて“一人にしない”と決めてくれる。あのドア一枚隔てた距離と、開けた後の静かな寄り添い方が、すごく美しかったです。 かほさんの描かれる“距離の取り方”の繊細さ、今回も沁みました。続きが気になります。