ゴールデンウィークは明け、鬱々としたまどろみの世界に心は沈んだ。
重力には逆らえない。私は地面とともに生きていく….。それをかつてない程に実感させられた。
これは五月病というやつなのかもしれない。でもこれはただの五月の病なのか?
私が現に抱くこの感情は生きる上で常に付きまとう事実でもある。ただ、皆はそれを誤魔化して過ごしているだけ…私は誤魔化して生きているだけ…
ふと、空を見て。私は不思議に思う。私の立つこの場所より155cm頭上の世界は…高く高く広がっていた。
私の歩く世界の狭さに心が苦しくなる。
どうして私はここにいるのだろう。
一歩。そして一歩を踏み出すたび、逃げられない現実に心は苦しがる。こんなものをわざわざ相手にしてはいけない。なのに…
いたずらに鳥を恨んだ。目につく虫に嫉妬した。上から見下ろす太陽が嫌い。平然と咲く花を馬鹿にした。
私の目は相変わらず乾いていた。昔の私が散々泣いてくれたから。今の私はもう泣いてはいけないのだ。気持ちは幼いままだった。これが時間のルールだと身体は成長を止めなかった。年齢なんて数字を世間は私に足していく。目に見えない檻の中、私は座る。
ねぇ誰か…
月よ私を見つけてよ
風よ私を攫ってくれないか
雨よ私を慰めて
私は1人呟いた。
私は1人絶望した。
私は1人で夢をみた。
コメント
8件
文章が美しすぎます…。言葉の一つ一つが星空みたいにキラキラと散りばめられていてとっても素敵です。
執筆お疲れ様です✨✨ 反復部分の言葉選びや表現がとても好きです。 お世辞にも安定的とは言えないけれど、それらが美しく見えて、何故だか不安は感じませんでした…😌
不安定な感情に共感します。順応出来ないもどかしさ、辛い季節ですね🥲