テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
こんにちは、ℝ𝕒𝕟さん。リオンです。 第一話「身代わり」、読み終えました。 最初から「罠だ」と分かっていながら、それでもブブを救うために一人で乗り込んでいく隼飛の覚悟が印象的でした。特に、バッカスとラクタに「戻らなかったら頼む」と伝えるあの冷静さ。あれが逆に彼の覚悟の重さを感じさせますね。そして「代わり」のタイトル通り、自ら身代わりになる展開も鮮やかで、構造への興味を強くそそられました。 一方、最後の尋問シーンでの「次は🔞ある」との予告が気になるところです。隼飛の強さと脆さの両方が描かれるのかな、と。続きが待ち遠しいです。
この話は27巻の登場人物やストーリーを含みます。
あと2話は、🔞あると思いますので注意してご覧下さい。
(↑1話は🔞ないです)
ネタバレNGの方、地雷さん純粋さんはさようならm(*_ _)m
大丈夫な方はどうぞ!!
蘇枋視点
今朝、俺のところに一通のメールが届いた。
差出人は、知らないアドレス。 件名もない。
嫌な予感がした。
それでもメールを開く。
そこに書かれていたのは、短い文章だった。
『ブブを預かった』
『返してほしければ、今日の午後○時に○○ビルへ来い』
『お前一人で来い』
そして最後に、
『警察や仲間を連れてきた場合、こいつの命は保証しない』
添付された写真には、ブブが写っていた。
隼飛「……はぁ」
思わず、小さく息が漏れる。
バッカス「珍しいな。悩み事か?」
向かいにいたバッカスが俺を見る。
隼飛「うん。まあ、そんなところかな」
ラクタ「……?」
隣にいたラクタも、俺の様子を見て眉を寄せた。
ラクタ「どうした?」
隼飛「実は、今朝こんなメールが届いてね」
俺は二人に画面を見せた。
ラクタの表情が変わる。
ラクタ「……罠だな」
隼飛「うん。俺もそう思うよ」
バッカス「なら、何故行く?」
バッカスの声が低くなる。
俺は少しだけ考えてから、画面に写ったブブを見る。
隼飛「罠だと分かっていても、ブブを放っておく理由にはならないからね」
バッカス「隼飛」
隼飛「大丈夫だよ」
バッカスの言葉を遮るように笑う。
隼飛「俺一人で行ってくる」
ラクタ「一人で行かせると思うか?」
隼飛「思わないよ」
思わず笑ってしまう。
ラクタなら、そう言うと思っていた。
けれど――。
隼飛「だから、お願いがあるんだ」
バッカス「……何だ」
隼飛「俺が戻らなかった場合に備えて、万国街を見ていてほしい」
バッカス「それは――」
隼飛「心配しなくても、無茶をするつもりはないよ」
嘘ではない。
少なくとも、こちらから戦いを仕掛けるつもりはなかった。
今回の目的は、ただ一つ。
ブブを連れ戻すこと。
隼飛「じゃあ、行ってくるよ」
俺はそう言って、席を立った。
指定された時間。
俺は一人で○○ビルへ向かった。
もちろん、罠なのは分かっている。
だからこそ、周囲には細心の注意を払った。
1,292
467
229
19
人の流れ。
路地。
建物の出入口。
妙に静かな場所。
どれも注意深く確認する。
それでも――。
隼飛「……ここか」
目の前には、古びたビル。
人通りもほとんどない。
いかにも、という場所だ。
俺は小さく息を吐いて、扉を開けた。
隼飛「……お邪魔します」
返事はない。
奥へ進む。
すると、突然――
男「ようやく来たか」
声が響いた。
暗がりから、数百人の男が姿を現す。
その奥にはブブがいた。
隼飛「……無事みたいだね」
俺がそう言うと、男たちは笑った。
男「お前が大人しく一人で来るとは思わなかったぞ」
隼飛「俺も、来ないほうがいいとは思っていたよ」
男「なら、何故来た?」
俺は子供を見る。
隼飛「理由なんて、一つしかないでしょう?」
男の一人が笑う。
男「なるほどな」
俺は周囲を見渡した。
正面に五十人。
左右にも数十人。
そして、後ろの扉。
簡単には出られないようにしてあるらしい。
けれど、そんなことは問題じゃない。
俺が気にしているのは――。
隼飛「その子を解放してもらえるんでしょう?」
男たちの間にいたブブへ視線を向ける。
男「ああ。お前が大人しくしていればな」
隼飛「……なるほど」
やっぱり、最初からそういう話か。
俺をここに呼び出したのは、レッドチャンプルーへの揺さぶりでも、情報を聞き出すためでもない。
ただ、俺一人を確実に捕まえるため。
だったら話は簡単だ。
隼飛「分かりました」
男「……何?」
隼飛「俺がここに残れば、その子は帰してくれるんですね?」
男が一瞬黙る。
そして、笑った。
男「話が早いじゃねぇか」
隼飛「俺としても、そのほうが助かりますから」
ブブ「隼飛兄!」
突然、ブブが声を上げた。
俺はそちらを見る。
ブブ「逃げて!」
隼飛「……大丈夫だよ」
できるだけ安心させるように笑う。
隼飛「君は何も心配しなくていい」
男がブブの腕を掴む。
その瞬間、俺の表情から笑みが消えた。
隼飛「……その子には触らないでもらえます?」
男「あ?」
隼飛「俺はここに残ると言いましたよね」
一歩、前へ出る。
隼飛「だったら、もうその子を使う必要はないでしょう?」
男はしばらく俺を睨んでいたが、やがてブブをこちらへ押し出した。
男「ほら。約束だ」
子供がこちらへ走ってくる。
俺はしゃがんで、ブブと目線を合わせた。
隼飛「万国街まで戻れる?」
ブブ「……うん」
隼飛「なら、戻って」
ブブ「でも……」
隼飛「大丈夫」
俺はいつものように笑った。
隼飛「俺は大丈夫だから」
子供が何度も振り返りながら、扉の向こうへ走っていく。
扉が閉まる。
静かになった。
隼飛「……さて」
俺は立ち上がった。
隼飛「これで、もう俺を捕まえておく理由もないんじゃないですか?」
男「何を言ってる」
男が笑う。
男「お前にはこれから、俺たちと来てもらう」
隼飛「やっぱりそうなりますよね」
ため息をつく。
正直、ここまでは予想通りだった。
問題は――。
ここからどうやって抜けるか。
俺なら、目の前の連中を振り切ることはできる。
扉を破ることだって難しくない。
けれど。
俺がここから逃げれば、ブブを追う可能性がある。
それだけは避けたい。
隼飛「……分かりました」
俺は両手を軽く上げた。
すると、男達は俺の手首を掴み、後ろでロープでしっかり拘束されてしまった。
俺はため息を着く。
隼飛「俺が行けばいいんでしょう?」
男「そういうことだ」
隼飛「では、案内してください」
男たちは少し意外そうな顔をした。
けれど俺は、それ以上何も言わなかった。
建物の奥へ進んでいく。
階段を下りる。
さらに奥へ。
外の音が、少しずつ遠ざかっていく。
その途中で、俺は何気なく壁へ視線を向けた。
小さな傷。
誰かが最近触れたような跡。
……なるほど。
ここは以前から使われているらしい。
頭の中で、建物の構造を覚えていく。
いつか必要になるかもしれない。
やがて、重い扉の前で足を止めた。
男「入れ」
隼飛「はいはい」
扉が開く。
中へ入った瞬間――。
背後で、扉が閉まった。
ガチャリ、と鍵の音が響く。
俺は振り返る。
もう、誰もいない。
隼飛「……」
静かな部屋。
俺はしばらく扉を見つめたあと、小さく息を吐いた。
隼飛「……バッカス、怒るだろうな」
それを想像すると、少しだけ笑ってしまう。
たぶんラクタも怒る。
――でも、ブブが無事に戻れば。
それでいい。
俺は壁にもたれ、静かに目を閉じた。
その頃。
万国街では――。
バッカス「……遅い」
バッカスが時計を見る。
蘇枋が出てから、予定していた時間を過ぎていた。
ラクタ「まだ戻らないのか?」
ラクタも周囲を見渡す。
すると、そこへ一人の子供が駆け込んできた。
ブブ「隼飛兄が……!」
二人が同時に振り返る。
ブブ「隼飛兄が、連れていかれた!」
その言葉を聞いた瞬間。
バッカスの表情が変わった。
バッカス「……場所は?」
ブブ「わからない……でも、隼飛兄が僕を逃がしてくれて……!」
バッカスは拳を握る。
バッカス「……あいつ」
そして、ラクタは低い声で呟いた。
ラクタ「最初から、自分が身代わりになるつもりだったな」
万国街に、隼飛を探すための動きが広がっていく。
一方その頃、閉ざされた部屋の中で。
俺はまだ、何も知らなかった。
男達の本当の目的を…
数時間後、扉が開き、10人ほどの男たちが入ってきた。
男たちは俺を見るなり、ニヤニヤと不快な笑みを浮かべながら近づいてくる。
男「眠くないのか……?」
隼飛「眠いですよ?」
嘘だ。
こんな状況で眠れるほど、俺は呑気じゃない。
隼飛「それで、何の用ですか?」
男たちは答えず、ゆっくりと俺を取り囲んでいく。
男「今から何すると思う?」
隼飛「尋問、とかですか?」
男「まあ、近いかもな……」
その瞬間、男たちが一斉に襲いかかってきた。
隼飛「……なるほど」
俺は咄嗟に身体を捻る。
両手は拘束されている。
それでも、足なら使える。
迫ってきた男の攻撃をかわし、足を払う。
一人が倒れる。
続けて、もう一人の攻撃を身体を反らして避ける。
隼飛「手が使えないくらいで、俺が何もできないと思いました?」
男たちの動きが一瞬止まる。
けれど、相手は一人や二人じゃない。
狭い部屋の中で、次々と男たちが押し寄せてくる。
俺は攻撃をかわしながら、隙を見つけて蹴りを入れる。
一人。
二人。
それでも、まだいる。
隼飛「……多いですね」
さすがに、この人数は面倒だ。
しかも狭い。
思うように動けない。
それでも、俺は倒れない。
最後まで抵抗を続けた。
けれど――。
背後から別の男に押さえ込まれ、動きを封じられる。
隼飛「……っ」
ようやく、完全に動けなくなった。
男「大人しくしてろ」
隼飛「……それなら、最初からそう言ってくれればいいのに」
俺は息を整えながら、いつものように笑った。
男たちは俺を見下ろしている。
どうやら、ここからが本番らしい。
長くなってすいません。
次🔞あると思います。
いいね、コメントよろしくお願いしますm(_ _)m