『最下層で…』
「チーン。」・昇降機の扉が開いた
レイア「小さな部屋。」・昇降機から
出た
バイス「なんもね。」・レイアの、
うしろで周りを見た
「トコトコ…。」・ぷー吉は、レイアの
横を通りすぎた
ぷー吉「ここで、しばらく待つ。」・
立ち止まって言った
ぷー太郎「・・・・・。」・ぷー吉の、
うしろで立ち止まった
「フッ。」・真っ暗になる
レイア「!?」
「ブンブンブン!」・バイスは、
恐怖のあまり、高速で首を振った
「ガン!」
バイス「!?」・ビクッとした
ぷー太郎「前の方で音が…。」
レイア「ゴメン。あたし(照)。」
ぷー太郎「レイアさん?」・声の
する方を向いた
レイア「石を蹴飛ばしちゃったみたい
(笑)。」
ぷー太郎「もう…。」
「パッ。」・明るくなった
ぷー太郎「ん?」・上を向いた
語り手「ぷー太郎は、岩を
くり抜いたような場所に居た。」
ぷー太郎「ここは…?」・周りを見た
?「時空の狭間です。」
ぷー太郎「!?」・声のした方を見た
「ジジ…。」・ドレスを着た女性が、
岩壁をすりぬけて現れた
女性「初めまして。私は、『マイコ』と
申します。」・ぷー太郎の前で、
お辞儀をした
ぷー太郎「あっ、どうも。」・軽く頭を
下げた
「トコトコ…。」・ぷー吉は、マイコの
足元に来て、おすわりした
マイコ「この子が、十分な説明もなく
連れてきて失礼しました。」・ぷー吉の
ことを言った
ぷー太郎「いえ…。」
マイコ「性能は優れているのに、
オツ厶の方はアレなんですよね…。」・
困り顔で、ぷー吉を見た
ぷー吉「ふえ?」・見返した
ぷー太郎「ぷー吉は、ロボットなの?
」・マイコに訊いた
マイコ「いえ。今から話すことは、
科学ではなく、哲学だと
思ってください。」・ぷー太郎を見た
ぷー太郎「・・・・・。」
マイコ「ヒモ状のエネルギーが、あると
します。それが8の字になり、様々な
方向に振動して、球体を形成する。
これを輪廻玉と呼びます。」
ぷー太郎「りんねだま…。」
マイコ「複数の輪廻玉が、
ダークマターとの相互作用で宙に浮き、
そして、自ら光ることで、
犬の姿を映しているのです。」
ぷー太郎「困ったぞ。高度すぎて
理解が追いつかない…(悩)。」
マイコ「難しかったですかね。
わかり易く言うと、模様の
入ったビー玉が、雲のように、
まとまったモノ。そう、とらえても
良いでしょう。」
ぷー太郎「・・・・・(考)。」
マイコ「さて、頭の痛い話は、
これくらいにして…。えいっ!」・
眼覚し時計をどこからか出し、ぷー吉に
投げ入れた
「ボシュッ!」・ぷー吉の全身に
毛が生えた
マイコ「本題に入りましょう。」・
考え込む、ぷー太郎を見た
ぷー太郎「ん?あぁ…。」・顔を上げた
マイコ「あなたも察していると
思いますが、この世界に危機が
迫っています。それを回避するには、
北東の場所に封じた魔物、『ダリム』を
倒すしかありません。」
ぷー太郎「やっぱり、あの中に…。」・
前足を組んで、下を向いた
マイコ「しかし、再生能力を持つため、
普通の攻撃では回復されてしまうのです
。そこで、『プラマ』という兵器を
使います。」
ぷー太郎「プラマ…。」・マイコを見た
マイコ「お願いできますか?」・隣で、
おすわりする、ぷー吉に言った
ぷー吉「ふあ。」・うなずいた
「カパッ。」・ぷー吉の眼の前の
岩盤が、観音開きのように開いた
ぷー吉「ふい。」・その穴に、
右うしろ足から入った
マイコ「あの子(ぷー吉)がプラマを
用意している、あいだに、少し過去の
話へ…。」・ぷー太郎を見た
「ヒュオ〜…。」・風の音
マイコの声「およそ1万年前…。
この三日月諸島が、ひとつの
陸地だったころ…。」
「ザー…。」・時が逆行し、海面が
下がり始めた
マイコの声「高度に発達した科学都市が
ありました。」
「ゴー…。」・島の西側の、海の
底だった場所に草木が生え、
ビル群が建つ
マイコの声「そこは、
貿易の拠点でもあり…。」
「ガヤガヤ…。」・鍛冶屋、薬屋、
本屋などの商業地区が映る
シバ犬「ワンワン!」
カイ犬「ワンワン!」
通行人の男「何を騒いでいるんだ?」・
言い争う、犬たちを見て立ち止まった
雑貨屋の店主(獣人)「ホネガムの
取り合いだよ。」・イスに座りながら、
近くの通行人の男に言った
通行人の男「ホネガム?」・イグアナの
獣人(雑貨屋の店主)に聞き返した
雑貨屋の店主「あぁ。ホネの形を
したガムのことでな。マンゴー味の
限定品らしい。」
通行人の男「マンゴー味ねぇ。」
雑貨屋の店主「ここに、あるのが、
最後の、ひとつなんだと。」・親指を
立てて、うしろの棚をさした
通行人の男「それでか…。」・犬たちを
見た
犬たち「ワンワン(怒)!!」
青果店のオバちゃん「さぁさぁ、
新しい品種のブドウだよ!!
見てっておくれ!!」・周りを
見ながら、手を叩いた
お客(女)「新しい品種?」
お客(男)「どんなブドウだ?」
語り手「人々が青果店に集まる。」
青果店のオバちゃん「これが、そうさ!
」・小粒のブドウ(黒)を持ち上げた
お客(女)「ふつうのブドウみたい。」
青果店のオバちゃん「このブドウはね。
解毒作用があって、食べると体が
スッキリするんだ。その名も、
しゅぽーん。毒素が、あっという間に
抜け出るって意味だよ。」
お客(女)「へぇー。」
青果店のオバちゃん「でも、注意して
おくれ。」・真剣な顔になった
お客たち「・・・・・。」
青果店のオバちゃん「酔っぱらいまで、
シラフに、しちまうよ(大笑)!!」
お客(男)「病気がちの母に買って
いこうか。」・ブドウを手に取った
お客(女)「あたしにも、
ひとつ、ください。」
青果店のオバちゃん「あいよ。」
マイコの声「このように、多様な種で
賑わっていましたが…。」
科学者(女)「最近、魔物の数が
減ってるとか。」・高層ビルの廊下を
歩きながら、隣の科学者(男)に言った
科学者(男)「誰かが実験でも
しているんだろ。」・科学者(女)に
答えた
「フッ。」・光という光が消えた
科学者(女)「えっ?何?」・周りを
見た
科学者(男)「おいおい、まだ
昼間だぞ!?」・窓の方を向いた
「ォ…ォ〜…!!!」・光が戻ると
同時に、凄まじい衝撃波が、おそった
「ドーン!!!」・窓ガラスが割れ、
彼らは、壁に激しく打ちつけられた
マイコの声「突如、ヤツ(ダリム)が
現れたのです。」
「ワーッ!オーッ!」
マイコ「そこに住む人たちは応戦し
、死者を出しながらも、かろうじて
結界の中に誘い入れました。」
「ヒュオ〜…。」・都市の東側の
丘(後のグル島)が映る
マイコの声「そして、プラマを作り、
私に、こう言ったのです…。」
科学者(A)「きみを地下施設へ送る。
そこからヤツ(ダリム)を
監視してくれ。」
科学者(B)「我々は、このことが
記された本を未来へ託す。」
科学者(C)「もし、本を持った者が
来なければ、腕の中のソレ(ぷー吉)に
代りを捜させるんだ。」
マイコの声「時は流れ…。」
「ゴー…!」・海水面が上がり、丘は
4つの島に戻った
マイコの声「現在に至ります…。」
ぷー太郎「1万年前の都市にダリムか…
(考)。」
マイコ「彼ら(科学者たち)の言う本を
持った者は、まだ現れません。そこで、
あなた(ぷー太郎)に
頼みたいのです。」
ぷー太郎「人の集まる場所には、魔物が
現れやすいのかな…。」・マイコの話を
聞いてない
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!