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ハリーの手術が終わり勲は安堵した。
「良かった…ハリー生きてる。」
涙をこらえながら父ちゃんの車に乗る。
「父ちゃんもな白いワンピースの女見たんだよ。」父ちゃんは重い口をあけた。
「えっ!?」勲は少し嬉しかった。
家に帰り勲は眠りについた。
「疲れたんだね。」母ちゃんは優しく言った。
「こっちにおいで…。」
不気味な声が聞こえ勲は耳を傾ける。「こっちにおいで…。」
声がする方へ行くと青白い顔の爺さんが虚ろな目で手招きしていた。
「何だあのお爺さんは…。」勲が急いで逃げると道がぐにゃーとなり勲は落ちる。
「うわー!夢か…。」汗をふきながら寝室を出た。廊下を歩いていると婆ちゃんが電話をしていた。
「藤田さんが…そうかい亡くなったのかい。」
隣町の男性が今日亡くなった。
勲は夢に出てきた爺さんが死神じゃないかと思い婆ちゃんのところへ行った。
「僕ね青白い顔のお爺さんを夢で見たんだよ。」
「怖かったねぇ。」勲は頷きながら続ける。
「気味の悪い声でね、こっちにおいで…って言ってたの。」
「ハリーのことで疲れたんだっちゃ。」婆ちゃんは頭を撫でた。
「そうなのかな。」勲は不服そうな顔で言った。晩になり父ちゃんにも言った父ちゃんは真剣な顔で「いつ見た。」と聞いた。「昼寝してるときに夢で見た。」と答えると母ちゃんに「婆ちゃんが危ない」と言いお守りを勲の首にかけた。
あれから青白い顔の爺さんの夢を見ることはなくった。
縁側で楽しそうに絵を描いていると白いワンピースの女がこっちをじっと見ている。
「やいお前がハリーをやったんだな!」声をあらあげ言うとスーッとどっかに行った。
「また彼奴か…。」父ちゃんは青ざめた顔でボソッと言った。まるで夢で見た青白い爺さんのような血の気ない表情だった。
「次は婆ちゃんか…。」勲は嫌な予感がした。