TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。

遅延しているため、今回は23話24話と更新いたします。😇すみません。



24 ◇帰省



『今回、帰省しないのはもしかして、満島まほりのことがあったせいなのだろうか?』一瞬、

そのような考えが浮かばなかったわけでもなかったが……。


由香が本当に体調不良だったなら──


自分が彼女のことを疑っていることが分かれば、ますます自分たちの関係が……

自分の立場が危うくなりそうで、正義は口が裂けてもそんな素振りは

できなかった。




それでこのあとすぐ、息子たちに帰省する準備を促そうと二階へ上がる。


2人に現状を説明するも、2人とも口を揃えて「母さんが行かないなら僕たちも

行かないよ」と言う。


「それに体調の悪い母さんを置いていけないでしょ?」

と上の息子が言った。


そう言われれば、真っ当な話なので、息子相手ではあっても反論もできず

正義は引き下がるしかなかった。


俺だけが帰省しても、両親は残念がるだろうなぁ。


それにお節料理の手伝いをする人手がない『行かない』のだから

母親も大変だよなぁ~などと、そのような考えが頭を過る。


そうだ、俺しか帰省できないんじゃあ、意味なくね?

いっそ、誰も帰省しなけりゃあ、母親も楽かもしれない。


そんな風に結論付けて、正義はすぐに実家に連絡を入れた。




実情を母親に話すと――――

『孫たちも帰省しないんじゃあ寂しいけど、由香さんは仕事も持っていることだし、

今のうちに養生して治しておかないと|後々あとあと困るでしょ? あなたが

そこにいたら由香さんがゆっくりできないわよ。


それに私たちもあなたに会いたいし、あなただけでも帰ってらっしゃい。

お節は簡単なものだけにして、ばら寿司でも作って待ってるから帰ってらっしゃい』



そう強く諫められてしまい、正義は帰らないわけにはいかなくなった。




薄情なようだが、今まで家族全員で帰省した時は両親に会えるのが楽しみでさえ

あったというのに、1人で準備をして帰るとなると、正義は面倒くさくてしかた

なかった。



何故なのか、自分でもその心理は分からなかった。


いや、本当は分かっていた。


これまで何もかも人任せで楽をしていたため、自分で準備するとなると、面倒に

感じるのだ。


手土産も買わなけりゃならないし、両親への小遣いも準備しなけりゃあならない。

妻は毎年、一万円札のぱりっとした新札を用意してくれていた。


今回は間に合わず、古いお札を入れるしかないよな。


念のため、正義は由香に声を掛ける。


「えーとっ、一万円札の新札ってある?」



「ええ、封筒に入れてあるから持って行って。

食器棚の真ん中の引き出しに入れてあるから」



「ありがとう。助かる」



新札を用意してくれていたことで、めんどうな手間がひとつ省けた。



そのため、なんとか帰省しなければならない自分を鼓舞することができた。

そして、準備を整え、ひとり寂しく自宅を後にした。




『愛をください』- 叶わぬことと知りながら -

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

3

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚