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俺の彼女は可愛い。
先日、彼女と久しぶりにデートをした。
デートっていっても、
ただの散歩と変わらないけれど。
「どこ行きたい?」
俺はそう聞きながらも、
『どこでもいい』って答えると思っていると
案の定、
「どこでもいい」
そう答えた。
「じゃあ友達から勧められた店に一緒に行かない?」
そう俺が聞くと、少し間があった後
「何があるの?」
と聞いてくる。
「内緒〜」
と言いながら俺はその店に向かった。
だが、今日は時間があるから。
そう思い、遠回りして向かうことにした。
「ねぇ、いつ着くの?」
「まだ着かないよ」
「遅いんだけど」
「そりゃあ遠回りしてるからね」
「は!?なんで!!?」
「ここら辺、あんまり知らないから見ときたいな〜って思ったから」
「もしかしたら君が好きな店もあるかもよ?」
俺がそう言うと『確かに…』と言いながら
俯いてしまった。
俺の彼女は、とにかく小物が好きなんだ。
特に、テラリウムとかスノードームとか。
だから今はハーバリウム作り体験が出来る
お店に向かっている。
喜んでくれると嬉しいな。
そんなことを考えていると、
彼女が体をビクリと震わせながら俺の腕に
しがみついてきた。
「どした?」
そう俺が聞くと
「べ、別に!!」
と言ってそっぽを向いてしまった。
その時、
風でふわりと飛ぶ黒色の袋が目に映った。
『もしかして…』
そう思い、俺はあることを聞いた。
「ねぇ、もしかしてさアレにびっくりしちゃったとか?」
そう言いながら俺は黒い袋を指差した。
「そうだけど、何か?!」
と怒られる。
きっと見間違いで何かに見えたんだろうな。
可愛いやつ…。
「笑うな!」
「今、俺笑ってた?」
「ニヤついてた!!」
「だって可愛いんだもん」
そう俺が呟くように言うと
「早くお店行こ!」
と早歩きで向かってしまった。
まぁ、そっちの方向じゃないんだけど…。
「そっちじゃないよ」
俺がそう言うと
「早く言ってよ!!」
と怒る。
俺の彼女は可愛いだけでなく、
センスが独特なようです。
「花と目玉ってどうなの?」
俺が笑いながら聞くと
「可愛いでしょ!!」
と言う。
可愛いっていうか…怖いよ。
「俺のどう?」
そう言いながら俺は自分のハーバリウムを
見せると
「…悪くない」
と言う。
毎日怒られたりするけど、
行動のバリエーションが豊富すぎる
俺の彼女は、やっぱり可愛い。