テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
131
41
『あの子と最期』
親友が自殺した
一緒に遊んだ次の日のことだった
その日私達はカラオケで
お互いの好きな曲を交換したりして
心から楽しいと言える一日だった
それはあの子もそうだったはずなのに
夏休み中だったので
明日も一緒に遊ぼうと言って
十二時に近所のイオンで会おうと決めた
次の日の八時頃には
あの子の親から知らされたけど
私はちゃんと約束を守った
やっぱりあの子は来なかった
私の最期にあの子がいないことが
どうしても受け入れられないけど
あの子の最期に私がいたことが
あの子にとって幸せなことだったといいな
……いや
やっぱ寂しいな
(了)
コメント
1件
読み終えました。淡々とした語り口なのに、最後の「やっぱ寂しいな」で一気に胸を掴まれました。楽しかった一日の温かさと、翌日の知らせの落差。そして「あの子の最期に私がいたことが幸せだったといいな」という祈りのような願いが、とても切ないです。短い中に感情の厚みがぎゅっと詰まっていて、何度も読み返したくなりました。素敵な作品をありがとうございます。