月島 side
研磨が話しの続きをしている中、泣いている人もいた。
翔陽は研磨の後ろで声を殺しながら泣いている。
昔。翔陽が宮城に転校した後、追っかけるように俺らも宮城に行った。
一人残された研磨の元へ、長期間の休みがあるたびに会いに行った。
あの日、あの時。
僕達が風邪を引かなかったら……
研磨はずっと一人だったのだろうか。
あとはよろしく
と言わんばかりに、研磨と目を合わせる。
僕は
わかった
と言わんばかりに頷いた。
バトンタッチ。
次は僕の番だよ。翔陽。
それから数カ月経った、春。
季節の変わり目でもないし、寒いわけでもない。
かと言って風邪が流行っているわけでもなかった。
ただ、その頃は、精神的にダメージが多い頃で、隠れて悩んでいた。
だからか、風邪を引いてしまった。
その日は丁度、研磨が宮城に来てくれていた。
そしたら4人で、わざわざお見舞いに来てくれた。
そしたら案の定、翔陽に見抜かれた。
人間関係の事や、勉強の事、人生の事など、今悩んでることを全て話した。
そしたら翔陽は、
「辛いことも悲しい事も、全部半分こだよ!」
と言ってくれた。
凄くほっとした。
改めて、自分は一人じゃない。皆が居るんだって思えて、安心した。
翌日には風邪は治っていた。
だけど、念の為と言い、外で遊ぶ事は出来ず、皆が家に来て、ゲームをして遊んだ。
次、宜しく
という意味を込めて頷くと
任せろ!
と言わんばかりにニカッと笑う飛雄。
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